新生IS<インフィニット・ストラトス>~英雄達集う~ 作:武御雷参型
次回からも新規で書いて行くと思うので、更新が遅れるかも知れませんが、何卒、よろしくお願い致します。
「せ、戦争? な、何を仰っているのですか? 軍事利用の為のIS開発は、アラスカ条約によって禁止されているから戦争は起きない事は、キラさん達も知っている筈ですが?」
セシリアは、冷静さを欠けない様にキラに言う。しかし、キラ達の瞳には嘘偽りが一切、混じっていない瞳であった。
「う、嘘ですわよね? 嘘と仰って下さい‼」
「………すまない、セシリア。だが、嘘偽り事無く言うと、キラの言葉は本当の事なんだ」
セシリアの絶叫に近い言葉にアスランが、申し訳無さそうに言葉を発する。
「どうしてですか? どうしてそんなにも冷静でおられるのですか‼」
セシリアは目尻に涙を溜めながらキラ達に迫る。しかし、キラ達は何も言えず、唯々、黙る他無かった。
その時、セシリアの懐に仕舞っている携帯が震え出した。
「ちょっと、失礼します」
セシリアはそう言ってキラ達から離れた場所で、携帯を取り出し耳に当てた。
「キラさんにアスラン。少し言い過ぎではないのですか?」
「シン。簡単に言うがお前にも判っている筈だぞ? ロゴスの存在がどう言う存在なのか……身に染みて知っているだろ?」
「ええ、判っていますよ‼ でもね、それでも彼女には知る必要性の無い事じゃないのか‼」
「シン‼」
シンとアスランの口論にキラが手で遮った。
「キラ?」
「シン、これは僕とアスランの考えだけで纏めた事だ。君の意見も聞きたい。この世界の歩む道の事を……君はどう言う風に感じ取っているの?」
「お、俺は…………」
キラ言葉にシンは何も答えられなかった。シン自身も判り切っていた事である。クラス代表を決める試合の時に乱入した機体がC.Eの世界でロゴスが製造した機体だと言う事は、後からキラ達に教えてもらった事である。
これからも、同じことが繰り返される事は判り切っている事だ。
「キラさんが言っている事は、軍人であれば分かる事です。でも、あいつ等は本当の戦争を知らない。それを無理に知らせるのは酷ではないかと思います」
「そう、それがシンの答えなんだね?」
キラの言葉にシンは強く頷く。
「判った。君の意見も一つとして僕もこれからの言動は気を付けるよ」
キラはシンの考えが自分とは違い、しっかりとしている事に安堵する。
「キラ、どうするのだ?」
「僕としては、一夏達にこの事を知らせるのが一番だと思っているよ? でもね、シンの言葉を聞いて決心が鈍ったんだ」
「キラ……」
キラの言葉にアスランは心配する。しかし、キラの瞳には心配を覆すほどの力の決心が籠っていた。
「僕はまだ、一夏達に知らせるのは止めようと思うよ」
「その方が良いだろうな、まだあいつらに知らせるのは重すぎる問題だからな」
「そうですね」
キラ達の気持ちは一致するのであった。
「そんな事があって堪りますか‼ どうして……強奪されるのですか‼」
セシリアの叫びに近い声にキラ達の視線はそちらへと向く。
「………判りました。わたくしの方でも調べてみます」
セシリアはそう言うと携帯を仕舞った。しかし、その表情は青白かった。
「セシリア、大丈夫か?」
「キ、キラさん………はい、大変お見苦しい所を見せてしまいましたわね」
「大丈夫だ。しかし、先程の会話の中にあった、強奪と言うのは?」
アスランの言葉にセシリアは何も言えない。強奪された機体が、自分の専用機の二番機に当たり、また、その性能はブルー・ティアーズの強化版である事を、自国の代表や代表候補生では無い者達に言うのは自国の恥を晒す事になる。
「いえ、申し訳ありません。我が国の問題ですので、キラさん達には関係の無い事d「そう言う訳にも行かないだろう? キラ」えっ?」
セシリアの言葉に重なるようにアスランが被せ、キラに視線を当てると、当のキラは一つ頷くと、口を開いた。
「セシリア、ゴメン。君の国の問題だと言う事は判っていたけど、この学園にも危機が迫る可能性があると考え、僕達でさっきの事を調べたんだ」
「調べた…どうやってですの⁉」
「こうしてだよ」
キラはそう言うとセシリアに自分の手元にある物を見せた。それはどこの国にもある、スマートフォンであった。しかし、画面には強奪された機体の情報が記されていた。
