新生IS<インフィニット・ストラトス>~英雄達集う~   作:武御雷参型

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執筆が捗るんじゃぁァァ‼


第二十五話~説明Ⅳ

ミーアの死は、その場にいた者全員がすすり泣いた。ラクスもキラも……

 

「ミーアさんの亡骸は………」

 

口を開いたのは真耶であった。真耶の瞳には大粒の涙が浮かべられていた。

 

「ミーアさんの亡骸はアークエンジェルへ持ち帰りました」

 

ラクスが説明すると、モニターではミーアを横抱きにしてアークエンジェルの霊安室に向けて歩くアスランが映し出される。アークエンジェルに乗艦している者は皆、ミーアとアスランを見ていた。ラクスを自分の命と引き換えに助けたミーアを全員が見ていたのである。

そして、霊安室には横たわるミーアの傍にキラとアスランが立っており、後ろに設置された椅子にはラクスが座っていた。そして、ラクスはミーアの持っていたハンドバックを開けると、そこには一枚のディスクが入っていたのである。ラクスからディスクを受け取ったキラは自室に向かい、アスラン、メイリン、ラクスとそのディスクを確認した。

それは、ミーアが綴った日記であった。すると、再度音声が流れだした。

 

『十月十一日――今日やっと包帯が取れた。なんだか不思議な感じ……鏡を見たら、そこにはラクス様の顔が写ってた。不思議…不思議‼ だってこれはもう、どこからどう見たってラクス・クラインだわ‼ 大ファンの私が言うんだもの、間違いない‼ その代行、身代わりなんて仕事、本当に大変だろうけど、あたし、頑張る‼ 絶対バッチリやって見せるんだから‼』

 

「彼女の音声で作られた日記ですわ。それは、わたくしが先の大戦で行方不明になった所為でしょう。プラントではわたくしはアイドルとして、一躍有名でしたから………ですが、ミーアさんをこんなめに遭わせたのもわたくしの責任ですわ」

 

「ラクス………」

 

ラクスは悲痛な声で、自分に責任があると感じていた。そしてまたキラも、そんなラクスにゆっくりと抱きしめた。

 

『声は大丈夫‼ 元々、似てるって言われてたんだし……問題はしゃべり方とか仕草よね~。ラクス様は歌われる他は殆どメディアに出ないから、普段が全く分からない……演日の時の様に凛々しいのかな? うーん、そんな事無いよね。ラクス様だって女の子なんだし、化粧品とかどこのメーカーを使ってるんだろう? 出来れば、そこまで調べてほしかったんだけどな……お仕事は本当にある日、突然やって来て……夢だったデビューとはちょっと違ったけど、でも、考えてみればこれって、それよりもすごい事よね‼ あたし、ラクス様の様になりたいって思ってたんだし………本当にあたしに出来るのかなって、心配は心配だけど……でもすっと夢を見ているより良いじゃない‼ 先の事なんて分かんないんだもの‼ なんでもやってみなくちゃね‼』

 

「ミーアさんは本当にクラインさんの事を尊敬していたんですね」

 

「ええ、わたくしもミーアさんの様な方に尊敬され、嬉しく思っておりますわ」

 

真耶の言葉にラクスは静かに微笑む。

 

『ラクス様のお仕事は……歌う事。じゃなくて‼ プラントや世界の平和の為に色々な活動をする事。大変なんだろうなって思ってたけど、やっぱり大変‼ 昨日はついに‼ ギルバート・デュランダル最高評議会議長に呼ばれて、少しお話を聴いたけど………なんでも地球にユニウスセブンが落ちちゃったとかで大変なんだって………本物のラクス様は今、プラントにいらっしゃらないと言うし……もしかして、マジであたしの出番なわけ⁉ こんなに早く‼』

 

ミーアの肉音声で綴られた日記は続く。だが、途中で音声が飛び、ミーアのライブ映像が流れる。

 

『お仕事の方が本格的に始まって、ちょっと緊張、たいへーん。戦争の中でお仕事するなんて、本当にとっても大変なのね。と言っても、みんなラクス様の事が好きなんだね‼ すっごく大事にしてくれる。あたしは偽物だから気が引けるけど……でも、みんなを励ましたと言う気持ちは嘘偽りはない。頑張らなくちゃ‼ ラクス様の様に……ラクス様の様に、みんなに声が届きます様に……早く戦争が終わります様に、みんな、頑張ろうね‼』

 

「そう言えば、アスランってばミーアさんにタジタジでしたよね?」

 

「なっ⁉ ルナマリア‼」

 

「フーン………アスラン♯」

 

「えっと、その…だな………」

 

「アスラン?」

 

「ら、ラクス⁉」

 

ルナマリアからの口撃にカガリとラクスが笑いながら詰め寄る。だが、その眼は怒りに満ちていた。

 

