ドラクエⅦ 人生という劇場   作:O江原K

12 / 22
戦争は知らない②

 

少女は父のために美しい花を持ってきた。そう、父の眠る墓の前に。父は彼女と

一度も会うことなく戦場で死んだ。彼女が母親からそれを聞いたとき、すでに

戦いは終わっていた。魔王軍と神の使いの戦争の日々も、父の姿も知らないまま

彼女は育った。敵の手により惨く殺されたという父の墓前で娘は自己紹介をした。

『父さん、私はあなたの娘です』と。戦いで敗れ死んでいった魔族たちの墓が並ぶ

荒野に赤い夕日が沈み、花を並べ終えると帽子をかぶり彼女は立ち上がった。

 

 

 

 

 

ぼくたちがエスタード島の謎の神殿からあらゆる時代に飛んでいけたように、大魔王の

配下たちも魔空間の神殿から世界の様々な大陸、それも封印するのに最も適している

時代に向かい侵略を始めていったという。ヘルバオムやガマデウス、グリンフレークの

北西の洞窟にいた魔人たちのような魔王軍と関係ない魔物たちはまさにその時代に

生きていたと言えるけれど、他の魔物たちは魔王に遣わされてやってきているだけだ。

バリクナジャも千年前の魔物ではなく、実は他の魔物たちより若かったため、その娘も

大魔王について、また彼らが神に勝利し栄華を誇っていた時代を知らないのも当然だと

ぼくが知ったのは、この戦いが終わった後のことだった。

 

 

 

「ば、ばかな!トレヴ・・・!たったの一撃で・・・」

 

父の復讐のためフィッシュベルに現れたバリクナジャの娘、エネイブル。一見人間の

姿をした彼女を相手に、やはりモンスター人間と呼ばれるガマデウスのトレヴは

自信満々に戦闘に応じた。それなのに一回の地響きで沈んでしまった。

 

「か・・・勝った!偉大なる父よ!あなたの命を奪った憎き敵を私がこの手で!」

 

これで勝負が決まるとはエネイブルも予想外だったのだろう。バリクナジャへの

勝利の報告もどこか戸惑いが混ざっている。敵がどこかの誰かの攻撃を運悪く

食らって勝手に死んでいったついさっきのぼくと全く同じ反応だった。

 

「大規模な戦闘のざわめきはなくなったが・・・様子がおかしい!」

 

海の魔物を全滅させたシャークアイたちもこちらに向かって急いでいるようだ。

とはいえ到着にはもう少しかかりそうで、いまぼくがエネイブルと戦うことに

なれば海賊の援軍が来る前に倒されてしまうだろう。

 

 

「・・・さて、私は父が命を落とす原因となった者たち全てに報復するために

 やってきた。その中でもいま倒したガマデウス、それにお前は最も憎むべき

 仇敵だ。さあ勇者アルス、次はお前だ。最初から全力でいかせてもらうぞ」

 

「どうやら何を言っても戦いは避けられないみたいだ。まあきみの父親を殺した

 ぼくに言い訳や弁明なんて何もないけれど・・・仕方ない、戦おう」

 

大魔王との最終決戦の後、ぼくは勇者の力をほとんど失った。だからガマデウスが

勝てなかった敵をぼくが倒すというのは厳しい。どうすれば皆のためになる負け方が

できるか、それだけを考えて戦うのがいいだろう。時間を稼ぐのか、敵を消耗させる

のか、次に戦う人のために敵の攻撃をわざと受けるのか、それとも別の何か———。

必死に頭を働かせていたところで、ぼくとエネイブルの間に割って入る影があった。

 

 

「アルス、先にわたしにやらせてくれ。そいつはお前に用があるようだがお前は別に

 興味はないんだろう?ならばわたしに譲ってくれ、そいつを滅ぼす役を」

 

ヘルクラウダーのラフィアンだった。彼女のことはエネイブルも知っているようで、

 

