ー河内鉄生ー
由紀也の奴が明に誘いを掛けたと聞いて、ストレスを解消する為…強引にその中へ入り込んだ。由紀也も頭数が一人足りねーってのがあったらしく、揉めることなく参加することが出来たんだけどよー…。まさか女の子達と遊ぶとは思わなかった、…しかも遊園地とかって俺が浮きまくるじゃねーか! 男同士だと思ったからいつもの武装ライダースだぜ? 流石の俺も自身にツッコミたいわ、…バカじゃねーの? ってよ。
モテたいだとか彼女が欲しいだとか散々言ってきたけどよー、…女の子達にこー見られるってーのは恥ずかしいっつーか何つーか。透級に美人とかめっちゃ可愛いっつーのもあるが、直視出来ねー程に小心者な俺。…俺って奴はこんなにも女に弱ーんだなってよ、初めて知ったぜ。…でもこれはチャンスだ! 男河内鉄生、彼女持ちになるか否かが今日決まる。気合入れろよ俺!
絶叫系っていうのか? 色んなヤツに乗って楽しんだっちゃー楽しんだんだけどよ、変な女の子に好かれたっつーか憑かれたっつーか。
由紀也の提案でそれぞれのペアで遊ぶってなったんだが、…必然的に俺とペアになったのが
「今日という日は今だけだよ鉄生くん! 貴方の背にある髑髏もそう言っているわ………!!」
……はぁ!? …いきなり何なんだ? 俺の髑髏が何だって…!?
「背に髑髏を背負った
…………俺はこの娘に対してどう反応すればいいんだ? …教えてくれ、…由紀也に透。
その後、二人で色々と回った上で強制的に連絡先を交換させられた。…色んな意味でテンパったわけだがツーショット画像と共に『これからヨロシクね♪』って送られてきて、…人生初の出来事にテンションが上がりつつ涙する俺がいた。
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ー奈良明ー
透の友達と遊びに行こうと由紀也に誘われた俺、前のめりで行くと言って自分なりに良い服を着て行ってみりゃーレベルが高けー! どの娘も美人だし可愛いしで何が何やら、……由紀也と兄弟分で良かったぜ。まぁ誤算と言えば鉄生の兄貴、まさか強引に来るとは思わなかった。…武装ライダースだし、…心の中でバカじゃんと思っていたり。
それぞれ自然とペアになり、俺は
色んなアトラクションに乗ってハイテンションになっている俺、
ある程度遊んだ後に、それぞれのペアに別れて行動ってなことで
「……テメェは昔と変わらねぇな、…ちょいと安心した。」
そう言って華やかな笑顔から一転、不敵な笑みに変わったのを見て…思い出した!
「…お前、…まさかあのオーガか!? ガキん時に俺を含めたヤンチャな男共をぶん殴って従わせ、気に入らなきゃ女すらも泣かせる極悪非道のガキ大将! 怪力無双の
髪を掴まれ流れるようにヘッドロック! やっぱりコイツは…と思いつつ、感じる柔らかさと締め付けられる痛みに天国なのか地獄なのか…よく分かんねぇ。
当時…女ながらに強かったオーガが目の前の女の子、
その後は顔馴染みっつーことで、俺は楽しく遊ぶことが出来た。…
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ー迫田武文ー
いずれ敵となるであろう幼馴染みで親友の由紀也。会う度に催促した結果…、ついに女の子と遊べることとなった。来るメンバーは明と猪瀬、そしてまさかの当日参加で武装の河内鉄生! …由紀也とも関係深いこの男が来るとは、…明の顔が引きつっている。…まぁ武装スタイルだもんな、…アホだろ。
…で肝心の女の子達といえば極上も極上、…ハンパねぇよマジで! こんな美人で可愛い娘達と遊べんのかよ、…今日は何て良い日なんだ! 初っぱなからエンジン全開ではあるものの、眩しくて女の子達をまともに見れねー! 早く慣れるんだ武文! 今日という日が良いモノになるようにしろ! お前なら出来る、…そうだろ? 武文!
改めて気合を入れ直し、まずはみんなでジェットコースター。…鈴蘭に入ってから遊園地で遊ぶ日が来るとは、人生っつーのは分からねーもんなんだな! 他の男達がモジモジしている中、俺は積極的に女の子達と会話をして楽しむ。これも透のお陰だな! 美人な幼馴染みのお陰で慣れりゃー話せるこの身、…この調子で好感度を上げていくぜ!
絶叫系アトラクションを大いに楽しみ、休憩してからペアを組んでそれぞれってことになった。俺と共に行動するのは、
「よーし! 今から二人で遊び倒そう! 私の後に続くんだ武文君!」
元気一杯の笑顔で俺に声を掛けてくる天使、その名は
そんなわけで俺はわゆちゃんとアトラクションに乗りまくった、主に絶叫系を中心に。そして知らぬ間に手を繋いでいて…、
「…武文君の手は固くて大きいね! 男の子…いや、何ていうか大将って感じがするよ! …ねぇ、今から武文君のことを大将って呼んでもいいかな?」
…眩しい、…その笑顔が眩しいッス! それに柔らかいんだな、…女の子の手っつーのはよ! 連絡先も交換したし、今日は本当に良い日だなぁ~。由紀也と透には感謝! それに花や蓮次とかに自慢が出来るのもいいな!
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ー猪瀬浩ー
突然、派閥の頭である龍光寺からの誘いが。内容は遊園地にて女子達と遊ぶというもの、…こういう世界で生きているから女子とは縁がない。そう考えればありがたい誘いなのだが、…先輩方を差し置いて誘いを受けても良いのだろうか? と言えば、伊東先輩と川尻先輩には彼女がいるとのこと。野間先輩は…、何も言うまい。
行ってみれば度肝を抜かれる、…普通に生活していたら出会うことがないだろうってレベルの女子達。そんな女子達が興味深そうに俺達を見ている、流石の俺もたじたじだ。…小学生ん時以来だぞ? 遊ぶのも話すのも。…俺のような無愛想男がこの場にいていいのか? 女子を楽しませるような術を持ち合わせていないし。
そんな不安を余所に俺達は遊ぶ。…
…そして龍光寺からの悪魔的提案、それのせいで
「浩さんは安定感がありますね? 上下に動いても体勢を崩さないどころか、私をしっかりと支えてくれていますし。…安心します、…ありがとう浩さん。」
…俺なんかに身体を預けないで! …柔らかいしいい匂いだし、…誰か助けて!?
妙に信頼してくれる彼女とそんなノリで遊園地を回れば疲れるのは必然で、俺の理性もかなり厳しい! 現に今もエスコートとかって彼女と腕を組んでいる、…胸の感触がががががっ!?
「男らしい浩さん、とても素敵だと思います。寡黙な騎士様、
とろける視線を向けないで! しかも騎士様って柄じゃないっす! …夢を見てるんすか!? …お嬢様ってこんな感じなんか? …付いて行けねーよ!
………俺って幸運なのか? それとも不幸なのか?…分からねー、…分からねー。