俺のWORST物語   作:ユキユキさん

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閑話 ~武装戦線《その1》

ー村田将五ー

 

五代目が解散し六代目へと移行する武装。鉄生の兄貴と清広の兄貴は犬猿の仲ではある、しかしそれでも六代目武装は良いチームになると信じている。明や兄貴達のツテで由紀也と友になったわけだが、…由紀也には色々と苦労を掛けている。…武装のメンバーではないにしても頼りになる男、それが龍光寺由紀也という男である。

 

千春の件にしても巻き込んでしまい悪いと思っているが、…由紀也は誰よりも兄貴達のことを理解している。銭屋一家と一戦しても千春を渡さねーと、だから俺もそれに乗って千春達を安心させる。…人の心情を読んで言葉にする、…俺も見習わねーと。

 

 

 

 

 

 

千春の件が解決したことで由紀也は帰った、途中で稲田の兄貴に捕まっていたが…。まぁそれはいいとして、…由紀也の奴が千春に何かを教えているのを見た。俺は直感的に月島への道を教えたと読む、…ってことで千春をマークしなきゃーな。是非とも月島の実力をこの目で見たい、…良い仕事をしたな由紀也。

 

 

 

 

 

 

そして目にした千春と月島のタイマン。千春もかなりの実力者ではあったが、月島はそれ以上…。もし俺が月島とやり合ったら? …少なくとも善戦は出来るだろうが勝つのは難しい、それほどの男が月島花。

 

(きた)る日の為に俺自身、…強くならなきゃならねー。俺の目標は由紀也であり、その試金石が月島。その道は長く険しい、だが…込み上げてくるモノがある。目標が高ければ高い程燃える、身体の内側から熱くなってくる。

 

スゲー男達と同世代に生まれた幸運を噛み締め、俺はこの道を突き進む。由紀也は勿論、…千春にも感謝しなくちゃな。良いタイマンを見せてくれてありがとう、…ってな!!

 

 

 

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ー河内鉄生ー

 

五代目から六代目へ、そして六代目の頭を誰がするかで揉めた。揉めたっつっても清広とだが…、それにすぐ由紀也の手で黙らせられたしよ。後はうやむやのままに銭屋から千春が来て、んでもって千春を連れ戻しに銭屋の奴等が来やがった。

 

そいつ等の相手を清広のアホがしていると聞き、スゲー心配したんだが将太の奴が清広に任せろってよー。…まぁ現に、あのアホは銭屋のバカ共の要求を突っぱねたわけだから良しとするか。…六代目武装の相手は銭屋か、初戦から熱い展開じゃねーか!

 

 

 

 

 

 

…一触即発、スクラップ置き場にて銭屋の奴等と対峙する。もはや抗争間違いなしといった状況で止めに入ってきた男がいた、何でも第一支部の支部長と副総長らしい。銭屋の奴等と会話した後に俺達の方へ向き直り、頭を下げて詫びてきた。…そんなことされちゃー水に流すしかねー、何ともツマらねーことだが仕方なし! 何だかんだで六代目の結束が深まったからいいか、…と思うことにしよう。

 

 

 

 

 

 

結束が深まったなーと考えていたら、生意気にもアホの清広に河原へと呼び出された。理由を聞いてみりゃー何てことはねー、『お前が六代目だ。』とか抜かしやがる。んでもって自分より弱ー奴につくつもりはないっつって、タイマンを挑むとさ。負けたら武装を抜けるとも言いやがったから、…俺は、

 

ゴッ!!

 

「ぐはっ!?」

 

「…勝ったら俺が六代目頭だと何で言わねー! くだらねー理由なんざ必要ねー! 勝った方が六代目、負けた方がとことんそれに付き合う! これでいいじゃねーか!!」

 

一発殴ってそう言えば、アホの清広もそれに乗った。最初からそーすりゃーいいんだよこのアホが! …どの道負ける気はねー! 対ポコチン九里虎を想定して毎日鍛えているし、由紀也にも相手をして貰っているから俺はトンでもなくツエーからな!!

 

 

 

 

 

 

……………………六代目頭を決めるタイマンは俺の勝利で幕を閉じた。倒れている清広は…、

 

「よろしくな…、六代目…。」

 

か細い声でそう呟いた。…こちらこそよろしくな、…清広!


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