新生IS<インフィニット・ストラトス>~英雄達集う~ 作:武御雷参型
国際IS学園の入り口に一人の少女が立ち、校舎を見つめていた。
「そうか………此処がIS学園ね。漸く会えるんだね一夏」
傍から見たら少女の顔は恋する女であった。
翌日、クラスに馴染み始めた一夏達は、五月に開催されるクラス対抗戦にクラス中が燃えていた。
「ねぇ、聞いた? 隣のクラスに転入生が入ったんだって」
「そうなんだ~」
クラスの中は、転入生の事で持ち上がっていた。
「みな、おはよう」
『おはよう』
一夏がクラスの女の子達の挨拶すると、女の子達も挨拶を返してくれる。
「ねぇ、ヤマト君達。隣のクラスに転入生が入ったんだって」
一人のクラスメイトが一夏達に情報を教えてくれる。
「へぇ、そうなんだ。どんな娘だろうな? キラ」
「そうだね。でも一夏はそう言うことに気にする程の余裕は無い筈だよ?」
「これからは俺やシン、キラを中心に鍛えていくんだからな」
一夏は新しい転入生が気にして余所見をする余裕がある為、キラ達による訓練が今までより厳しくなっていくようだ。身の丈に合わないハードルを設定するのは勇敢なのやら、無謀なのやら。
「いや、待ってくれ。これ以上は俺もきつい。それにセシリアも箒も一緒にやった方が良いんじゃないか?」
「そうだね。オルコットさん、篠ノ之さんも今日の放課後から一緒にISの訓練に参加する?」
一夏の提案でセシリアと箒も参加するかキラは尋ねる。
「そうですわね。わたくしも参加させてもらいますわ」
「私も参加させてもらう。ヤマトやザラ達の訓練が気になるからな」
セシリアと箒は承認し、今日に放課後から正式に参加する事に決まった。
「それとね、その転入生なんだけど、中国の代表候補生らしいんだって」
「ふーん………(中国か、アイツは元気に過ごしてるのかな?)」
一夏は内心で、中学二年で転校していった友達の事を気にしていた。
「織斑君、フリーパスの為に頑張ってね?」
「そうだよ、織斑君が勝ったらこのクラスは嬉しいからね」
「それに、一年の中で専用機を所持してるのは四組と一組で計八人だからね」
そう、現在、一年生の中で専用機を所有しているのは四組の更識簪、一組では一夏、キラ、アスラン、カガリ、ルナマリア、シンの八人である。しかも、学園最強とまで言われているキラ、アスラン、シンの三人が居る限り、この学園は護られているに等しい。
「―――――その情報、古いよ」
すると、教室の入り口に一人の少女が扉に背を持たれ掛けながら言う。
「お前、鈴か………」
「そうよ。風鈴音よ。一夏、久しぶりね。それから、宣誓布告にきたわ、覚悟しなさい」
鈴はそう言うと、一夏に指を刺しながら言う。
「なに、格好つけてるんだ? 似合わないぞ?」
「な、なんですってっ‼」
鈴は一夏に言われた事が癪に障ったのか、一夏の元に行こうとしたが…………。
バシンッ‼
「ッ⁉ 何よ、だ……れよ」
鈴は頭を叩かれたので、叩いた本人を見ようと後ろを振り向くとそこには般若がいた。
「予鈴は既に鳴っているぞ。さっさと自分の教室に帰れ」
「ち、千冬さん」
「ここでは織斑先生だ。それから聞こえなかったのか? 私は教室に帰れと言ったが?」
「は、はい‼ 一夏逃げるんじゃないわよっ‼」
「さっさと帰らんかっ‼」
「は、はいぃぃぃぃぃ⁉」
織斑先生による怒号で鈴は脱兎の如く、自分の教室に戻っていく。
「あいつ、何時の間に、代表候補生になってたんだ………」
「い、一夏。アイツは誰だ⁉」
「どなたですの? 一夏さん⁉」
セシリアと箒の質問に答えに困っている一夏は苦笑いしか出来なかった。
バシンッ×2
「「アダッ⁉」」
その瞬間、箒とセシリアの頭に鈍い痛みが落ちてきて、二人は悶えていた。
「さっさと席に着け。では、これより………」
今日も無事に授業が開始されていく。
一方、学園に襲撃を行った組織では、とある建物中に入り研究結果を聞きに行っていた。
組織はロード・ジブリールとムルタ・アズラエルの二人を中心に組織となっており、その構成員は大抵が少女や少年である。
この少年少女達は戦争孤児だったり孤児院に入っていた子供達であった。しかし、どの少年少女達は目が虚ろでどれも焦点が定まらずにいた。何故なら、その少年少女達は記憶という記憶が消されており、尚且つ、薬漬けにされている子供達で、ファントムタスクの中に所属している大人達はこの子供達の事を『ドラッグ・チルドレン』と言われ最近では省略され『ドラチレ』とも言われている程である。
そして、ファントムタスクの建物の中にある部屋では研究員とアズラエル、ジブリールが居た。
「どうですか、この子供達は?」
「そうですね。どうも適正が強く制御もし難い所ですが、もう少ししたらこの子供もお二人の命令に誠実になるでしょう」
研究員の男はそう言う。そして、防音、防弾がされているガラスの前では何人かの少年少女達が機械を頭に被せられて、苦しそうに叫んでいた。しかし、アズラエル達には聞こえていない。
「それから、織斑夫妻から誘拐した少女についてはどうなっている?」
「それでしたら、こちらになります」
ジブリールの質問に答えた研究員は部屋に設置されているモニターに一つの映像を流す。そこには射撃訓練場で一人の少女が無心に男から渡された銃で人間の模型に向けて発砲している。どの銃弾も模型の頭部を打ち抜いており、模型がどんなに動いていても構わず撃ち続け十発中8発は何とか頭部を捕らえているが、外れた二発は体の一部を撃ち抜いていた。
