ストレスっつーのはなかなかに厄介ですな。
上がってきたモチベーションが再び降下中。
精神的に病みつつあるのか?
……なんて思ってみたり。
ー中島信助ー
鈴蘭と鳳仙の決着を五対五のタイマンで決めると宣言し、脇に寄れば呼び出していた幼馴染の後輩が俺の下へ。俺の母校である河田二高の一年、世良直樹。いずれ河田二高を仕切るであろう直樹を呼んだのには理由がある、俺は今や余所者でこの辺の奴等のことはほぼ知らねー。それを教えて貰う為に直樹を呼んだんだ、…ん? だと思ってより詳しい奴を連れてきた? …じゃあ頼むわ。
中心で向かい合っている二人のことを聞いてみると、鳳仙の代表が一年の松尾大助。入学式の日に月光兄弟の光政とやり合い負けたらしいが、あのガタイからして相当の実力を持っているのでは? とのこと。対するのが鈴蘭一年の月島花、一年戦争の覇者で鈴蘭の番長を目指す今話題の男。
…一年戦争を制するのは龍光寺だと思ったんだが、アイツはそれに出ないで派閥を作ったとか。九里虎とは違った意味で自由な奴だな、…直樹には一番の宿敵。俺自身も龍光寺の強さを知っている、…まぁ一方的にだけどな。…一度はやり合ってみたいと思っていたが、そのきっかけが出来ずに俺はこの街を去った。せめて、龍光寺の強さをこの目で見たいが…。
………っとそれよりも今は月島か…、何て思った矢先に月島が勝ちやがった。横目で直樹を見りゃー真剣な
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ー月本光政ー
ボスであるキングジョーの命令は絶対、良い
大谷と三浦が俺に声を掛けてくる、松尾はそう簡単に負けるよーな奴じゃねーと。そんなことは分かっている、やり合った俺が一番…! 二人に怒鳴った時、向かい合っていた二人が目を見開いた。何事かと振り向いてみりゃー、…松尾の奴がぶっ倒れていた。…何が、…一体何が起こったんだ!?
二人に詰め寄って聞けば、マーシー君を一撃で倒したアッパーで同じく一撃でぶっ飛ばされたとのこと。あの松尾を一撃…、一撃で…だと!?
やられた松尾を運び気が付くのを待つ、そして目覚めれば…松尾自身も何が起きたのか分からないようで。…それでも少し経てば、自分が月島に負けたってことを自覚した。そんな松尾に聞いてみた、…俺と月島ではどちらが強いのか。…松尾は言った、俺よりも月島の方が強いと確かに…。月島は俺よりも強い、…じゃあ龍光寺は? そう考えた時、額から汗が滴り落ちる。……更に上なんじゃないかって、…何故かそう思っちまったんだ。
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ー河内鉄生ー
透から貰った弁当を食べ終え、お茶を飲んで一息吐く。改めて透に礼を言ってから決戦の場へ視線を向ければ、両校から一人ずつ前に出て対峙する。出る前に由紀也と話したっぽい鈴蘭の代表、…あのマルコメが月島花か。一年戦争を制して由紀也が目を付けた男、…対峙する鳳仙の代表は知らねーけど選ばれたからには相当な男だろう。
透と揃ってそのタイマンを見てみれば、ほぼ一瞬で鳳仙の代表をぶっ飛ばしやがった。
「「…………!?」」
流石の俺も、そして透も驚いちまった。…これ程のものとは、…流石は由紀也に目を付けられた男。かなりの実力者だわ、こりゃー将五と明もうかうかしてらんねーわな。…後で教えてやんねーと、…月島はスゲーぞってな。
…月島花の実力は分かった、分かったんだがまぁこんなもんだろうとも思った。驚いたっちゃー驚いたけど、まだまだ由紀也には及ばない。由紀也は強すぎるからな、俺の見立てでは九里虎級。そんなわけで月島のこれからに期待する、たぶん由紀也も期待しているんだろうな。俺がそんなことを考えていると、
「…やりますね。マルコメの彼があれくらいであれば、…ユキ君は更に相手を遠くへ飛ばせます。…私の見立て、どうでしょうか? 鉄生さん。」
透は透なりに分析しているようで。喧嘩があまり好きじゃないのに的確だからなー、透はよ。