「・・・フン、お前はわたしの父の部下だったヘルクラウダー、その娘か。

 お前なんか格下の中の格下だ。早く消えろ、私の敵討ちの邪魔をするな」

 

相手にするつもりはないようだ。するとラフィアンは彼女を指さして言う。

 

「いや、恨みを晴らすということならわたしの挑戦を受けてもらおう。わたしは

 お前の父を憎んでいた。ちっぽけな虫けらに過ぎないバリクナジャ、誰よりも

 価値がない男だったのに媚を売る能力と卑怯さにおいては魔王軍でも傑出した

 才能の持ち主・・・やつが無様に死んだ今、娘のお前に恨みをぶつけるほかない」

 

「・・・・・・!!」

 

バリクナジャを偉大で優れた人格者だったと信じるエネイブルを怒らせるには

これだけで十分だった。すぐに殺意がぼくからラフィアンへと移っていく。

 

「プチット族の勇者グルーヴ、あいつともよく話していた。わたしの父よりも

 バリクナジャが上にいるのはどう考えてもおかしいと。聞けばやつは父が

 人間と結婚したことをオルゴ・デミーラに報告し、大魔王を失望させて降格に

 追い込み自分がナンバー2の地位に座ったのだと。実はやつ自身もお前の母と

 共になっていたというのに狡猾極まりないクズだ」

 

ぼくも何度も顔を合わせているプチット族、そのなかでも勇者グルーヴは

魔王軍で出世したいと常に願い、友人ラフィアンとよく愚痴をこぼし合って

いたようだ。プチット族がいつまでも下っ端のままだったのは、地位が高くなる

せいで死の危険が高まるのを恐れた僧侶ラフインが裏で事を操っていたからと

いうのが真実だったけれど、バリクナジャが最高幹部の座を得たのも他の実力者を

蹴落としてのことだった。人間も魔族もあまり変わらないなと思った。

 

「・・・父バリクナジャへの無礼な発言の数々・・・今なら間に合うぞ、取り消せ!」

 

「取り消す?何を馬鹿な。わたしは真実を語っているのだからそんな必要はない。

 お前の父親は下衆どものなかでも最低の位置にいたゴミだと何回でも言ってやる。

 なあアルス、お前からも教えてやれ。やつがコスタールを征服した方法は卑劣に

 満ちたものだったと・・・その目で知っているお前が事実を口にすれば話は早い」

 

ラフィアンの言葉が正しい。エネイブルにはだいぶ捻じ曲げられた歴史が伝わって

いるようで、バリクナジャに褒めるべきところなんか一つもない。やつの部下や

親しかった者たちだけがやつはどんな人物だったかをその娘に教えたのだから

そうなるのも仕方ない。ぼくもラフィアンに同調して話をしたかったけれど

これ以上敵を刺激するのは危険だ。迂闊に挑発しないほうがいいだろう。

 

「いいか、お前の父親はわたしたちからの評判も悪かった。やつが死んでどれほどの

 人間と魔物が喜んだことか・・・生きているだけで不快な男だったからな」

 

「・・・お前~~~っ!」

 

どうやら意図的に怒らせているようだ。彼女もぼくが力を無くしたのを知らないはず、

それでも自分が戦おうとしているのはまあ助かるんだけど、なんか嫌な予感がした。

このまま戦いを始めさせていいのか・・・といっても止める方法も力もない。

 

 

「死にたいというのなら手伝ってやる!くらえ————っ!!」

 

亡き父を侮辱され怒りは最高潮のエネイブルが先に仕掛けた。さっきの戦いとは違い

様子見はなし、いきなり全力の鞭攻撃を放ってきた。

 

「切り裂いてやる——————っ!!」 「・・・・・・・・・」

 

ラフィアンは避けようとしなかった。右手を少しだけ動かして顔の前に構えた。

そして鞭は正確にその手を裂くかと思われたが、思わぬ展開になった。

 

 

「・・・・・・お前の全力・・・この程度か。さすがはあいつの娘だな。

 口だけは威勢がいいが戦ってみるとなんてことはない、ただの雑魚だ」

 