「あ~あ、私。知らなーい」

 

「………ルナマリアが怖い」

 

シンはルナマリアに恐怖を抱く。いつ、自分にも同じ事を言われるか判らないからである。

 

「話を続けてもらっても良いか? 痴話喧嘩は他所でしてくれ」

 

千冬は頭を抱えながらアスランとラクス、カガリに言う。真耶は苦笑いであった。

だが、これはその場を和らげる効果があった。ただし、カガリとラクスの眼は本気の様だが………

だが、場は再度、静まり返る。

 

「俺は後悔している。最初に会った時に認めなきゃ良かったと……」

 

「アスラン……」

 

『ラクス・クラインって……ラクス・クラインってなんなんだろう? 誰の事だった? あたし? 議長は大丈夫だって言ってくれた……あたしが世界を救ったって。そうだよね? あたしがやった‼ だからあたしは……わたしは‼』

 

そこで日記は終わっていた。

ラクスはまた、涙が溢れ出しそうになっていた。すると、キラが静かにラクスの肩に手を置くと、ラクスはキラの胸に顔を埋め涙を流した。

 

「もう一度、誓いますわ………ミーアさん。忘れません。絶対に、貴女の事を‼」

 

モニターにはミーアを入れた棺が霊柩車に乗せられ、墓地へと向かって行ったのであった。

 

「クラインさん……お知らせしたい事が………」

 

「なんでしょうか?」

 

真耶は唐突にラクスにある事を知らせた。

 

「クラインさんの声に似た女性が居ます」

 

「え?」

 

「なんだって‼ それは本当ですか、山田先生‼」

 

「え、ええ。最近になってデビューした女性なのですが………その方の名前が………」

 

「まさか⁉」

 

真耶の言いたい事がアスランには判った。

 

「ミーア・キャンベルさんです」

 

「生きていた………この世界に生きていた‼ キラ‼」

 

「うん、絶対に会いに行こう」

 

「俺も一緒に行こう」

 

ラクスはミーアに会う決心をする。もし、他人であっても良い。自分の事を知らない人でもいい。でも、一目で良いから見たいと願った事であった。

 

「解った。こちらで手配しよう。なに、私の権限でそれぐらいの事はさせろ」

 

「ありがとうございます。織斑先生」

 

千冬はラクスにミーアを合わせる算段を考えたのである。

 

「まだ、話は続くのだろう?」

 

「はい。議長はデスティニープランを発表したのです」

 

「デスティニープラン? なんだそれは」

 

キラの説明に千冬は質問する。

 

「議長は言いました。“我々は今度こそ、最大の敵と戦って行かねばならないと。そして、我々は、それにも打ち勝ち、解放されなくてはいけない。有史以来、人類の歴史から戦いの無くならぬ理由。常に存在する最大の敵……それは自分自身”」

 

「どう言う意味だ? 自分自身に打ち勝つなぞ、誰もが判っている事であろう?」

 

「いえ、議長が言っている言葉はそう言う事ではありません。デスティニープランは、コーディネイターがこれまで培ってきた遺伝子工学のすべてを使い、最高水準の技術を持って行われる、究極の人類救済システムです」

 

「それのどこに問題があるのだ? 特に問題が無い様に思えるが………」

 

千冬はギルバートが提唱するプランに何の害も無いと思っていた。

 

「確かに聞く分に関しては、そうでしょう………ですが、言わせて頂きます。それは、“死”です。平穏なんかじゃない。遺伝子が示さすその運命に従って生きるだけの存在となるのです」

 

「なに? 議長とやらは人間をロボットの様な存在にしようとしていたのか‼」

 

「はい。だからこそ、僕達は戦いました」

 

キラが言うと、モニターの映像が動き出した。レクイエムの中継ステーションが映し出されていた。

 

「なぜ、レクイエムに使われていた物が出て来るのだ?」

 

「……議長は……レクイエムを再建しました。そして、それを使い………」

 

アスランが説明すると、レクイエムが放たれた。そして、照準はアルザッヘルであった。

 

「なぜ……レクイエムを使ったのだ………」

 

「議長は、自分の作りたい世界の為に犠牲は必要とし、まず始めに地球軍の月基地を攻撃しました。そして、今度はオーブでした」

 

「なんだと‼ なぜオーブに撃とうとする‼」

 

キラの説明に千冬は驚いた。

 

「議長は………オーブがいては自分が作り上げようとしている世界は出来ないと思ったのだろう………だから、レクイエムを使ってオーブを撃とうとした」

 

カガリが説明すると、モニターにはエターナルの周りに集まるナスカ級とローラシア級が映し出された。そして、地球連合軍のドレイク級護衛艦の姿もあった。

また、月基地からクサナギを旗艦とするオーブ艦隊とアークエンジェルも映し出され、ダイダロス基地破壊へと向かっていた。

 

