俺のWORST物語   作:ユキユキさん

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第6話 ~俺、龍光寺一派結成するッス。《その1》

一年戦争が終わってから暫く、…俺は一年ながらに派閥を結成することとなった。あの後クラスの奴等と話をしてこの先どうするか、何てのを考えていることを伝えれば全員が声を揃えて、

 

「「「「「龍光寺一派を立ち上げようぜ!!」」」」」

 

と言ってきた。…何故にこうも殺気立って言うんだ? コイツ等は…。

 

理由を聞いてみれば何てことはない、月島花が気に入らないんだってさ。強いことは認めるが番長宣言が気に入らない、他の三大派閥も何か違う。…ということは、自分達が最強の男として認めている俺の下が一番。俺を頭に派閥を作れば、少なくとも自分達の腹の虫は治まる…とのこと。しょーもない理由だ、…で作る俺もどうかと思うが。

 

 

 

 

 

 

そんなわけで龍光寺一派の旗揚げを宣言すれば、一年の半数以上が俺の下に集った。しかも二年の伊東先輩と川尻先輩、三年の野間先輩が率いる岸中出身+αの面々も入ってくるという現実。結成して三日も経たずに鈴蘭最大派閥へ、…俺スゲー。そこまで俺って凄いんスか? って聞いてみれば、岸中の猟犬という二つ名は伊達じゃねぇってことらしい。…自覚はなかったなぁ、…俺ってば大物だったのね。…透から小言を言われないよう立ち回っていたんだが、…その経緯が名を売ったきっかけか? 所詮は犬っころと思っていたよ。

 

とりあえず俺を頭に三年顔役を野間大悟、二年顔役を伊東優哉と川尻林太郎、俺の代理として一年顔役を猪瀬浩、その他大勢ってヤツだ。因みに、猪瀬浩は一年戦争にて破れた男。天地の前に屈したが実力は本物、故に派閥へ誘ったのだ。鈴蘭を辞める気でいたのを口説き落としたわけ、俺の話術もなかなかだな。ときメモ4の技能恐るべし! …ってか? とにかく、今年から四大派閥となるわけで。他の派閥に飲み込まれないよう、頭の俺が頑張らねば! ちょいと気合が入ってみたり。

 

 

 

 

 

 

幹部が決まり始動! …の前に、先輩方へ挨拶をしとかないとな。新しい派閥の頭としてやらなきゃならない、ゼットンとか知らないから顔合わせも兼ねて。最初は誰ん所がいいかな? …ここから一番近いのはっと。

 

機能していない部室棟の一室、そこでブッチャーこと神戸好克に俺は挨拶をした。ブッチャーは俺のことを見て、

 

「龍光寺由紀也、…噂は聞いとる。…一年戦争不参加でありながら確かな影響力、まさか派閥を立ち上げるとは思わなかったぜ!」

 

そう言って笑った後、キッ! と睨みを利かせて…、

 

「おめーがわしと組むってーのはない、…そりゃー聞かずとも分かるがよー。…われ、わしの敵っちゅー関係になるかい?」

 

と聞いてきた。三大派閥でも一番イケイケだからな、そこが気になるのは分かる。だが俺達は旗揚げしたばかり、出来れば争いたくはない。負ける気はしないが後々のことを考えるとな、互いに静観ってーのが一番良いと思う。

 

「立ち上げてばかりのペーペーですからね、…その気は今のところないッスよ。だが派閥の頭になったからには舐められねーようにしねぇと、…そこら辺はブッチャー先輩なら分かってくれるッスよね?」

 

でも一応、何かあったらってことを臭わせておく。舐められたら終わりだからな、この世界はよ。

 

沈黙が暫く続き、ブッチャーが大きく息を吐く。そして、

 

「おめーの話は分かった。ま、これから同じ頭としてよろしく頼むわ。」

 

そう言ってきたので俺は、

 

「ええ、先達として頼りにさせて貰いますよ。組みはしませんが何かあったら言ってください、…力を貸しますんで。」

 

と言ってから互いに握手を交わす。その時ブッチャーが力を入れてきたんでやり返す、みるみると顔が青くなっていき、

 

「ちょっと待て龍光寺! …イデデデデデッ!!」

 

…俺の勝ちだブッチャー、この程度のことでも俺は負けねー。

 

そんなミニイベントをこなしてから部屋を出て考える、…次は誰がいいか。……美術室を根城としている岩城軍司でいいか、ここからわりと近いし。…岩城軍司ん所には二年の原田十希夫がいたな、やはり共に行動しているんだろうか? …そういえばブッチャーは一人だったな、No.2とされる深町慶太の姿はなかった。…何処かで俺を見ていたか、それとも俺ん所の一派を調べているのか。…まぁ侮れないってことだな、気を付けよ。


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