俺のWORST物語   作:ユキユキさん

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第22話 ~俺、…達は蠍を噛み砕いた

ー龍光寺由紀也ー

 

その日の夕方、俺達は行動を開始した。蠍の頭である山本は見逃す、ラリっている奴は今回に置いては白だからな。藤枝って奴は九里虎に任せ、裏切り者の伴はブッチャー一派と原田一派がやる。田原は月島一家に譲り、俺達は鎌田をターゲットにする。他の奴等はどーするのか分からない、分からないが俺達は…潰す。鎌田…、俺達に目を付けられるとは運の無い奴。この街じゃ生きられないようにしてやる…!

 

 

 

────────────────────

 

 

 

鎌田チームの(たむろ)する場所を特定している俺達は、奴等が集まったことを確認してから行動する。あえて姿を見せ、奴等に俺達の存在を認識させて。狙われているという恐怖をその身で感じろ、…蠍!

 

「…クソッ! 田原達と合流するぞ! …このままじゃヤベェ!!」

 

鎌田らしき男が声を上げ逃げ出す、それに続いて蠍のメンバーも。…くははははは、さぁ…逃げろ逃げろ!

 

俺達を避けて他チームと合流したいんだろうがそれは出来ねー、既にありとあらゆる道に派閥の各チームが配置されている。その隙を突いて逃れることは不可能、そして…誘導されていることに気付いていない。お前達が逃げる先は神社、…龍光寺一派の狩り場だぜ?

 

 

 

 

 

 

そして追い詰められた鎌田チームは、神社の境内にて混乱している。何故なら、この境内には龍光寺一派が待ち構えていたのだから。しかもそこの中心にいるのは伊東先輩、相棒の川尻先輩をやられて内心キレまくっている。この場にいる奴等全員、女を乱暴しようとした蠍を許さない。男の風上にも置けない蠍をぶっ潰す、…俺達の意志は統一されている。

 

混乱している鎌田チームの前に俺は立つ。

 

「…テメェは猟犬と呼ばれて調子に乗っていやがるガキ! こんなことしてどうなるか分かっていやがるのか!? テメェの女も俺達が…「黙れ!」…!!?」

 

鎌田がバカなことを言おうとしてきたが遮る、…自分達の立場が分かっていねーみたいだ。それに俺の彼女、…透にも何かやらかそうと少しでも考えているのなら、

 

「鎌田とか言ったか? …お前。なかなかどうして、派手にやらかしてきたみてーだがよ。派閥(ウチ)の川尻をやるだけじゃあきたらず、その彼女も襲おうとしたらしいじゃねーか。しかもよ、…俺の女にも何かをやろうと考えたのか?」

 

怒気を含めながら語り掛ければ、鎌田を含めた蠍の奴等が怯む。そこへ反対側にいる伊東先輩が、

 

「女に手を出す屑はよー、噛み砕いて棄てるのが俺等の常識なんだわ。後に禍根の種を残すわけにはいかねー、…この意味が分かるよな?」

 

ニヤけてそう言うが目がヤバイ、視線で人が殺せるのでは? と思う程の眼力である。更に怯む奴等に、

 

「誰一人逃すな、全員ぶち殺せ! 群れの恐怖、味合わせたれぇぇぇぇぇっ!!」

 

そう号令を掛ければ、怒りまくった群れの仲間達が蠍を噛み砕かんと襲い掛かっていく。

 

蠍を仲間達が蹂躙している中、俺の獲物は当然…鎌田。それに気付いた鎌田は、恐慌状態に陥りながらも、

 

「く…くそがぁぁぁぁぁっ!?」

 

俺に向かってくるが、その突き出した拳を俺は手で受け止め、

 

「…ふんっ!」

 

ゴガッ!!

 

「ぐぁぁぁぁぁっ!?」

 

引き寄せてからの頭突きを食らわせる。その一撃に頭を抑えて(うずくま)ろうとする鎌田の腹に、

 

ドゴッ!!

 

「………っ!?」

 

強烈な膝蹴りを一発、勢いで顔を上げた鎌田の横っ面に、

 

ガゴッ!!

 

「…がはっ!!?」

 

右ストレートをぶち当てれば、奴は何度かバウンドした後に動かなくなる。俺は動かない鎌田を見て、

 

「…バカが。」

 

そう吐き捨てた。

 

 

 

 

 

 

俺達龍光寺一派は、この場にいる全ての蠍を噛み砕いた。…ダメ押しに、

 

「…コイツ等をひん剥いて大通りにでも転がしておけ。…『女に手を出した屑』ってーのを油性ペンで書くのも忘れずにな!」

 

そう指示を出せば伊東先輩が、

 

「…エグいな。」

 

と笑っていた。屑に情けは無用、…奴等は二度とバカなことをしなくなるだろう。……トラウマになるかもな、…自業自得だが。


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