威力も速さも申し分ない鞭を片手で受け止めてしまった。その鞭を引っ張ると

エネイブルの足元がよろけた。そのまま力比べになるのを嫌ったのか、

 

「・・・くっ、ならばこれはどうだ—————っ!ハァ————!!」

 

トレヴを一撃で倒した地響きを使った。しかし全く効いていなかった。

表情一つ変えず、ダメージを受けたのかどうかすら怪しい感じだ。

 

「どうした・・・いま、何かしたのか?わたしには何も感じなかったが」

 

「————っ!!な、なぜ・・・・・・!」

 

「なぜと聞かれてもな・・・お前の力がその程度だったということだろう。

 さて、まだ攻撃手段はあるのか?もう少し付き合ってやってもいいが・・・」

 

圧倒的な力の差があった。戦っている二人はぼくよりもよくわかっているだろう。

 

「もうないのか、ならばわたしの番だ。お前などこれで十分だ!」

 

得意とする風の力を使わず、ただの張り手。しかしこの至近距離だ。

 

「うぐぅっ!!げはっ・・・げほっ!!」

 

エネイブルは胸を押さえながら転がって悶絶した。重い一撃によって呼吸も困難になる。

どうにか立ち上がろうとすると、今度は足に鋭い蹴りが炸裂し、再び地面に沈んだ。

 

 

「うううっ・・・!!あ、足が・・・・・・」

 

「これでしばらくは立てない・・・お前がバリクナジャと同じなら真空に対する耐性は

 ちっともないはずだ。だから後は真空波で跡形もなく消し飛ばして決着!」

 

完全に相手の命を握っている状況、生かすも殺すも自由というところでラフィアンは

攻撃をやめた。このまま続ければ終わりなのにそうしなかった、つまりは・・・。

 

「そうか、聖風の谷で裁きの神とまで言われているきみだ!これ以上戦闘が

 激しくなって彼女を殺してしまう前に終わりにしてあげるという温情か!」

 

フィリアちゃんと共にいたことで同情心や憐れみ、許す心を学んだと言っていた。

復讐に燃える敵にそれを捨てたなら命を助ける、そうとばかり思っていた。

ところがいまのラフィアンの顔は石版の世界でぼくたちと戦ったとき以上に

魔族特有の冷酷さに満ちていた。これが嫌な予感の正体だったんだ。

 

 

「・・・いや、こいつの命は奪う。こんなのを生かしておくことに一切の得はない。

 この場を凌ぐために『復讐はもうやめた』と言おうが執念の炎は心の中でずっと

 燃え盛っている。ここで確実にこの世から消さなければいけない存在だ」

 

「・・・!!だったらどうしてすぐにとどめをささない?私も覚悟はできている!」

 

「お前を殺す前にしっかりと教えなければいけないと思ってな。会ったことはない、

 それでも尊敬してやまないというお前の父バリクナジャの正体を。やつがどれほど

 醜悪で下劣な男だったか、それを知り絶望して死んでいくのがお前には最大の苦痛と

 なるだろう。やっと訪れた世界の平和を破壊しようとした代償は高くつくぞ」

 

バリクナジャの真実。実の娘にそれを教えること以上に残酷な行為はないだろう。

 

 

「魔王軍最高幹部バリクナジャ、やつは人間たちや魔王に従わない魔物の群れを

 襲撃するときは必ず、弱い者たちを執拗なまでに痛めつけた!どれだけ死体を

 無残なものにできるかを知能の低い魔物どもと競っていたほどだ」

 

「・・・・・・!」

 

「そして徹底的に略奪し、凌辱し、自らの欲望のままに暴走した!絶望を主食とする

 オルゴ・デミーラや同じ下衆仲間のボトクたちには好かれていたが・・・我が父の

 ような良識を持つ者たちにはひどく嫌われていた。強者との戦闘よりも抵抗できない

 弱者を嬲ることに幸福を感じた、それがバリクナジャという男の全てだ!」

 

「・・・嘘だ!そんなの、お前の作り話だ!私の父さんは・・・!」

 

立ち上がれないまま、それでも必死に声を張り上げるエネイブルを更なる追い討ちが

襲った。巨大な海賊船が戦闘を終えてようやく到着し、シャークアイとアニエスさんが

船から出てくると、ラフィアンの言葉を後押しするようにあの時代の思い出を語った。

 

「オレたちは実際にやつと戦った!だからこの話は真実だと思って聞くといい!

