鈴蘭登校初日、…見た感じ癖のある奴が多い。楽しめそうだな、心の底からそう思う。だがヤンチャのし過ぎはダメだと言われているし、この鈴蘭でどう立ち回るか悩み所だぜ。武文はどうすんだ? 昨日負けたと電話してきたし。…原作通り月島達とつるむんだろうか?
う~む…、ヤンチャはダメで負けるのもダメ。マジでどうする? 鈴蘭内では多少のヤンチャもイケるか? …いや、武文の奴がまた漏らすに違いない。…とすればだ、最低限の喧嘩だけで立場を築かなくてはならない。…付き合いもあるからどうなるかは神のみぞ知る、悪名だけは轟かせないようにせにゃならん。
自身のこれからを考えていると、
「…………い、……うぉいっ!! 龍光寺、俺の話を聞け!!」
俺の耳に雑音が。顔をしかめて横を見れば、凶悪面のハゲがいた。コイツは…、
「…これからのことを考えてるってのに、邪魔すんじゃねぇよ八板。」
河中で名を売っていた八板郁美、…俺と武文とは色々あった…という関係だ。…というか同じクラスだったのか、…つーか無駄に興奮しているな。
とりあえず喧しいから話を聞いてみると、調子に乗っていた奴をシメた直後に武文が登場。売り言葉に買い言葉でメンチを切り合っていたら、月島花とかいうマルコメが現れて気が削がれたとのこと。そのマルコメと武文が知り合いのような馴れ合いをしていたようで、武文と幼馴染である俺に何か知らないかってなことのようだ。…残念だが実物は知らんよ? 知っているのは漫画の中の月島さ、実際の人物像は分からん。…会ったことがねぇし、…と言ってもそのまま言えるわけもなし。当たり
「月島花? …知らねぇな。…タケん所の下宿先の奴なんじゃねぇの? …悪いな、八板…ゴマ塩君!」
「ゴ…ゴマ塩言うな! そのまま八板で終わらせろ龍光寺!!」
俺の襟元を掴んで揺さぶる八板。揺さぶられても動じない俺は、再び…この先のことを色々と考えるのであった。
そして放課後、教室に響く程の音量で放送が鳴った。
『一年は全員体育館に集まれ! …繰り返す、一年は全員体育館に集まれ!』
…参加はしないが行っとくか。昼休みに武文と話したが、…アイツ馬鹿だから忘れていそうだし。体育館へ行きそうだから迎えがてら様子を見るのもいいだろ、そう思い腰を上げたところ…、そんなわけで体育館へ向かおうとしたら、
「よー、龍光寺。一緒に行こうぜ!」
八板がそう言って俺の横に、クラスの奴等がそれに続いてぞろぞろと…。
「…なぁ、…何か俺がクラス代表みたいになってんだけど?」
「…そんなん当たり前だろうが。…はっきり言って、お前が一番強いってのはみんな分かってんだ。…が今回の一年戦争では俺が勝つ!! 覚悟しとけや、龍光寺!!」
………さいですか。…俺、…一年戦争に出るつもりがないんだけど。
クラスの奴等を引き連れて体育館へと行けば、俺に向かって視線が集中。
「岸中の猟犬、…優勝候補筆頭だ。」
「…流石は龍光寺、既にクラスを掌握しているぜ。」
「優勝は龍光寺だよな、…俺出るのやめよ。」
「相手に不足はねぇ。打倒、龍光寺!!」
俺の話題で盛り上がっとる。それにつられて隣の八板も打倒…とかって、…だから出ないっつーの。
八板を含めたクラスの奴等とダベりながら考える、俺のこの状況は特典であるときメモ4の技能が関係していると。…たぶんだがコミュニケーションスキルツリーが力を発揮している、そうでもなきゃこうも慕われねぇだろ。例え名が売れているからだとしてもあり得ねぇ、恨まれはしても友好的なのはな…。言うなれば全員がライバル! …と考えるのが鈴蘭だろ? 現に他クラスの奴等は俺を注視していやがる、…非友好的な目でよ。
そんなことを考えている間に、ぞくぞくと一年達が体育館へと集まってくる。…が武文はまだ、…何やっているんだ? アイツはアホだから約束を覚えているわけがねぇし。武文を気にしていると、奴は一人堂々と体育館へ入ってきた。顔に絆創膏等を貼ってはいるが、やはり注目はされるわな。
…で、ちょいと気弱そうな奴と共にあの男が入ってきた。…WORSTの主人公である月島花、見事なマルコメ頭でニコニコ笑顔。…全然周りとはオーラが違う、異質な感じだわ。俺達にはない魅力、…それを持つ男。武文の迎えでここに来た俺だが、…来て良かったぜ。