「俺達は議長を止めるべく、中継ステーションの破壊に向かいました」

 

アスランが説明すると、モニターでも動きがあった。

エターナルから出撃したストライク・フリーダムとインフィニット・ジャスティスはエターナルの船首にある大型モジュール“ミーティア”を装着し、ステーションワンへと向かったのである。

 

「わたくしは、この大量破壊兵器はこの世に必要無いと感じ、何度もザフトに向けて通信をし道を開ける様に通告をしました。しかし、聞き入れられる事は無く、戦闘に入ってしまいました」

 

モニターにはミネルバとアークエンジェルの戦闘が映し出された。アークエンジェルとミネルバの戦闘は苛烈を極めていた。そして、ミネルバが回頭した瞬間、陽電子砲“タンホイザー”をアークエンジェルへと向けた。

アークエンジェルは回避しようとした。だが、回避すれば後方にいるエターナルに直撃してしまうと思い動けなかった。悲劇にもタンホイザーは放たれ、アークエンジェルの艦橋に直撃すると思われた瞬間、一機のMSがシールドを掲げアークエンジェルの艦橋の前に立ち塞がった。

立ち塞がったのはネオ・ロア・ノークであった。ネオはアカツキを盾にアークエンジェルをタンホイザーから護ろうとしたのである。

だが、アカツキはタンホイザーの攻撃を防ぎ切り、ビームライフルでタンホイザーを撃ち抜いたのである。

 

「待って下さい‼ 陽電子砲と言えば……ストライクが‼」

 

「そうです。先の大戦でアークエンジェルとドミニオンが戦闘した際、ムウ・ラ・フラガ少佐が傷を負ったストライクで護った様に、今度はネオ・ロア・ノーク大佐がアークエンジェルを護ったのです。そして、ネオ・ロア・ノーク大佐は………ムウ・ラ・フラガ少佐でした」

 

「まさか、生きていたのか‼」

 

「はい、ムウ・ラ・フラガとしての記憶を封印し、新たにネオ・ロア・ノークとしての人格を植え付けました。ですが、同じ状況で記憶を取り戻したのです」

 

すると、モニターの場面が勝手に切り替えられた。

インフィニット・ジャスティスに迫るミサイルであったが、何者かによって破壊されたのである。

 

「なぜ敵がザラを助けたのだ?」

 

千冬にしてみれば敵を助けると言うkとは、祖国を裏切る行為と同じ事である。それをする軍人が居るとは思いもしなかったのである。

 

「彼らは元同じ部隊に所属していた者達でした。彼らの協力を得てステーションワンを破壊する事に成功しました。これによりレクエムの発射が不可能になりました。ですが、議長はある物を隠していました」

 

アスランがそう言うと、モニターにある物が映し出される。

 

「なんだ、あれは………」

 

「要塞?」

 

映し出されたのはメサイアである。そして、メサイアに搭載されているネオ・ジェネシスが放たれオーブ艦隊と残存する聯合艦隊を呑み込み、消滅させたのである。だが、なんとか残ったオーブ艦隊、連合艦隊はいたが通信系統がズタズタで、碌な指揮系統が執れなかったのであった。

 

「何と言う………これでは………」

 

千冬はオーブ軍が負けてしまうと思ってしまったのである。

 

「確かにこの指揮系統では碌な艦隊運用は出来ないでしょう。その為、アークエンジェルとエターナルだけでもこの戦争を終わらせようとしたのです」

 

キラが説明すると、デスティニーとインフィニット・ジャスティス、レジェンドとストライク・フリーダムの戦闘が映し出された。だが、混戦となっていた。すると、また音声が流れだした。

 

『アスランは行って‼ アークエンジェルも‼』

 

『え?』

 

『キラ君?』

 

『ここは僕とエターナルで押さえます。後は全てレクイエムへ‼』

 

キラが指示を出していた事に千冬は驚いていた。

 

「ヤマト、お前はオーブではどう言う階級でいたのだ?」

 

「僕は准将待遇でした。ですから、アスランやアークエンジェルにも指示を出す事が可能なのです」

 

「准将……大佐レベルの階級か………」

 

千冬は驚く。まさか、この少年にそこまでの権限を持たせていたのかと。

 

『でも、それではエターナルが‼』

 

『この艦よりもオーブです。オーブはプラントに対する最後の砦です。失えば世界が呑み込まれる。絶対に護らなくてはなりません。わたくし達はその為に此処にいるのです……だから行って下さい。アスラン、ラミアス艦長。さっ、早く』

 

ラクスの言葉でアークエンジェルとアスラン達はその場を後にするのであった。

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