「ほう、これは中々のものですな………」
「これは凄いではありませんか」
二人は少女に絶賛好評の様子である。
「で、この少女の名前はどうするのですか?」
「この娘のコードネームは(M)です」
アズラエルの質問に研究員はそう答える。
「(M)ですか。この小娘の元々の名前はなんでしたか?」
「この小娘の名前はマドカです。しかし、やはり織斑千冬の妹だけあって適正は高いものですな」
「そうですね。それにこの少女は空間認識能力も高いので、もう暫らくしたら計画されているミッションに参加できる筈ですよ」
研究員がそう言うと、二人は口の端を吊り上げて部屋を出て行く。
「しかし、それにしてもこうも良いものが手に入るものですな」
「そうですね。これもこの世にISなる物が流行り出してくれたお陰でもありますが、まぁ、それはさて置き……今回の作戦には何を出しますかな?」
「今回はウィンダム、ダガーLを使いましょう。それとMも一緒に連れて行き、イギリスのBT兵器搭載機ブルー・ティアーズ二番機のサイレント・ゼフィルスの強奪に参加してもらいましょう」
広い部屋に二人がワイングラス片手に話し合っている。その時、扉がノックされた。
コンコン
「はい、どうぞ」
アズラエルがそう言うと、二人の女性が入室してくる。
「アズラエル様、ジブリール様。ご報告があります」
一人の女性が二人に報告書を提出しようとするが、どちらも受け取ろうとはしなかった。
「報告書は要りません。ですので簡潔に報告して下さい」
「何だとっ‼ 折角スコールが作ったと言うのにそれを受け取ろうとはしないとはどう言う事だっ‼」
アズラエルの言葉にスコールとは別の女性が罵声を飛ばす。
「おっと、これは説明不足でしたね。失礼しました。報告書を出すという事は成功したと思っているから要らないと言っているのですよ。判りましたか、オータム?」
「………チッ‼」
アズラエルは子供をあやす様にスコールという女性に言う。反対にスコールは舌打ちを態と聞えるようにする。
「では、報告させてもらいます。アメリカの第二世代ISアラクネの強奪に成功しました。この作戦による負傷者は居ませんが、何機が被弾しました。反対にアメリカは死者十人、重傷者八人、軽傷者ざっと数百人は居ると見ています。また、破壊したISは約20機はあると思っています。これが今回の作戦の報告です」
スコールが報告書を片手にアズラエル達に報告していく。
「そうですか、ですがこちらも何機が被弾したと言っていますが、どの機体が被弾したか細かく報告してもらわないと困ります。よって、今すぐに調べて来てください。話は以上ですか? では退出を……」
アズラエルがそう言うと、スコールとオータムは苦々しく部屋を出て行く。
「いやはや、アズラエル氏は厳しい方ですね」
ジブリールは楽しそうにアズラエルに言う。
「仕方がありませんか。こちらも被弾したとなると話は別です。資源が無限にある訳では無いのです。それに、ダガーやダガーL、ウィンダム等の機体は然程に金は喰いませんがあちらで製作されていた機体については結構な程に資金が消えていくのです。前回にIS学園に襲撃させた機体も手痛くやられて、修理費もバカにならないのです。そして、今回製作する機体も結構金を掛けているのですよ? 呆気無くやられてはこちらの資金も底を着いてしまいます」
アズラエルはジブリールに熱心な程に説明していくがジブリールはその話を横に流していた。
「そうですな。では早速、機体の製作をする様に工場に言いますか」
ジブリールはそう言うとイスに備え付けられている電話を取り、工場に電話を掛ける。
「もしもし、ジブリールです。これからある機体を製作して欲しいのです。ええ、設計図がある機体ですよ? 機体は、ストライクE、ブルデュエル、ヴェルデバスター、ロッソイージス、ネロブリッツ、ソードカラミティ、ディープフォビドゥン、レイダー制式型、それからスローターダガー、デストロイ、ザムザザー、ゲルズゲー、ユークリット、ペルグランデをお願いしますね? では」
そう言うとジブリールは受話器を置く。
「あの機体達を製作するのですか? 予算は大丈夫でしょうか?」
「大丈夫です。世界中に女尊男卑に反対する男や国家などが沢山ありますからね、その国家から巻き上げればいいのです」
「そうですね。まぁ、我々の目的は………」
「「青き清浄なる世界の為に」」
こうして、世界は彼らによって混沌の中に巻き込まれていくのであった。
一方で、アズラエルはもう一つの計画を立てていた。
その計画の内容を知る者は、アズラエルに近いものを含めてごく僅かであった。
その計画が成功するか失敗するかは、誰にも解らなかった。
誤字脱字、感想、指摘、質問等ありましたら、随時受け付けております‼
良いお年を‼
修正を行いました。
機体設定について(セカンドシフト機体)
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設定通り
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劇場版基準
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そもそも、劇場版を見てないからわからない
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いっそのこと、新規で作ろう