新生IS<インフィニット・ストラトス>~英雄達集う~ 作:武御雷参型
翌日、教室内は静まり返っていた。理由は当然ながら、昨日の未確認ISによる襲撃と男性で最初のIS操縦者である織斑一夏の負傷が原因である。
未確認ISによる襲撃対策は今後、国際IS委員会と共に検討していく事で決議案として出され、可決され執行開始はクラス対抗試合の際となった。
そして、一夏の怪我はそこまで酷くは無く、一日で退院する程の怪我であり、翌日には無事に教室に来ていたが、それでも所々に包帯は巻いている所は痛々しかった。
そして、現在はショートホームルームである。
「では、1年1組のクラス代表は織斑一夏君に決定しました‼」
麻耶の言葉で教室内が盛り上がりを見せる。
「待って下さい‼ その、自分はあの時に負けたはずでは? それに、未確認のISによる襲撃で中止になったんじゃないのですか?」
一夏は納得が行かないので真耶に抗議をする。しかし、後方から来た援護射撃に一夏は黙ってしまう。
「あの襲撃の前に織斑とオルコットの試合は終了している。お前の負けでな。しかし、オルコットは辞退して、ヤマト達の誰かにやらせても良いのだが、ヤマト達がクラス代表になってしまっては誰も勝つ事が出来ずに簡単に終了してしまう。それならば、今回の事を踏まえた結果、織斑。お前が適任だ。それに、この件については拒否権も無いからな。決まった事だ。それに従え」
何とも辛辣な言葉を言う千冬であったが、実を言うと、一夏が保健室で寝ている際に少し泣いていた。それは、大切な家族が失ってしまう事による恐怖ではなく、只単に、自分にはもう昔のように護ってやれない事の悔しさから来る悔し涙であった。
「それから、今後、織斑には特別にヤマト、ザラ、アスカの三名による戦闘の訓練に参加してもらう。もし、希望者がいれば、ヤマトかザラ、アスカの三名のうちの誰かに伝えろ。以上だ。では、山田先生。後をお願いします」
そこで区切ると、千冬は真耶にバトンタッチし、教室から出て行くのであった。
所変わって、グランドでは一組全員が集合しており、ISを使った授業が行われていた。
「では、オルコット、織斑。ISを起動させろ」
千冬の掛け声の下、一夏とセシリアは自分の専用機を起動させるが、一夏に至っては展開に戸惑っていた。
「何をしている。熟練したパイロットならば0.1秒で展開する事が出来るぞ」
モタモタしていた一夏に千冬は棘の詰まった言葉で、一夏に言うが、それでも集中出来ていないのか、展開に時間が掛かってしまう。
「集中しろ」
千冬にそう言われ、集中すると、今までモタモタしていたのが嘘のように展開される。
「よし、では飛べ」
一夏の専用機『白式』が展開された事を確認した千冬は、セシリアと一夏に次の指示を出す。しかし、まだISに慣れていない一夏はゆっくりとしか飛ぶ事しか出来ずにいた。
『どうした、織斑。白式のスペックはオルコットのブルーティアーズよりも上の筈だが?』
千冬は一夏の飛んでいるスピードが遅いことに少しイライラしていた。
そして、何とか目標の宙域に到達した瞬間、また織斑先生の指示が飛んだ。
『良し、着いたな。それでは、急降下並びに急停止を行ってもらう。目標は地表から10cmの所だ。では、オルコットから始めろ』
そこまで言うと千冬からの通信は切られた。
「ではお先に生かせて貰いますわ」
セシリアはそう言うと、自身の専用機であるブルー・ティアーズを急降下させ、地表に衝突する前に機体にブレーキを掛け、完全に停止をさせる。
「見事だな。だが、もう少しブレーキを掛ける場所を早くしろ」
千冬はそう褒めるが、どちらかと言うと、落とす事が得意らしい。
『次、織斑』
一夏はそう言われると、白式を急降下させる。しかし、このときに思い出した。まだ、ちゃんと習っていない事をしている事に。つまり………ブレーキの掛け方が判らない事になる。そして、一夏はそのまま地面と熱いキスをする羽目となった。
「馬鹿者‼ 誰が地面に穴を開けろと言った」
「すみません………」
千冬に怒られ一夏は項垂れる。
「さて、次にヤマト、ザラ、アスカ。三人はISを展開後、急上昇並びに急降下。目標地表はそうだな………1ミリだ」
「「「了解」」」
千冬は無茶振りの指示を出したが、それでもやろうとしたキラ達は最強だと思う。否、現に最強であろう。
それからは、キラ達三人は機体を展開させると一気に急上昇、急降下を行い見事に1ミリで停止した。これを見たほかの生徒達は目を見張ってしまう。
「すまないな……さて、此処までしろ、とまでは言わないが、これに近い物を得れる様に努力するように。以上‼」
織斑先生がそう言うと、待ってましたかの様にチャイムが鳴る。
「此処までだな。それでは各自は教室に戻る様に。それから、織斑。この穴の始末はお前一人で行え。ヤマトやザラたちの手を借りてするなよ?」
