銀河英雄伝説 若きルドルフが目指したもの。 作:朝日奈 快英
某掲示板で思いつたので酒の力を借りて投稿。
暇つぶしになればいいかなぁ程度の作品なので期待してはいけない。
原作知識はあったはずだが彼方に忘れたので無いようなもの。
原作ヘイトというか、原作をゴリゴリすり潰してこね回した結果なので速攻でブラウザバック推奨します。
銀河連邦時代、社会には麻薬や汚職などの社会的弱体化が蔓延していた。
それを加速し、銀河連邦の崩壊を目指したテロ組織があった。その名は地球教。
シリウス戦役の復讐・地球の復権・地球生まれを選民とする特権の回復を誓ったテロリスト集団地球教は、表の顔で善良な宗教者として弱者救済を謳い、裏では信者を集めて麻薬を使い洗脳。テロリスト要員として育成していた。
その非合法な活動に気づいた人間がいる。名をルドルフ。後に大帝と呼ばれる人間だ。
若きルドルフは軍人だった。正義感あふれる彼は精力的に麻薬の密輸摘発や宇宙海賊等の討伐をして出世し、厳正な犯罪者に対する取り調べを行ったことで民衆の信頼を得た。多くの取り調べを行っていた最中、偶然、もしくは不幸にも地球教の秘密を知ることになる。地球教の実態を知るため過激と言えるほどの取り締まりや尋問で得た情報をもとに調査した結果、地球教に汚染された銀河連邦は危機的状況に追い込まれていたことを知り愕然とする。
ルドルフは軍人では社会の健全化を目指せない、銀河連邦を取り返せないと考え政治家へと転身する。だが、そこで見たものは銀河連邦はもはや死に体であり、立て直すことは不可能と判断せざるを得ない状況だった。
ルドルフは考える。
銀河連邦はもはや救えない。だが社会秩序は取り戻さなければならない。しかし、社会秩序を取り戻すとしても地球教の脅威を取り除かなければ意味はない。
市民に「地球教は害悪だ」と訴えても宗教家の顔が有能すぎて誰も信じてくれない。言った途端にルドルフ自身の信用がガタ落ちになる。地球教に目をつけられて暗殺される可能性もある。
実際に地球教は表の顔で弱者救済を行っている。数少ない善良な政治家が寄付などの活動支援を行っており宗教団体としての地位は盤石だ。そのため軍人時代に地球教の摘発ができなかった経緯があった。政治家に保護されてる以上、表からでは手が出せない。
暗殺等、裏から手を出したとしても勝てるとは思えない。暗闘は彼等の専売特許。返り討ちになるだけだろう。ただでさえ信者の数が多すぎるのに、騙されてるだけの善良な市民まで巻き込みかねない。
仮に、軍事力で地球ごと地球教を殲滅したとしても他の惑星にいる信者が地下に潜るだけでテロリストのすべてを取り除くことはできない。
そして私は政治家だ。政治家が軍事力を頼みに事を起こせば軍政の始まりだ。銀河連邦は民主主義だ。そんな暴力は許されない。それに民主主義において宗教は自由だ。それを犯すこともできない。
・・・民主主義。
たとえ死に体の銀河連邦とて善良な政治家や市民はいる。彼等を守るには民主主義が必要だろう。だが、民主主義が社会の弱体化を促進している現状も事実ではある。
民主主義・・・。
私は民主主義で生まれた政治家だ。民主主義を捨てることはできない。・・・だが、市民が民主主義を捨てることはできないだろうか?
民主主義の主権者たる民衆・市民たちが民主主義を捨てるのならば、民主主義の政治家たる私も民主主義を捨てることができる。
民主主義の主権者たる民衆・市民たちが独裁者を選ぶのならば、私は民主主義の独裁者という政治家になれるのではないか?・・・変な言葉だな。市民に選ばれた独裁者と言うべきか。銀河連邦が救えない今、それを打ち壊して新しい社会秩序を立てるべきだろう。
・・・目指すべきか?・・・いや、迷うな!銀河連邦が、民主主義が社会秩序を取り戻せないならば、民主主義の政治家としてそれを是正しなければならない!