「これをどうやって………」
セシリアの驚くのは、他でもない。まだ完成したばかりで、どの国家にも配布されていない情報なのである。
「キラならやりかねない事だからな」
「諦めろ、セシリア。俺たちはもう、諦めている」
アスランとシンの表情は諦めきっているのだった。
“何事も諦めが肝心”といわれるが、キラが相手だと流石の二人もどうしようもないのだ。
「ま、まさか‼ ハッキングをしましたの⁉」
「うん、そうだけど?」
キラはしれっとした表情で答える。キラの手に掛かれば、どんな難しいプログラミングでも簡単に解けてしまう。それほどまでの力をキラは持っているのであった。それを知っているのはキラと長年の付き合いのあるアスランやシン、ルナマリア達である。
セシリア達からすれば、一番の脅威であるとセシリア自身が身を持って知ったのであった。
「さて、今回の強奪された機体の情報だけどセシリア、君はどんな風に聞かされているの?」
「どう言う意味ですの?」
「君の聞いた話の中には事実じゃない事もあるかも知れないんだ。だから、僕がハッキングを掛けて君が聞いた話と照らし合わせて行く。その方が君に本当の真実を知れる」
キラの言葉にセシリアは悩んでしまう。国家機密情報を漏らすと言う行為は身を亡ぼす。既にセシリアの手にはオルコット財閥と言う両親からの形見が乗っている。それを手放すほどの情報が本当に聞けるのか、もしかしたらキラが真実を話さず、嘘の情報を流すかもしれないと、セシリアは悩み口を閉ざしてしまう。
「やっぱりか、セシリア。これだけは言っておく。キラは本当の情報しか言わない。そのお陰で俺達は救われた事もあるんだ。俺達が言った所で君の気持ちが変わるかどうかは判らない。だが、キラは真実しか言わない。これだけは覚えていてくれ」
アスランの真っ直ぐな瞳にセシリアの決心が固まった。
「判りましたわ。お伝えします。ですが、ここでは何ですから、防音設備が整った場所に案内してください。そこでお話します」
「判った。僕達で手配しよう。それと、僕達三人以外にルナマリア達も呼んでも良いかな?」
「どうしてですの?」
「ルナマリア達や僕達は今回の強奪に関与したであろう組織を知っている可能性があるんだ。それを僕達は知りたいんだ。負の連鎖を断ち切る為にも、お願いするよ」
キラはそう言うとセシリアに頭を下げるのであった。
「そこまでお願いされてしまっては、お断りする事も出来ませんわ。皆さまもお呼びくださいな。ですが、この事については……」
「判っているよ、他言無用にしておくよ」
「では、わたくしはこれで」
セシリアはそう言うとキラ達に背を向け歩いて行く。
「キラ、良かったのか?」
「なにが?」
「何がって……お前が握っている情報は国家機密の情報だぞ‼ それを易々ルナマリア達に見せると言う事だ‼ もし、どこかの国家に見つかってみろ‼ 俺達だけじゃない、ラクスやカガリ、ルナマリアにまでも影響が行くんだぞ‼ それを判っているのか‼」
「そうですよ、キラさん‼ 俺達だけであればなんとかなるかも知れません。でもラクス様達に何かあれば……」
「その為の情報でもあるんだよ?」
「「?」」
キラの言葉にアスラン達は頭を傾げるのであった。
一方のロゴスは、最終段階まで進んでいた。
「アズラエル。もう少しでこの機体が完成するな」
「ええ。漸く完成しました。ですが、何処で実験するのですか?」
ジブリールとアズラエルは広い部屋でワインを飲みながら作戦を建てていた。その前に設置されているモニターには一機の機体が映し出されていた。機体の周りでは作業員が忙しく機体のチェックを行っているところである。
「もう少しでIS学園で対抗戦があるだろう? その時にこの機体とダガー、ウィンダム、それから改修したカラミティー、レイダー、フォビドゥンを向かわせようと思う。もう少しで調整が済みますからね。それに、あの忌々しき者共を殺して、この機業を出しましょう。そして、篠ノ之束が開発した機体よりもこちらの機体の方が強く、誰でも扱える事を示せば、この世界を変えましょう」
「ほう、どのように変えるのですか?」
アズラエルは先が気になるようで尋ねる。
「それは、女性だけの世界にするのです。遺伝子を変えてしまえば女性同士でも子供を産ませる事は可能です。そして、この世界から男性を消し去ってしまいましょう」
