俺のWORST物語   作:ユキユキさん

17 / 51
閑話 ~月島 花《その2》

一年戦争が俺の優勝で終わり、倒した天地が鈴蘭から消えた。…しかし、この鈴蘭はやはり面白い! 興奮が治まらぬ中、今度は秀吉一派とブッチャー一派が小競り合いを始めたのだ。野次馬を含めてそこら辺で乱闘、本当に飽きない所だよな!

 

…それにあの龍光寺って奴、何でも自分の一派を作ったみたいで周囲がざわついている。何となくうっすらとだけど、あの男とはいずれ戦うことになる。俺はそう感じたんだ、あの体育館で目が合った時にね。…まぁそれはいいけど、何か面白いことがもっと起きないかなー。

 

 

 

 

 

 

暫くして、ブッチャー先輩からの呼び出しが。ついでだからこの流れで先輩方に挨拶を…とのことで、ブッチャー先輩、岩城先輩、秀吉先輩、米崎先輩。一派の頭をしている人と影響力のある人を中心に挨拶巡り、そして最後にゼットン先輩へ挨拶…と思ったら、

 

「…シャラーッ!!」

 

いきなり襲い掛かってきたのだ。

 

拳での攻撃は全て避けられたんだけど、最後の蹴りだけは避けられずにガードする。とんでもなく強力な蹴りで、ガードをした腕がビリビリと痺れる。なんちゅー蹴りなんだ! こんなのまともに食らったら死んじまうぞ! 驚愕する俺に対して更に仕掛けてくるゼットン先輩、その攻撃の最中にあった小さな隙に必殺技を繰り出す。…がそれを余裕で防がれてしまった、…この人はかなり強い!

 

そのままやり合うのかと思ったら、喧嘩は終いにして話を聞いてくれと言われた。承諾をして聞いてみれば、とんでもねー悪党の話を聞かされた。

 

 

 

 

 

 

この鈴蘭には怪物がいる、どスケベの大悪党が。言葉巧みに女を騙しては夜な夜な食いものにし、しかもヤバイ薬を周囲にバラまく程の大悪党。鬼のように強くてゼットン先輩ですら手が出せない、とても悔しい思いをしているそうだ。

 

許せねー! 俺は素直にそう思った。だからゼットン先輩に、

 

「そんなクサレ外道は絶対に許せねー! この俺が鈴蘭から叩き出してやりますわ!!」

 

そう宣言した。ぶっ倒す為に名前を聞いてみれば、この街最強と言われている鈴蘭二年の花木九里虎という奴らしい。グ…グリコ…! 何ともふざけた名前の男だ!!

 

 

 

 

 

 

グリコを倒す為に学校の外へ飛び出そうとした時、

 

「おい、月島。…ちょい待てや!」

 

誰かに呼び止められた。こんな時に誰だ! と思ったら、…あの龍光寺由紀也だった。何の用かと尋ねれば、

 

「ゼットン先輩から聞いたぜ? 花木九里虎をやるんだってな。奴は神出鬼没だから闇雲に探しても辿り着かない、…だが朗報だ。」

 

そう言って、花木九里虎がいる可能性の高い場所を教えてくれた。…龍光寺! …お前って良い奴なんだな!!

 

「あんがと! …じゃあ行ってくる!!」

 

「ああ、…その身体で感じてみな。この街最強と呼ばれている男の実力を、…きっとプラスになるぜ。」

 

龍光寺の激励? を背に、俺は花木九里虎をぶっ倒す為に飛び出した。

 

 

 

 

 

 

…でその花木九里虎を見付け、その仲間のバンダナ男を倒した。モジャモジャ頭の花木九里虎が、

 

「…ほぉ~、黒澤ばやりおるか。…で、ニシャ誰や?」

 

…この! …自分が何をやっているのか知っていてこの余裕! マジで許せねー!!

 

「俺は鈴蘭一年の月島花だ! 心を入れかえて人生をやり直すか! 鈴蘭を出ていくか二つに一つだ、コノヤロー!!」

 

そんなわけで、花木九里虎と戦った。

 

結果は敗北、…でも悪党には思えなかったのは何故? ボケッと考えていれば、凄みのあるおっさんに声を掛けられたりした。…あの人は一体、…何者なんだろうか?


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。