民主主義の政治家として、私は民主主義を否定する!そして民衆から選ばれ求められる最善な独裁者になることを誓う!新たな社会秩序を齎し銀河に安寧を取り戻すのだ!!・・・この考え方は過激で危険だな。一歩間違えれば力を重視した軍事政権になる。だが目指さねばなるまい。しかし焦って事を急げば失敗する危険な道だ。・・・迷うな。揺らぐな。頂点が揺らげば社会の安定などできない!・・・さて、やるとして一体どこから手を付けていいのやら・・・
この日、ルドルフは独裁者を目指して歩き始める。それは新しい社会秩序の構築とテロリスト集団地球教の撲滅という揺るぎない信念からだった。
ルドルフは民衆にわかりやすい一般的な独裁政権として帝政樹立を選んだ。自らを神聖不可侵とすることで民衆の畏敬や精神的に弱い者の寄る辺、いわゆる現人神となり不変の絶対者として君臨することで地球教を牽制、弱体化の後に殲滅することを目指した。
だが、帝政樹立は成功し絶対的指導者として君臨することはできたが絶対者になることは失敗した。地球教の弱体化はできたが消滅はできなくなったからだ。人は意識・無意識問わず神という強力な絶対者を求める。そして人は神にはなれない。民衆はルドルフを英雄と見たが神とは見なかった。神になれないのならば神の代行者として絶対的指導者になるしかなかった。英雄視されていたことで絶対的指導者になることは可能だった。
地球教は地球という星そのものを唯一神と見立てたような信仰体制を取っている。いわゆる一神教だ。対抗するならば同じく一神教としてルドルフを神格化しようとしたが失敗。次点で多神教を選択した。多神教にしたことで民衆にはわかりやすい対立の構図になった。多神教を選ぶとして、どの神を選ぶかは簡単に決まった。ルドルフの姓である『ゴールデンバウム(黄金の樹)』から着想を得て『ユグドラシル(生命の樹)』を持つ多神教、北欧神話が選ばれ国教化された。
国教が選ばれ、さあ、これから地球教対策だと行動を起こそうとしたができなくなった。
民主化運動の勃発である。
帝政樹立後の民衆はルドルフを頂点とした政治体制になんら不満はなく、新しい社会秩序のもとで健全化されていく世の中を喜んでいた。民主化運動などなかったのである。だが、ルドルフが精力的に社会の健全化を推し進めることで不満を溜め込んでいる人間がいた。
汚職政治家や不良軍人など銀河連邦の影で私腹を肥やしていた人間達だった。
彼等は日に日に健全化される社会の中で自儘に動くことができなくなり、賄賂が減り汚職ができなくなると手に入る金銭が目減りして贅沢な生活ができなくなった。
贅沢な暮らしができなくなればなるほど彼等は不満を溜め込み続け、そこを地球教に煽られた。
地球教の裏の顔。本性と言うべきものはシリウス戦役の復讐・地球の復権・地球生まれを選民とする特権の回復を誓ったテロリスト集団である。彼等は復讐対象の銀河連邦の打倒を目指していたが民主主義の打倒は考えていなかった。地球教が表の顔である宗教家として活動する事を考えると、宗教の自由が保証されている民主主義が最適だったからだ。だが、ルドルフが帝政を樹立し宗教の自由が保証されない可能性を読んだ地球教は密かに汚職政治家や不良軍人などに接触、手駒にするべく関係を持つようになった。そしてルドルフが地球教撲滅の時期を見計らい民主化運動を起こさせた。
ルドルフにとっては寝耳に水である。彼は民衆から選ばれて社会の健全化を請われ世界の安全化を願われた独裁者だ。
善政と言っていい政治運営もしている。なのに、いきなり自分の全てを否定されて動揺した。ときに重ねて凶報が入る。
彼の息子が狙われた。
生まれたばかりの赤子であるルドルフの息子を民主化運動家が暗殺しようとしたが失敗。脳や四肢に重大な障害が残り結果、死んでいたほうが幸福であっただろうと思われるほどの惨状になってしまった。地球教に煽られて暴徒と化した運動家たちが改革の狼煙として甚振るように虐待したのだ。
息子を見たルドルフは静かに泣きながら「これ以上は生きていても辛いだけだろう。人として生きることは絶対にできない。恨むなら俺を恨んでくれ。」と優しく声をかけながら我が子を自分の手で殺した。
