IS世界で神姫として生きる 作:かのえ
【神か】篠ノ之束が人工知能搭載のフィギュアを作った件【天災か】
1 以下、名無しにかわりまして俺らがお送りします
神姫って名前らしいぜ
てか可愛すぎだろ
2 以下、名無しにかわりまして俺らがお送りします
画像はよ
8 >>1
ほらよ【試作アーンヴァル型(黒色).jpg】
15 以下、名無しにかわりまして俺らがお送りします
え、これただの可動式フィギュアだろ?
動画ないと信用出来ねえな
50 >>1
【動いて話している動画.mp4】
61 以下、名無しにかわりまして俺らがお送りします
え?え?CGだろ?
まじだったら俺財産投げるわ
342 以下、名無しにかわりまして俺らがお送りします
マジかよ
ニュースで流れたぜ・・・やはり天災か
568 以下、名無しにかわりまして俺らがお送りします
アーンヴァルちゃんきゃわわ
897 以下、名無しにかわりまして俺らがお送りします
閃いた
947 以下、名無しにかわりまして俺らがお送りします
>>897
通報した
1000 以下、名無しにかわりまして俺らがお送りします
>>1000なら年内発売決定
***
「んー、これで動くはずなんだけど」
ぼんやりとした意識の中、俺はそんな声を聞いていた
硬い床に寝かされているように思えるのに、何故かふわふわとした浮遊感を感じている
キィ、と軋む音がして声の主が自分に近寄ってくるのを感じた
目は未だ開けることが出来ず、全身が弛緩しきっている。空腹で動けないというのはこういうことなのだろうか?
「あ、充電忘れてた」
スイッチを押す音が聞こえる。途端、俺の体には力がみなぎってきてぼんやりとした意識もはっきりとしてきた
スゥ、と目を開ける。真っ先に目に飛び込んできたのはどこか不健康そうな美女
目の下の濃ゆいくまはどう見ても最高の素材を無駄にしているように感じる
「起きて」
「起きてるよ」
右手を使ってよっこらしょと起き上がる。と、そして違和感を感じた。どう見ても目の前の美女の大きさが異常なのだ
巨大建築物を見上げるかのような感じで彼女を見上げている
「ここは一体……?」
「ちょっと待っててね」
彼女はむう、と唸りながらモニターに流れる意味不明な数式を観察し始める
「嘘、起動してからバグってる」
「あの、あの」
「うーん、でも動いているし一体?」
「すいませーん! きいてますかー!?」
「ああ、はいはい聞いてるよ」
ゆらりと彼女はこちらを振り向く
「えと、一体ここはどこですかね?」
「む、情報入れたのに参照できていないということはやっぱりバグ?」
「考えこむのは後にお願いしまぁす! 起きたらいきなり知らないところで困っているんですけど!」
また暫く目の前の彼女は考えこんで、そして妙にスッキリした顔でこう言い放った
「ま、動いているし成功ということで」
「だからここはどこですかね?」
「まあまあまあ」
彼女は俺をぐるりと見回す。その視線に困って自分の体を見下ろすと
「ん? あれ?」
ちょっとした膨らみがあった。触ってみる
「ふむ」
そして関節を見る。なんかネジみたいなのが刺さってる。というかこの関節の構造はどこかで見たことがあるようで――
「なるほど、武装神姫か」
だが、どうして自分の体が武装神姫になっているのかは分からない
そして、黒を基調としたパイロットスーツ(?)を着ていることからこの体はストラーフ型なのだろう
「うんうん、ちゃんと動いているね。関節の調子はどう? 左右で違和感はない?」
「いえ、特には……」
手をグーパーグーパーさせながら答える。どちらも出力に問題はない
としてもとても小さな関節部品だというのに、この手は人間の体とまるで同じかのようにスムーズに動かすことが出来る
「武装神姫、その名前が分かるということはちゃんとデータのロードはできているみたいだね」
「はあ。つまり、あなたがマスターですか?」
「いや、マスターは別の子になる予定。私は君の造物主だよ」
「はあ」
ふと、目の前の美女に既視感を覚えて記憶を探る
しばらくうーん、うーん、と唸った末にようやく目の前のうさ耳ゴスロリ美女の正体を掴むことが出来た
「あなたは篠ノ之束。ISを作った世紀の科学者」
「そうそう。バグはいろいろあるけど、一応データの参照は出来ているみたいだね」
「はい。……あ、それと」
ん? 何かな? と目の前の篠ノ之博士は俺に聞いてくる
これは果たして言うべきか、言わないべきか、少々悩みつつも、思い切って言ってみることにした
「あの、俺、男性人格なんですけど」
「――へ?」
暫く沈黙が落ちる
正直、気まずい
「まあいいや。人格データ書きなおすのめんどくさ……いや、もう生まれちゃったものを書き換えるのもあれだし」
「いまめんどくさいって」
「言ってないよ?」
「ソウデスカ」
とりあえず、武装神姫の体の具合を見る
くるっと回ったり、ストレッチをしてみたり、筋トレしてみたり
「人間の体との差異は見られるけれど、概ね順調です博士」
軽く、状況を報告したところ、博士は暫く考えこむ
天才というのはよく考えこむものなのかなぁ、と思ったのだけれど、どうやら違うらしい
「人間との差異が分かるってどういうことかな?」
「多分、博士が博士自身のモーションデータを突っ込んだからじゃないですか?」
「あっ」
すっかり忘れていたのだろう。彼女は間抜けな声を出した
と、暫く稼働データを取っていた時に聞いてみる
「この体はストラーフ型でしょうか?」
「ん? ……ああ、違うよ~。試作機だからアーンヴァル型を黒く塗ったのさ!」
「じゃあ自分は特別なのですか?」
「そうだよ」
まあ、バグが多いからちょっと量産には厳しいけどねぇ、と呑気に博士は言う
「で、俺のマスターになる子って一体誰でしょうか?」
「ふふ、それはね……」