 長い間氷漬けにされたが頭はぼけちゃいない。バリクナジャはとにかくずる賢く、

 どうすればオレたちと真正面から戦わずに魔王から与えられた力で封印できるか、

 それだけを考えていた!その一方で弱き者が相手だと喜び勇んで戦列の先頭に立ち

 誇り高ぶりながら鞭を振るって敵をなぎ倒していった。実際にやつを見、その戦術を

 よく知っているオレが言うのだ。これ以上なく信頼できるとは思わないか?」

 

「それに・・・私は城の中で守られていたので無事でしたが・・・たくさんの女性が

 あの魔物に辱められました。狂ったように笑いながら力のない人たちを次々と犯し、

 そして殺していったのです。他の魔物たちの数倍以上はその愚行に及んでいたでしょう」

 

思い出すだけでも苦しく、腹立たしいという気持ちが伝わってくる。古代コスタールに

実際にいた、この二人が証言するのならもう信憑性を疑うことはできない。

 

 

「そこで倒れているガマデウス、それにアルスと仲間たち、わたしの父や魔王軍の

 生き残り・・・あと何人繰り返したところで同じだ。それぞれ観点や話し方は

 異なっても、だいだい同じところに結論は向かうだろう。これでわかったか?」

 

「違う、違う!父さんは優しくて勇気のある真面目な人だったって母さんが」

 

「・・・うるさいぞ、クズが。話にならないからもう黙ってろ」

 

その頭を踏みつけ、砂に埋もれさせてしまった。足を乗せたままラフィアンは続ける。

 

「いいか、真に高潔で威厳に満ちた者というのはわたしの父、ヘルクラウダーの

 ような偉大な存在のことを言うんだ。また勇気や愛情に富む者とは勇者アルス、

 そして聖風の谷で今なお崇められるフィリアを指す。バリクナジャごとき小物が

 捻じ曲がった教えによる誤解とはいえ同じように扱われるだけで我慢できない」

 

結局彼女も自分が気に入っている者たちを持ち上げているという点ではエネイブルと

同じだった。その中にぼくが入っているというのは照れくさいし買い被りだと指摘

したくなる。それは置いておくとして、争う両者の主張が異なるとき、対話で

決着がつかずに戦いとなった場合は勝ったほうの言い分が全面的に通る。ぼくも

何度かその経験がある。もっとも、いま起きている命の取り合いに比べるとかなり

レベルは低いけれど、どちらが正しいかの話し合いが決裂したら・・・戦いだった。

 

 

 

『・・・どうしてもわかってもらえないみたいだね。だったら・・・仕方ない!』

 

『あたしの言うことが聞けないっていうの!?望むところよ、受けて立つわ』

 

石版の世界で道に迷ったとき東西南北どこに進めばいいか、武器と防具のどちらを

新しくするべきか、それも誰の装備を優先すべきか、どの宿屋に泊まるか・・・。

普段はそんなに揉めない、というよりぼくが彼女に譲る。それでもどうしても納得

できない場合、ぼくが正しいと確信できるときは衝突し争いになった。

 

『決めるのは・・・この新品のカード、ポーカー対決だ!』

 

『いいわ、終わった後で文句はなし、一回きりの勝負よ!ガボ、カードを配りなさい!』

 

『・・・・・・別にいいけど・・・どっちでも大して変わらねえと思うけどなァ』

 