ルドルフは息子を半死に追い込んだ民主化運動家を逮捕するよう檄を飛ばす。だが民主化運動家たちは自らの罪をごまかすために事実無根の放言を大衆に流した。曰く「ルドルフの息子は白痴である。半死になったのは自業自得である。彼の死はルドルフがやったことで我らは何ら関係ない。白痴を生んだルドルフの自業自得だ。ルドルフの悪行で息子が犠牲になった。故にルドルフは絶対的指導者にふさわしくない。我らは無関係だし事実無根だ。」・・・
これにルドルフは激怒した。「白痴は罪か。白痴を生むは罪か。私の悪行で息子が死ぬのか。全ては自業自得か。では貴様らはどうなのだ。白痴を生むのが罪ならば、貴様らが白痴を生む可能性があるかどうか調べてやる!遺伝子に異常があれば皆殺しだ!!貴様らに悪行はないのか!少しでもあれば徹底的に断罪してやる!!」
帝国では魔女狩りと言っていいほどの民主主義者狩りが始まった。劣悪遺伝子排除法を制定し遺伝異常の疑いがあるだけで処刑される様になった。
劣悪遺伝子排除法制定で大打撃を受けたのは地球教だった。
地球教の本拠地は地球であり、地球はブラック・フラッグ・フォースの地球包囲殲滅戦で汚染されており除去しきれていない汚染物質が原因で寿命が短かったり放射線等が原因の遺伝子損傷による目には見えない小さな障害が少なくなかった。また、地球教徒や地球教シンパ等、地球に一度でも行った事がある者は「地球環境に接触したことにより遺伝子が劣悪した可能性がある」として集中的に逮捕・処刑されていった。
民主主義者狩りと劣悪遺伝子排除で活躍したのは社会秩序維持局だった。
ルドルフが社会秩序維持局を設立したのは銀河連邦時代に汚職をしない善良な政治家・犯罪を起こさない優良な民衆を保護し、世に蔓延る悪事を駆逐することだった。局員には善良な人間が選ばれ、彼等は道徳に則って民衆の規範になるような生活を送り、法に則って罪を犯した者を厳正に処罰した。民衆は彼等を「怒らせたら怖いけど、とても頼りになる人」と支持した。局員も民衆から支持されることで自分の仕事に自信を持って取り組むことができ、自分を厳しく律することで社会秩序維持局が善良な組織だと民衆からより一層支持されることを喜んだ。
社会秩序維持局はルドルフの手足となって社会に秩序を齎し維持する。それが民衆の支持を集めることでよりよい社会を拡大・構築していく。
局員たちは自分の仕事を誇り高いことだと、ルドルフの手足に選ばれて局員になったことを栄誉であると思った。
民衆は誇り高い局員に選ばれることに憧れた。社会秩序維持局に就職することはとても名誉あることだと考えた。
社会秩序維持局は絶大な支持と信頼により強大な組織に成長していた。
それらがルドルフの怒りを知ることで過激な方向へ加速することは止めようがなかった。
社会秩序維持局は、民主主義は自身の欲を増長させる傲慢な思想として問答無用で弾圧した。
民衆は民主主義運動家のテロに怒り、テロに巻き込まれることを恐れて疑いのある者から離れた。
劣悪遺伝子を持つものは地球に関わりがあるとして問答無用で拘束された。
民衆は自分たちは劣悪な遺伝子を持たない優良な人間であると安堵した。
ルドルフを頂点とする善良な社会を目指す組織と民主主義を標榜する地球教に操られた組織の対立は過激を極めた。テロの多発と厳しい取り締まりで多くの人間が死んでいった。
長く続くと思われた激しい闘争だったが同時多発テロが起きた後、急速に減少していった。民主主義運動家を影で支援してテロを誘発していた地球教が弱体化し支援することができなくなったのだ。
弱体化した原因は活動資金の枯渇だった。
地球教の活動資金は銀河連邦時代の政治家や軍人の支援、民衆の寄付など他者からの善意に依存する事が多く、善良な宗教家である表の顔を持つために利益を求めた経済活動を行うには憚りがあった。下手に金銭を要求するような事をしたら民衆からの信用が消え去り、生臭坊主と蔑まされて見放されることになるからだ。地球が本拠地であったことも災いした。包囲殲滅戦で汚染された地球を人が正常に生活できるようにするまでには膨大な時間と資金が必要で、汚染され人口が少ない惑星に大量の資金を投入して再生するほどの価値は地球になかった。
そもそも地球とは地下資源が枯渇し汚染されてまともに人が住めない星。銀河連邦の市民から見れば産業廃棄物とさして変わらない星だった。
