ー龍光寺由紀也ー
夏休み前に何か色々あったみたいだな、俺ん
…そんな血の気の多い話は置いといて、今日は平和的な日になるだろう。何故なら…、
「えーと…向かって右から河内鉄生、奈良明、迫田武文、猪瀬浩。見りゃー分かると思うが喧嘩ばかりするやんちゃな奴等ではある、…が悪い奴等じゃないから怖がらないでやってくれたらありがたい。」
緊張で何も話せない四人の代わりに俺が紹介する。そんな俺の紹介を聞き、物珍しそうに見てくる女子達。そんな視線に晒されて、なおのこと緊張する女っ気のない男達。そんな四人を見て苦笑する透は…、
「…では此方も同じように紹介をさせて貰います。右から順に
紹介されて微笑する
今回の舞台は遊園地、俺達が浮きまくるのは確実と言える。しかしいきなり飲み屋の個室はハードルが高いし、そもそも相手は名門のお嬢様方故に飲み屋関係はNGとなる。ゲーセンやダーツも相手の好みとは違うかも知れない、…そう考えると遊園地が無難となる。透曰く、『大半の女の子は遊園地が好き。後は開放的な空間で各々、好みやら何やらを聞けばいいじゃない。』…らしい。俺はそれを聞いてなるほど、…と思ったよ。
遊園地へと来た俺達、最初のアトラクションはジェットコースターに決まった。現段階でメリーゴーランドとかのメルヘン過ぎるモノはハードルが高い、強面の兄ちゃん達が乗ったら地獄絵図間違いなし。…となると絶叫系に白羽の矢が立つわけで、ワイワイガヤガヤと列に並んで順番を待つ。俺と透はいつも通り腕を組んで寄り添い、鉄生さんは
ジェットコースターを乗り、続けて何ちゃらウォール? …ギュン! って上へ行くヤツに乗った。そして普通のバンジーに上へ飛ぶバンジー、絶叫系を中心に乗り続けていれば、
「…どうなるかと思ったらなかなかどうして、みんな距離が近くなったんじゃないか?」
「そうですね、…自然にペアが作られましたが問題は見当たりませんね。…特に鉄生さんと
流れでペアとなってからそのまんま、それぞれ仲良さげ。透の言うように鉄生さんと
休憩がてら、遊園地内のオープンカフェで休みつつ俺は、
「何かペアも出来たし、ここらでそれぞれ別れるとしないか? …せっかくだしよ。」
俺がそう提案すれば女の子達は、
「「「「賛成!」」」」
と乗り気で男達は、
「「「「…マジで?」」」」
めっちゃ動揺しとる。…その反応にタメ息を吐きつつそれぞれのペアで解散する、ナイトパレードん時に合流することにして。
さぁ透、二人で楽しもうじゃないか。他のペアもそれぞれ楽しんでくれることだろうさ。
因みに、
…を思い浮かべて下さい。
選んだ理由は適当です。