俺のWORST物語   作:ユキユキさん

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第1話 ~俺、喧嘩ばかりッス。

やぁ諸君、…初めましてだな。俺の名は龍光寺由紀也、血気盛んなバリバリの小学生だ。神の手により異世界転生をした身ではあるけれど、未だに何の世界か分からんのですよ。平和? 過ぎてね、…化物のバの字もないわけで。…本当に何の世界なんざんしょ? …う~む。

 

まぁ何があってもいいように身体を鍛えております、これについてはときメモ4の技能が大きく貢献。運動スキルツリーにある技能によって、体調は常に絶好調で怪我もしなけりゃ病気もしないわけよ。体力も根性もハンパないんですわ、所謂…体力バカってヤツですかね? そんな感じッス。神がなかなかに良いって言っていた意味が分かったよ、ときメモ4の技能ってばスゲー。

 

そんなわけで小学生ながらに体格の良い俺は、いつでも何処でも喧嘩を売られる毎日。日々喧嘩喧嘩、喧嘩の毎日ッスわ。この世界は何なんですかね? 平和な世だけれど無邪気な小学生生活が出来ない、悲しいッス。今日も道を歩けば喧嘩を売られ、イケイケな中学生をぶっ飛ばしました。…ねぇ、小学生にボコられてどんな気持ち?

 

 

 

 

 

 

そんな喧嘩ばかりの俺にも癒しがある、それは……、

 

「ユキ君、また喧嘩ですか? …男の子だから仕方がないのかも知れないけれど、心配する私のことを考えてくれたら嬉しいです。」

 

幼馴染の女の子、鳴神(なるかみ)(とおる)がいつも俺を気に懸けてくれるのです。そう…彼女こそがイシュタルなのだ、神の言った通り…俺の近くに転生していたのだ! 隣近所で家族ぐるみの付き合い、小学生ながら相思相愛のリア充なのです。……やったね!!

 

透は喧嘩ばかりの俺を心配してくれる、掠り傷でも甲斐甲斐しく手当てをしてくれる出来た女の子。全てにおいてそつなくこなす天才少女で、俺みたいな奴と共にいることを不思議がられる美少女優等生なのだ。俺も真面目に生きようと思ってはいるんだよ? でも売られた喧嘩を買わねば男が廃るわけでして…。苦労を掛けてごめんな? 透。

 

因みに喧嘩ばかりではあるけれど、透の為に勉学も頑張っていたりするんだぜ? 頭が良いのに喧嘩バカ、それがこの俺…龍光寺由紀也なのです! ぬははははは!!

 

 

 

 

 

 

そんな日々が続き、透とも仲良くやっている小学生生活。そんな中で、俺は友人である迫田武文に誘われて高校生の喧嘩を見に行った。男二人で行こうと思ったのだが、俺の天使である透も一緒に行くと言って引っ付いてきたのだ。それに対し武文が嫉妬丸出しで襲い掛かってきた、…が俺の拳骨で沈黙。そして俺が透に窘められるのが日常、…何だかんだで楽しんでいます。

 

…で、何処ぞの神社にて繰り広げられる喧嘩を見て、

 

「……スゲー。」

 

「…いや、スゲーわ。高校生の喧嘩は激しいぜ、俺もいずれは……。」

 

「…高校生も喧嘩ばかりなんですね。…ユキもタケ君もきっとああなるんでしょうか? …心配です。」

 

武文、俺、透がそう呟く。

 

三人でその喧嘩を見て気が付いた、否…この世界が何の世界かが分かってしまった。……この世界ってWORSTじゃね? しかも武文ってあの迫田武文じゃね? メインキャラの恐竜。……………そりゃ化物のバの字もない筈だわ、…納得。

 

まぁ俺と透がいるから、原作とは違う物語になるんだろうな。あの原作って女の子なんか出ないし、でも…この世界には透がいる。他にも可愛い女の子がチラホラ、何処ぞで見たことがあるような娘達がね。…武文も小学生ながら告白をしてはフラれての毎日、奴は短気だからモテないのです。とにかく女っ気のあるWORST、………どうなるんですかね?


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