地球に残されたのは人類発祥の星という名しかなく、人類の記憶から消え去ってもおかしくない状況だった。地球教が地球に大量の寄付を投資しても無駄だった。汚染が酷く除去するには時間がかかる。人口が少なく惑星再生するにも手が足りない。汚染のせいで人の寿命が短くなり増やすべき人口がなかなか増えない。汚染された土地では作物が育ちにくく、常に食糧難に見舞われていて飢えていることが当たり前の環境だった。人口が少ないので大規模な産業を興すこともできず投資した寄付を回収することは不可能だった。
泥沼から抜け出すことができない地球で生きることは未来に希望がないことと同じだった。
だが地球教は産業廃棄物でしかない地球にこだわった。地球以外に自分たちの安住の地はないと思っていた。自分たちの復讐を成すにはゴミ同然の地球に縋るしかなかった・・・。
活動資金の枯渇で二進も三進もいかなくなった地球教は裏の舞台から消えた。復讐を果たす前に生き残る・生き延びる事を選択せざるを得ない状況だった。
地球教が活動を止めたことで社会秩序維持局の取り締まりは順調に進んだ。逮捕者は膨大な数になり、惑星複数を流刑地として利用するまでになった。流刑地に送られたのは悪徳政治家や不良軍人が多かったが、ルドルフが善良と認め社会秩序維持局が保護していた銀河連邦時代に善政を敷いた政治家や規律正しい軍人も多数含まれていた。地球教に煽られなければ善良な帝国臣民としてより良い未来を作るべく活動していた有能な人材たちだった。
彼等は民主主義こそが最良の政治体制であると考えていた。それが地球教によって思考誘導されたことにも気づかず流刑地に集められた事で民主主義思考は強固になり流刑地で辛い生活を送ることに鬱憤はたまり、それはルドルフに対する復讐心に変わっていった。
地球教は意図せずに自分たちの代行者となるものを生み出していた。
ルドルフは一連の顛末を聞き及び有能な人材の確保に邁進する。貴族制の導入である。
地球教によって失った人材を確保することが急務であった。有能・優秀な人材を地位で確保し、その人材を政府に提供し続けることで強固な政治体制を築くことを目指し、国力が安定した後に地球討伐を計画した。
流刑地ではこのままでは自分たちに未来はないと判断。どうやってここから逃げ出し民主主義の復活を成すかを計画し始めた。
地球は現状からの脱却には何が必要かを模索し始め、復讐するには何が足りなかったのかを考えている。
遠い未来、もしくは忘れ去った過去において「銀河英雄伝説」と呼ばれる流血の舞台は整った。
他の平行世界、別次元の宇宙では違った可能性も存在し得ただろうが、この宇宙では悲惨な流血劇から逃げることはできない。
帝国では民主主義を「人を貶める差別主義者」と非難しルドルフが制定した劣悪遺伝子排除法を歪んで受け止め国是とした。
貴族たちが自分たちは選ばれた民であると豪語し、貴族ではない人間たちを選ばれなかった下民と扱い不当な弾圧を行っている。
ルドルフが計画した地球討伐を忘れ、自分たちこそが差別主義者であると気づかないままに人を陥れている・・・
同盟では帝国主義を「血も涙もない冷血漢共」と誹謗し自己責任の名のもとにありとあらゆる犯罪が蔓延している。
表では人類平等を謳い善政をしていると言いながら、裏では汚職・賄賂が横行し私腹を肥やすことに夢中だった。
自分たちが差別主義者であることを自覚してなお欲を満たすことを止められない・・・
地球は善良なる宗教家の顔を再び手に入れることができずテロリストの影をより濃いものにしていた。
とある惑星を傀儡に置くことで地球教の新しい表の顔とし、活動資金と地球再生に必要な物資を買い漁っている。
我々こそが人類の頂点であり、それを認めない全てを憎む復讐者となり深い暗闘に落ちていった・・・
・・・この宇宙では悲惨な流血劇から逃げることはできない。
虐げられている者たちの悲鳴は止まらない。誰も聞こうとはしない。誰も助けない。
そして宇宙は人口が減り続け社会全体が弱体化しすべてが滅ぶのは秒読み段階となっていた。
改めて読むと我ながら文才ねぇなと呆れ返る今日この頃、皆さんお元気ですか。
あとがきまで読んでくれた方、ありがとうございます。
こんな駄文に付き合ったことで、あなたは忍耐というスキルをゲットできました。
おめでとうございます。
評価が怖い。感想Don't来い。
こちとらメンタル豆腐なんじゃ。変なこと書いたら全力で泣いてやる。
だからお手柔らか戦車でお願いします。