ポーカーだろうが言葉遊びだろうが、負けたほうは勝者の言いなりだった。その後

そこで決まったことが実は大失敗の道で恨みの目を向けたとしても負けたのが悪い、

そう言われて終わりだった。ぼくらの場合はただのゲームだからよかったけれど、

どちらが正解だろうがあまり意味はないことのために命まで賭けたら大変なことになる。

 

 

 

「・・・我慢できないのは・・・私のほうだ—————っ!!」

 

自らの頭を踏みつけていた足を両手でつかみ、そのまま回転を入れながら倒しにかかる。

ラフィアンのバランスが崩れたところを見逃さず、エネイブルは鞭での攻撃に入った。

 

「この間合い、体勢なら会心の一撃が入る!今度こそ—————っ!!」

 

「・・・・・・」

 

それでも格が違うとはこのことだろう。ヘルクラウダーの名にふさわしく、ラフィアンは

小さな真空を指先で作り出すと、なんと敵の最大の武器である鞭を粉々に消し去った。

 

「あ・・・あ・・・」

 

「これでわかっただろう。確かにお前はなかなか強い。だがそれはある範囲内での

 ものであり、その壁を超えることは決してできない・・・理由を教えてやろう」

 

オルゴ・デミーラの配下の中でも力ある魔物の娘、それも人間の血が入っている

一見似たもの同士の二人にはどうやっても覆せない決定的な差があった。

 

「お前の強さに限界がある理由・・・それはお前が『戦争を知らない』ことだ。

 わたしたちは神によって選ばれた英雄たちや精霊との戦いの日々を生き、そこで

 力を磨いてきたがお前はすでに全てが終わった後に、それも大魔王が遺した軍の

 中ではなく自己流で鍛錬をした・・・これでは本当の経験は得られない」

 

「うう・・・」

 

「すでに戦いは終結したのだから平和な世で大人しく生きていればよかったんだ。

 それなのにこうして災厄の種をまき散らしにやってくる!悲惨な戦争の日々を

 知らないせいで考えなしにまた同じことを始めようとする・・・救いようのない

 死んで当然の愚者だ。こういうクズをいちいちアルスやその仲間たちが相手にする

 必要はない!汚れたゴミ掃除はこれからもわたしに任せろ!」

 

 

ぼくは気がついた。彼女が執拗に格下の相手を痛めつけて命を奪おうとしている

のは、気が遠くなるほど昔から続く報復の連鎖の標的を自分に向けさせるためだ。

もしこのバリクナジャの娘の故郷に親友が、もしくは恋人がいたら次は彼らが復讐の

ためにやってくるに違いない。本来ぼくに向けられるべき憎しみと殺意を引き受けるため、

ラフィアンはわざと恨みを買うようなことを繰り返しているんだ。

 

「アルス、かつてわたしたちの計画はお前によって打ち破られた・・・だがそのおかげで

 真に大切なものが守られた。これはその礼に過ぎない。戦うために生まれたわたしとは

 違いお前はそろそろ解放されるべきだ。お前もそれを望んでいるだろう?」

 

「・・・・・・それは・・・まあ・・・」

 

「だったらここは黙って見ていろ。さあ、処刑の時間だ。わたしに満ち溢れる風の力で

 こいつを地獄に落としてやろう。消えてなくなれ」

 

これまでよりも強力な真空の波動がその両手から今にも放たれようとしている。

やめさせなくてはいけない、でもぼくはもちろんのこと、ここにいる誰も彼女を

止める力はない。それこそ神様のような存在でなければ・・・そう思った瞬間だった。

 

 

『・・・待て、ラフィアン!その娘を殺してはならない』

 

「・・・・・・!その声は・・・・・・!」

 

突然空が一面黒雲に覆われ、竜巻と稲妻を伴いながら黒い雲が二つに割れた。

そこから現れたのは黄金に光り輝く体に威厳ある声、これこそオルゴ・デミーラ

ではない本物の神様だ、と言われたら誰もが納得してしまうであろう魔人だった。

ラフィアンの父であり、ヘルクラウダー族最強と言われる天空の支配者だ。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。