ー龍光寺由紀也ー
好誠さんが幹部と共に引退し、そして東京へと行ったその日の夜に俺は呼び出された。武装の幹部が集う場所、そう…喫茶ブライアンに。俺…武装のメンバーじゃないんだけど? というのは通用せず、ピリピリムードの中に放り込まれている。…雰囲気が悪いのは河内鉄生と清広義巳の仲が悪いから、…犬猿の仲ってヤツなのよね。
何故か将五に明、金ではなく俺が司会進行をするハメに。だからメンバーじゃないっちゅーの! と思いつつ話を進めれば案の定、鉄生さんと義巳さんが喧嘩をする。
とりあえず、
「悪い、もうすぐ例のドスケンさんの従兄弟が着く時間なんだわ。由紀也、…また誘ってくれ。」
そう言って出ていった。…あのおっさんの従兄弟、…やんちゃそうだな。…まぁそういうことなら仕方がない、将五を抜かして三人で遊ぼうぜ…っと。
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数日後、透は友達との約束ってなことで久々に一人。街で遊びますか! …って出てきたのはいいがツイてない、面倒な奴等に見付かっちまった。
「「おーい! 由紀也!!」」
武文と明が俺を呼びやがって面倒な奴等の輪の中に。…俺を巻き込むなよ、…本当に。
月島花、武藤蓮次、迫田武文、藤代拓海、月本光政、大谷健、松尾大助、村田将五、奈良明、金亨寛、世良直樹、同世代の奴等が何やっているんだか…。原因はそこのイレズミ君か? …とりあえず、
「…何か用かよ。俺はこれから一人で遊ぶつもりなんだぜ? …久々の一人を満喫させろよ。」
文句を言えば、
「何やこの兄ちゃん、一人
とイレズミ君が笑いやがった。…これはアレだな? 殺してもいいんだな? 妙にイラッと来た俺は青筋を立ててそのイレズミ君に…と思ったのだが、
「「「抑えてくれ、…由紀也!!」」」
将五、明、金の三人に止められた、…それはもう必死に。
とりあえず落ち着き、事のなり行きを見ることに。そしたらこのイレズミ君、名前を小川千春と言い銭屋一家の者らしい。…へぇー、コイツがドスケンさんの従兄弟ね。やんちゃそうだと思っていたが、…やんちゃそのものじゃねーか。大方何かやらかしてコイツ等が集まったってことだろ? …将五も大変だねー。言ってる側から一触即発、どうすんだ?
最終的にこの中で一番強い奴は誰だってことになり、全員が俺を見る。イレズミ君が俺に向かってくるが、コイツが武装の客人と知ったからには手が出せん。そういうわけで、
「俺も武装と関わりがある男だからな、手を出せる筈がねー。つーことで、コイツがいいと思う。」
月島花を指差せばバカにする始末。流石の月島もイラッと来たのか、挨拶代わりに握手という力比べでイレズミ君を下した。
…うむ、これで問題解決だな。さて、何処で遊ぼうかと思ったら新たな問題が発生。銭屋の奴等が来たとのことで、何故か俺も喫茶ブライアンへと連行される。…だから俺は関係ないだろ! 巻き込むんじゃねーよコンチクショー!!