ー龍光寺由紀也ー
蠍の件が終わり、将五の件から休戦協定の解除。短期間で濃密なイベントをこなしたなー、康明ちゃんとも久々に会ったし。…後は三年の、野間先輩と秀吉先輩達の卒業という重要なイベントがあるな。
先輩方が卒業するからといって俺達が何かするわけもなし、彼等が巣立つまではのんびりとするか。…何て思っていたら、武文の奴があの川原歩巳と再会し仲直りしたとか。…あれはある意味悲惨だったな、…武文が。川原は転校するし、武文も後悔ばかりで暫く落ち込んでいたし。…まぁ再会して仲直りしたんなら良かったんじゃねーか? 俺はそこまで川原と仲が良かったわけではないからいずれでいいわな。
自宅にて読書をしていた時、我が家へ秀吉先輩が遊びに来た。その時に聞いたんだけど、…あのゼットンが教師を目指しているとか。あのマサ先輩と並んで大馬鹿と呼ばれているゼットンが教師? 秀吉先輩…ギャグじゃないッスよね? マジ話? …失礼ながら大爆笑しちまった。…あの分数すら理解出来ないゼットンがねぇ、………何年浪人する気だ?
それに比べて秀吉先輩は安泰だぜ? 何せ卒業後は
因みに野間先輩も
────────────────────
平穏な時間が過ぎて季節は春へ、もう直ぐ三年の先輩方はこの鈴蘭を卒業する。そんな門出の時期に無粋な情報を入手してしまった、…知らせた方が良いかね? 此方で対処しても良いが、…先輩方は暇をもて余していると考えて知らせることにした。
先ずは秀吉先輩にと思い行ってみれば、ゼットンと野間先輩以外の顔役が集まっていた。丁度いいっつーことで教えよう、入手した無粋な情報を。
…夏頃まで
「…卒業祝いってことで、俺達の一派が潰しに掛かってもいいんですがね。…どうします?」
とりあえず聞いてみた。
先輩方は小声で相談した後、
「由紀也、…そいつ等は俺達で始末する。卒業式の余興に丁度いいからな!」
そう返してきた。…先輩方は一線を退いた後、殆んど喧嘩をしていないそうだからな。久々に喧嘩を…暴れたいんだろう、今回の件でストレスを解消して下さい。…つってもこの件はまだ先のこと、その日まで我慢が出来るんか? …主にマサ先輩、短気で喧嘩っ早いからやらかすんじゃあ。
…あ! やらかすで思い出した。これも伝えなきゃならねーか、
「…因みにッスけど、
俺がそう言うと、先輩方の顔が笑顔から真顔に変わった。その中でもマサ先輩が、
「…野間軍団が抜け駆け!? んなことやらせるわけにはいかねー!!」
と叫びながら駆け出していった。…あっちは野間先輩達の溜まり場だな、…こりゃー喧嘩になるな!
────────────────────
鈴蘭が身内同士で争い始める中、
「この間…
俺には関係ないとのことで透とデート。その
…ってことは襲撃の件を抜きにして、最近秀吉先輩が追っ掛け回されているのはコレが原因…なのか? 弟の俺が言うのもアレだが姉貴は男勝りな美人、そんな美人と恋人同士で結婚と聞いたら嫉妬が大爆発するな。…デートって聞いただけでキレるようなモテない先輩方だ、結婚となりゃー………な。俺も気を付けなきゃなんねー、…マジで。
因みに秀吉先輩の彼女で姉貴
龍光寺
です。