織斑先生は一夏にそう言うと、校舎の方へと向かって行く。
「頑張って」
「自業自得と言いたいが、先生からの指示だ。仕方が無い。頑張れ」
「頑張れ。やりこなせたら飯を一食分だけ奢ってやる」
上からキラ、アスラン、シンの順番で言い、一夏はシンの言葉でやる気が起き授業開始5分前には教室に入っていた。これをみた織斑先生は驚いていたのは、別の話である。
その日の夜、キラ達六人はキラとラクスの部屋に集まっていた。
「さて、此処に来てから随分時間が経ったな」
「そうですね」
アスランとルナマリアが話し出す。キラ達がこの世界に来て、二ヶ月の月日が流れていた。
「しかし、あの時に襲撃して来たあの機体は何処から来たんだろう?」
「そうだな。しかし、あの三機は俺達が破壊した筈だが………」
「ええと、それって、ヤキン・ドゥーエの戦いの事ですか?」
キラとアスランが話している事にシンが尋ねてくる。
「そうだよ。あの頃は、アスランも僕もカガリもラクスは色々と亡くしているから……ね。余計に考えてしまうんだよ」
キラは回想を少ししていた。
コンコン----------
「はい?」
扉がノックされ、キラが反応する。
『あっ、ヤマト君。これから織斑君のクラス代表就任パーティーをしようと思うんだけど、どうかな?』
すると、外に居る女子生徒がキラの部屋に来た理由を伝えた。
「うん、判ったよ。直ぐ仕度するから先に行っていてくれないかな?」
『うん。なら場所だけ伝えるね。場所は食堂だから』
そう言うと、女子生徒は食堂に向かって行く。
「さて、僕達も行こうか」
「そうだな」
「でも、服装はどうしますか?」
「それなら、制服ではないか?」
「ですが、礼服としたらわたくし達が着ていました服装はどうでしょうか?」
「それが一番かもしれませんね」
上からキラ、アスラン、シン、カガリ、ラクス、ルナマリアの順番で話す。なぜか知らないが、機体の中にキラ達が着ていた制服が収納されていたので、それを着て参加する事にするのであった。
「と言う訳で、織斑君。クラス代表就任おめでとう‼」
『おめでとう‼』
司会役の鷹島の号令の下、他の女子生徒もそのノリに合わせて騒ぎ出す。
「えと、ありがとう………(おめでたさが微塵も感じられないのは、気のせいじゃ無さそうだな……)」
表面上ではお礼を言う一夏だが、内心では苛つきを抑えつつも反対の事を言っていた。
「ところで、ヤマト君達も誘ったんだよね?」
「誘ったよ。でも遅いね。どうかしたんだろうか?」
一夏の席より少し離れた席では、キラ達を呼びに言った女子生徒と他のメンバーが話していた。
「もう少ししたら来るんじゃないかな? なんか、ヤマト君達の部屋で集まっていた様だし………」
その言葉を聞いた周りの女子生徒たちは、男同士のラブストーリーをも妄想していた……ラクス達女性陣も一緒である事をそっちのけにして。
「ごめんね。少し遅れた様だね」
すると、食堂の入り口からキラの声がしたので、全員がそちらの方に目を行かすと、そこにはそれぞれ違う服装をしていた。
キラは白い服に身を包み、シン、ルナマリアはキラと似た服装であったが色が違い赤衣服に身を包んでいた。しかしキラに至っては白服に勲章が何個か付けられていた。アスランはオーブ軍の士官服、カガリは代表専用服、ラクスはラクス専用の最高評議会議長の服に身を包んでいた。
「キラにシン、それに皆も凄い服装だな………それって何処かの軍服か何かか?」
一夏は席に座りながらキラ達にそう言う。
「まぁ、それに近い物と考えて。まぁ、君のクラス代表の着任式だからこういう礼装服が良いかなって思ったんだけどね」
「それに、これは俺達の中では、礼服としてピッタリだからな」
「もしかしたら、場違いだったかもしれません。キラさん」
シンは自分達が場違いな服装をしているのではないかと、少し不安に思っていた。
「クラインさん。その服ってどこかで販売されているんですか?」
「アスハさんもどこかで売っているんですか?」
「ホークさんもアスカ君やヤマト君と色は違うけど形が似ているけど、どこかで一緒に買ったの? ヤマト君に至っては何か勲章みたいなのが付いているけど、何かの勲章?」
反対に、ラクス達は女子生徒からの質問攻めに遭っていた。
「この服は特注ですわ」
ラクスが回りに居る女子生徒達にそう言う。
「特注と言うと、ヤマト君達もそうなの?」
「そうですわ」
『へぇ~』
ラクスの説明で、他の女子生徒達は納得したようであった。
「はいは~い‼ 新聞部です。話題の新入生の男子五人に質問したいと思います」
キラ達が話していると、入り口の方から声がした。その声を聞くと、他の女子生徒達は盛り上がり始める。
「あ、私は二年の
薫子はそう言うと、キラ達に自分の名刺を渡す。
