俺のWORST物語   作:ユキユキさん

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第15話 ~俺、…帰宅。そして引退へ………。

ー龍光寺由紀也ー

 

よろけながらも秀吉先輩が立ち上がり、キングジョーは仰向けのまま動かず。誰が見ても秀吉先輩の勝利、…最後の最後にやったじゃないかと思った。満身創痍の勝利、俺の知る中で最高のタイマンであったと言える。…全部見ましたよ、焼き付けさせて貰いましたわ。

 

立ち尽くす秀吉先輩の下へ行こうと思った時、

 

「「「「「うぉぉぉぉぉっ!!!」」」」」

 

氏家とかいう奴を先頭に、鳳仙の奴等が無粋にも突っ込んでくる。…立会人のルールを無視しての暴挙、…キングジョーも可哀想な人だよな? 下の者達がこんなんじゃー堪ったもんじゃねーわ。…だが、そっちがその気なら、

 

「クソハゲ共がルールを破ってからに! ぶっ殺す!!」

 

「せっかくの勝利に水を差すんじゃねー! ツルッパゲのバカ共が!!」

 

派閥(ウチ)の伊東先輩と川尻先輩がぶちキレて向かっていった、続いて他の奴等も…。

 

ぶつかり合う両校の奴等を見てタメ息を一つ、そして当然ながらこの俺も……、

 

「…よくもまぁやってくれたな、…粉々にしてくれるわ!!」

 

拳を握り締めて突っ込んでいく。ハゲタカ共がっ! ぶっ潰してやる!!

 

 

 

 

 

 

雨の中を暴れまくった後、俺は頃合いを見て帰ることにした。単純に飽きたってーのと、秀吉先輩を送り届けようと思ってな。…流石の鳳仙もズタボロの秀吉先輩を襲うようなことはしなかった、そこは評価出来るわな。肩を貸して最寄りの駅へと歩き、バイクにニケツして帰ったよ。

 

…勿論俺の家、姉貴に秀吉先輩を預けたってわけ。ズタボロの秀吉先輩を見た時、

 

「…何だその怪我!? …喧嘩? …強敵に勝利した名誉の負傷? …ふ~ん、まぁそれよりも先に手当てをしないとね♪」

 

めっちゃ驚いていたがすぐに笑顔となって引き摺っていった。…愛されとるねー秀吉先輩、良きこと哉。

 

…さてと、今日はこのまま学校をサボるとしますか。朝のアレでお腹一杯だからな、…それがいい。

 

 

 

────────────────────

 

 

 

第三次鈴蘭・鳳仙抗争から暫く経ち、とりあえず平穏である。マヌケをやらかした野間先輩も来たしな、…松葉杖姿だったから爆笑しちまったよ。まぁキレることを期待してたんだけど、…めっちゃ落ち込み始めたから罪悪感ハンパないけど。…それほど喧嘩したかったんだな、…この人。

 

後…鉄生さんにも鉢合わせてね、ヘラヘラしていたから取っ捕まえて投げ飛ばしたよ。橋の上から川へね、…いい気味だわな。

 

因みに透にもお仕置きをしたさ、…と言っても鉄生さんみたいに川へ投げ飛ばしたりはしない。女の子だからね、手を上げずに暫くの間…無視をしただけ。…それだけだったんだけど、透的にかなり堪えたみたい。自宅へ泣きながら謝りに来たわけよ、………何か悪いことをしたなーっていう罪悪感が。

 

 

 

 

 

 

そんな日々の中で、

 

『…由紀也、…お前に聞きたいことがある。』

 

という連絡を貰った。…武装戦線の副(ヘッド)である柳臣次、…一体何の用だろうか?

 

内容を聞けば驚いたよ、五代目(ヘッド)の武田好誠が引退するとかって。理由はと聞けば脳梗塞、…そういえば原作でもそうだったっけ? 時期は忘れていたけど、それが今なんか…と思った。

 

…で聞きたいことっつーのは良い病院を知らないかってこと。…病院ねー、…病院かー。心当たりならある、それを紹介しよう。臣次さんは勿論、好誠さんには色々と世話になったからな。少しでも恩義を返さねばならない、…えーと確かあの病院はっと。

 

 

 

 

 

 

そして好誠さんが東京の病院へ行く前日、その好誠さんに呼び出されて行ってみれば今回の礼と共に、

 

「これを受け取ってくれないか? 由紀也。…別に武装へ入れとは言わねー、ただ…お前に貰って欲しくてよ。」

 

好誠さんのライダースを貰いました。あのイカす革ジャン、…嬉しいんだけど複雑ッス。困惑する俺を見てニヤリと笑った好誠さん、

 

「…じゃあな由紀也! 何処かでまた会おうぜ!」

 

と爽やかに帰っていったよ。……どうすっぺ。


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