そう言うとモニターにはロゴスのロゴマークが映し出される。
「さて、この夢を、只の夢に終わらせないようにしなくてはいけません。でも、その前にはあの五月蝿いハエ共を消さなくては」
「そうですな。では、ロゴスの悲願が叶えられます様に」
「「乾杯」」
そして、二人はワイングラスを小さく当てるのであった。
キラ達は防音設備が整った部屋に集まり、セシリアが来るのを待っていた。既にキラがセシリアに場所をメールで送信していた為、そこまで時間が掛かる事は無かった。
「お待たせ致しましたわ、セシリア・オルコット。只今、参りました」
「ごめんね、いきなりで申し訳無いけど説明をお願いするよ」
「判りましたわ」
セシリアはそう言うとキラ達に、国から教えられた情報を伝えて行く。
「と言う事ですが、キラさん。何かありますか?」
セシリアの説明が終わる頃にはキラ達は考えに耽っていた。
「まず初めに、君が聞いた情報の中には組織の名前は聞かされていた?」
「い、いえ。どの組織が強奪したかと言うのは聞かされていませんわ」
「だろうね、これを見てほしいんだ」
キラはセシリアの説明に納得したかのように思え、携帯端末を大型モニターに繋げた。
「セシリア、ここからの情報は他言無用でお願い。この情報はどの国家も握っていない情報だし、持っていても国際IS委員会だけだと思うから」
「えっ? どう言う事ですの‼」
「まぁまぁ、セシリアさん。ここは落ち着いて…」
「落ち着いていられますか‼」
ラクスの言葉にセシリアは牙を向けるが、ラクスはどこ吹く風の状態でキラの方を見つめる。キラもセシリアが反論するであろうと判った上での事であった為、何とも思っていない感じであった。
「セシリア、君がこの情報を知ったと言う風になれば、君は消される可能性が高い物だ。それほどの覚悟を持っているんだよな?」
シンの表情はふざけた様子は一切なく、真剣であった。セシリアも漸く、事の重大性を認識した。
「それを承知の上で皆様に極秘情報を流しているのです。命の覚悟ぐらい、とうに出来ていますわ」
セシリアの言葉を聞いたキラは頷くとモニターに情報を映し出していく。
「裏の世界の情報をハッキングして掴んだ情報によると…………今回の強奪に関与している組織は二つほどある。一つは秘密結社である某国機業。この組織は、第二次世界大戦中よりもっと前に設立された組織で、支部には日本、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、ロシアの七国にある。本部があるのはドイツだけど、元々あった本部はアメリカだったらしい。僕もそこまでの情報は掴めなかったんだけどね。それはさておき、その組織内部には三つの攻勢で分けられており、一つが武力派、もう一つが穏健派、最後に中立派で武力派が今回の強奪に関わったと考えられた。もう一つの組織が………」
キラの口が閉じられた事にアスランやシン達は心配する。
「大丈夫か? キラ」
「う、うん。大丈夫だよ。でも、まさかこの世界にもあの組織があるとは思わなかったんだ」
「キラ……」
「大丈夫だから」
ラクスの心配する声にキラは安心させるかのように笑う。しかし、その笑顔の奥には悲しみが込められていた事にラクス達には筒抜けであった。
「もう一つの組織が、ロゴスだ」
『ッ⁉』
キラの言葉に衝撃を受けたのがアスラン達であった。
ロゴスはキラ達がいる世界では、デュランダルの謀略とザフトの攻撃により撲滅されている。
しかし、この世界に存在するとは誰もが想像がつかなかった。
誤字脱字、感想、指摘、質問等、受け付けております。
修正を行いました。
機体設定について(セカンドシフト機体)
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設定通り
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劇場版基準
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そもそも、劇場版を見てないからわからない
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いっそのこと、新規で作ろう