結局砂浜近くのベンチに泣きながら座ってたのだ
「えっぐ…ひびきぃ…」
「よしよし、頑張ったね」
「一体、なんでここにいるのよ」
しばらくして泣き止んだ暁にそう聞いた
「それが…寮を出たあと、海が綺麗だったから眺めてると海中からなんか出てきて暁を追いかけてきたの」
「なんかって…深海棲艦とか?」
「暗くてよく分からなかったけど…肩に何か掛けてたわ」
「それって…潜水艦娘の可能性があるんじゃないかな」
確かに潜水艦を一隻、転属させるとは聞いていたが、到着日時を知らされてないのだ
「確か…伊401が転属する予定だけども…」
最新鋭の潜水艦らしい。潜水艦なのに、水上爆撃機を運用出来るとの事らしいのだ
「この近くに居るんなら出てきなさーい!」
叢雲は突然大声でそう言った
「しおいを呼びましたか?」
裏の林から出てきたのはお化けでは無く、立派な潜水艦娘だった
「着任報告に伺おうとしたら、
執務室に誰も居なかったのでちょっと潜ってました」
「じゃあ、あなたが伊401ね」
「はいっ!伊401ですが、しおいと呼んでほしいです」
「しおいね、分かったわ。ご飯食べてるところだけど、あなたも来る?」
「ご一緒させて頂きます!」
その後、全員揃ったところで夕食を続けた
「そう言えば、伊400型って水上爆撃機を運用出来るんだよな?」
資料にそんな事が書いてあったのを思い出した
「はい!晴嵐と言う水上機なのですが、急降下爆撃が可能です。それも、三機も積む事が出来るんですよ」
航続距離も艦艇の中ではずば抜けて長いらしく、燃費はかなり良いほうだ
「まぁ…実際には活躍の場が無かったんですけどね…もう少し早く生まれていたら、変わっていたかも知れないです」
実際の伊400型は、作戦が発令する前に戦争が終わってしまったのだ
なので、目立った戦果は無くそのまま海の底で眠る事になったらしい
「昔は昔、今は今だ。過去に囚われるより、今を精一杯生きる方が楽しい。沢山食べて沢山寝ろ。俺からはそういう事でしかサポートできないからな」
提督は勿論出撃出来ない
どこぞの馬鹿は船に乗って艦娘達と戦闘をした大馬鹿者もいるらしいが、常識的に考えて無謀だ
ましてや提督ともあろうお方が船と一緒に沈んでしまったら、残された艦娘達はどうするって話になる
だから、俺は地上で艦娘達に出来る事を精一杯してあげる事が一番だと考えている
「さてと、片付けは私がやるわ。あなた達はさっさと風呂入って寝なさいよ。寝る子は育つわよ」
「はぁ?暁は子供じゃ無いわよ!」
「まぁまぁ、暁落ち着いて。訓練で疲れたからお風呂行きましょ?」
やはり、雷が一番お姉さんな気がするな
ちなみに、寮が一部屋しか無いため伊401も第六駆逐隊と一緒に寝てもらう事になった