「ではまず、織斑君からね? クラス代表になってどう言う気持ちかな、教えてくれる?」
「えーと、そうですね。これから頑張っていきます?」
「どうして疑問系? それにもう少しいいコメントを頂戴。例えれば、俺に触ったらヤケドすれゼ⁉ なんて物をさ~」
一夏のコメントに不服を垂らす薫子、しかし、一夏はどう言って良いのか困っていた。
「自分、不器用ですから」
「うわっ、前時代的なコメント………まぁ、そうだ、捏造しておくから」
薫子はそう言うと、キラ達の方に向かって行く。
「では、今度はヤマト君達ね? そうだね、先にヤマト君。噂によると、君はクラインさんと付き合っているという情報をキャッチしたけど、どうなのかな?」
「そうですね。僕はラクスと付き合っています」
「大体、どれくらいの付き合い?」
こう言う情報には女子生徒達は気になるようで、耳を傾けている。
「数えた事がないので、わからないですね。でも、僕達は学園を卒業した後は結婚するつもりですが」
「そうなんだ。結婚式には必ず呼んで頂戴。次に、ザラ君。君もアスハさんと付き合っている様なんだけど、どうかな?………あれ? その肝心なアスハさんは何処にいるのかな?」
「先に質問の件ですが、そうです。キラと同じく、学園を卒業後に結婚するつもりです。それから、カガリは俺の横にいますが?」
そう言われて、横を見ると、代表専用の服に包まれているカガリがいるが、その姿はどう見ても男の娘にしか見えていない。
「あれ? 情報では、アスハ君となっているけど、もしかして………」
「そうだ。私はれっきとした女だ‼」
「そ、そうなんだ………それはごめんなさい(男にしか見えないわよ)」
薫子は内心に思いながらカガリに謝るが、一方のカガリはまだ怒っていた。
「さ、さて、次はアスカ君ね。君もホークさんと付き合っているという情報が流れてきたんだけど、どうなのかな?」
「はい、そうです。俺とルナは付き合っています」
そう言うと、周りにいる女子生徒達はキラ達と同様に騒ぎ始める。
「なら、ヤマト君たち同様に、卒業後は結婚するつもりなのかな?」
「まだ、そこまでは決まっていません」
「そうなんだね。では最後に、これは先生達が話しているところを聞いたんだけど………君達って元は軍人だってのは本当?」
薫子がその質問をした瞬間、キラ達から発する空気が一気に変化する。そして、周りにいた生徒達は顔が真っ青になったのであった。
「それは誰から聞いたものですか?」
「えっ? ええと…………職員室前を通った時に、先生たちが話しているのを聞いて今、聞こうと思っていたんだけど………ダメだった?」
薫子の言葉にキラ達は殺気を押さえつけ、呆れ果てた。
「そうですか………先輩には悪気は無かった…ですわね?」
「はい、そうです」
ラクスの言葉に薫子は頷く。
「解りました。この件については織斑先生と話さなくてはいけませんわね?」
「そうだね………この後で先生の所に行こう」
キラの言葉に薫子は拍子抜けた。自分は悪気は無かったにせよ、聞いてはまずかった内容を聞いてしまった。それに対する罰を覚悟していたが、まったく触れる事無く話しているキラ達に尋ねてしまうほどであった。
「えっと、私に対するなにか罰的な物ってあるの?」
「罰が欲しいのですか?」
「いえ‼ 結構です‼」
ラクスの“笑っていない笑顔”を見た薫子は、すぐに否定するのであった。
「ですが、先程の言葉を聞き、わたくし達は貴女に罰を与えます」
「えっ⁉」
ラクスの言葉に薫子は緊張を孕んだ顔になる。さっきまでは罰を与えないと言っていたラクスが罰を与えると言うのだ。
薫子は覚悟を決めた。
「一夏さんの記事の内容を捏造せずに、ちゃんと書いてください。それと、セシリアさんの事も必ず記事にする事。これがわたくし達が貴女に与える罰です」
ラクスの言葉に薫子は安心し、頷くのであった。
それから暫らくしてから、新聞部が掲載した新聞にはこう書かれていた。
『ラクス・クラインを怒らせてはいけない』
これを見たラクスは額に怒りマークを掲げ、新聞部へ突撃して一悶着あったのは別の話である。
誤字脱字、感想、指摘、質問等ありましたら、お待ちしております‼
修正を行いました。
機体設定について(セカンドシフト機体)
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設定通り
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劇場版基準
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そもそも、劇場版を見てないからわからない
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いっそのこと、新規で作ろう