俺のWORST物語   作:ユキユキさん

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第23話 ~俺、…と悪友?

ー龍光寺由紀也ー

 

俺達龍光寺一派は鎌田達を再起不能まで追いやった、…聞く所によると奴等はこの街から消えたとか。田原達は月島一家に潰されたらしい、…武文が人一倍気合を入れて暴れたみたい。藤枝とかいう奴も九里虎にやられ、運が悪いことに捕まって少年院送りとなったようだ。

 

後は伴という裏切り者、奴は深町にしこたまぶん殴られたみたい。その後は単身ブッチャーの下へと訪れ、土下座で詫びた後に鈴蘭を退学したと聞いた。屑ではあるものの、単身詫びに来たのは評価出来る。鎌田と田原、その二人とつるまなければ真っ当に生きれたものの。…残念ではあるな。

 

…そんなわけで、それぞれのチームと共に主要メンバーをやられた蠍は壊滅した。…だがこういう奴等はしぶといからな、生き残りがいて燻りそうな予感。まぁ表に出てきて悪さをしたのなら、…情け容赦なく今回以上の地獄を見せてやる。蠍は害悪そのもの、…当然だよね?

 

 

 

 

 

 

…で話は変わるが、元五代目武装頭の好誠さんが帰ってきた。手術は成功、病院を紹介した俺も一安心。んでリハビリも兼ねて山梨の親戚ん所にいるそうで、元気になったようだがもう少しそこで様子見だとか。そこで復活祝いと五代目解散式も兼ねての飲み会を決行、その会場を何故か俺が手配することになった。

 

…まぁ俺ん家が経営している店の一つを押さえりゃいいから簡単、彼等に会場を提供したんだが強制参加させられた。嫌ではなかったから喜んで参加ってことにしたけど、……良い飲み会だったと言っておこう。唯一の欠点は、女を紹介しろと絡まれたことぐらいか? 鉄生さんと明から漏れたらしい。明は分かるが鉄生さん…、暴走娘の詩亜(しあ)と上手くやっているみたいッスね?

 

 

 

 

 

 

そういうイベントをこなしている時、…街中で珍しい男を見掛けた。この街じゃーわりと有名人である男、その名は室戸康明。放火兄弟の弟である康明ちゃんを見掛けたからにゃー、

 

「よー、康明ちゃん! …久しぶりだな、…また悪巧みをしようってか?」

 

フレンドリーに声を掛けてみる。背後から声を掛けたんだが…、ビクッ! とかって失礼じゃねーか? …で恐る恐る振り向いた康明ちゃんは俺を見て、

 

「…やっぱり由紀也! …クソッ! …振り返らずに逃げりゃーよかった!!」

 

スゲー嫌な顔をしていた。…本当に失礼な奴だな!

 

俺と康明ちゃん、ここにはいないが善明とは因縁がある。…つっても、ガキの頃に色々とやり過ぎていたこの兄弟をぶっ飛ばしたからなんだが。それ以降、善明の方は更に凶暴化。俺を見付ければ襲い掛かってくる始末、…全て返り討ちにしとるが。康明ちゃんの方は幾分か改心、それなりの悪さをするがやり過ぎることはなくなった。兄の善明とは仲が悪い、弟の康明ちゃんとはそれなりにつるむ時がある。…そんな関係だ、…ちゃん付けしとるしね。

 

奢ると言って近くのファミレスに入って話を聞けば、兄弟共々…天地に雇われた傭兵だとか。…このバカはまだ善明に引き摺られているのか? …それと、

 

「…なるほど。月島と九里虎を狙うってか、…天地も色々と頑張るもんだ。」

 

康明ちゃん…天地達は鈴蘭(ウチ)に喧嘩を売るってことか、…それは面白い。更に康明ちゃんは、

 

「まぁ鈴蘭は最後の獲物でその前に色々とやるそうだぜ? …河田二高とか鳳仙とかによ。」

 

とか普通にぶっちゃけてくる。…それでいいのか? 康明ちゃん。

 

話を全て聞いて考える。…天地は街全体を支配しようとしているんか? まだ分からんけども。そう考えれば、康明ちゃんが言ったことに納得が出来る。街全体に喧嘩を売ると考えなければ、鈴蘭(ウチ)の他に河田二高や鳳仙をターゲットにしないだろう。そう考えると天地の奴、…なかなかの野心家だな。

 

 

 

 

 

 

その後…康明ちゃんと別れる際、

 

「…お前(・・)はやり過ぎるんじゃねーぞ、…康明ちゃん。」

 

と言えば、

 

「分ーっとるわ! 俺はお前にボコられたくねーからな!」

 

と言って俺に向かってあっかんべー。当然俺は…、

 

「この…っ!!」

 

と青筋を立てるも康明ちゃんは走って逃げてった。…アイツ、…相変わらずだな!


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