そんな事より赤城さんの中破ホロ当たりましたわ。
(本編前に…)
これは【陽炎抜錨します!】と直接関係はありません。
多少の変更はありますのでご了承下さい。
某日の既に日が傾き始めたとき、リンガ泊地に一隻の輸送艦が入港した。港とは言ってもコンクリートで固められただけの殺風景なものだが、それでも港としての役割は十分果たしていた
本来ならば深海棲艦の出現する危険海域を通るとき、艦娘の護衛があるはずなのだが今回は居なかった。理由は簡単で、護衛の必要が無いと上層部が判断したからだ
「はぁ…蒸し暑いな…」
海軍の軍服をしっかりと着ていたその人物は、熱帯特有の蒸し暑さにおもわず帽子を外してしまった
彼が乗って来た輸送艦には建設資材や、補給物資などが満載されていて、今はその積荷を降ろす作業が行われていた
「出迎えは…なしか…」
元々ここの所属艦娘が少ないため、あまり期待はしていなかったが、出迎えは無かった
「あんたが新しい提督?」
ふと、背後から声を掛けられた。恐る恐る振り向くと、そこには大きな槍のようなマストを持った艦娘が立っていた
「えーと…叢雲かな?」
「気安く呼ばないで」
理由は分からないが、どうやら俺の第一印象は最悪のようだ
「早く質問に答えて。あんたが新しく着任した提督なの?」
「あぁ…そうだ。よろしく頼む」
「せいぜい頑張る事ね」
彼女はそう言い残すと、踵を返して歩いて行った
「あ、待ってくれ…」
泊地庁舎の場所を聞こうとしていたのだが、あまりに嫌われてる感じだったから聞けなかったのだ
「…泊地庁舎でしょ?付いて来なさいよ」
まだ何も言ってないのだが…それにしてもよく分かったな。俺が泊地庁舎の場所を知らないって
叢雲とは若干距離を置いて付いて行くと、目の前に木造で二階建ての建物が見えてきた。泊地庁舎だ。ただし、もうすぐで取り壊される
理由は簡単で、ちゃんとした鉄筋コンクリート製で新しく建て直されるらしいのだ
西方での戦いが終わって、ここの強化も必要だと上層部が判断した。このリンガ泊地を襲撃されて、失うとかなりの痛手だからだ
そのために施設の増設と、艦娘の配備を進めているらしい
「…秘書艦はどうしたの?」
「え?…いないが?」
「はぁ?提督は秘書艦を連れているはずよ?」
とは言われてもなぁ…何も聞いてないし、俺は上層部から急にこの事を伝達されて、船に乗せられたんだぞ?
それに、正直言って提督業なんて俺に合わない気が…
「仕方ないわね…ここを取り仕切ってるのは私だから、秘書艦になるわ」
「秘書艦って誰もなりたがらないんじゃ無いのか?」
足りない頭に無理やり知識を詰め込んだせいで、自分でもよく分からなくなってる
「何よ。私じゃ何か不満でも?」
叢雲が顔を覗いてきた。機嫌が悪そうな顔でも可愛い。…いいや、駄目だ。我らが人類の救世主の艦娘相手にそんな感情を抱いては……無理だ
可愛いものは仕方ない。思う事に罪は無い。口に出さなければ問題無いだろう
「…全部口に出てるわよ」
叢雲が若干距離を置いてそう言った
あれ?そんなつもり無かったんだけどなぁ…
これは百パーセント嫌われたかな…
「ま、まぁ…そんなので嬉しがるなんで子供のする事よ。…私は全っ然嬉しくなんて…無いわよ」
俺から見ると、駆逐艦娘なんて全員子供だがな。…おっと、これは口に出してないよな?
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可愛い。頭の中で反復していた。前の提督には言われた事も無かった
お爺ちゃんだったからかもしれない。だけど、前の提督とはかなり長く過ごしてたが、言われた事は無い
私は吹雪型だ。だけど、私だけ同型艦とは容姿が違った
理由などは知らないが、そのためにあまり同型艦と馴染めなかった
そこに目を付けて初期艦に選んだのがあの提督だったのだ。そこからは秘書艦として、かなり長くいろんな所を行き来した
楽しかった事もあるし、辛かった事もある
だけど、可愛いだなんて言われたのは始めてだった。正直言って嬉しかった
…嬉しいが、顔に出す訳にもいかないし、口にも出さない
理由は簡単で、この性格だからだ。どこぞのクソ提督とか呼ぶ奴までとは言わないが、あまり性格はよろしくない
俗に言うツンデレってやつなのだろう
…まぁ、自分でツンデレとか言うのはおかしいけど、ひねくれているのは自分でも理解している。そのつもりだ