王者に期待の新人   作:Rain Blue

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1話

今日から中学校生活がスタートする。小学校と違い制服を着るため両親にネクタイの結び方を聞きながら不恰好ではあるものの何とかネクタイの形を作ることに成功した。中学校は小学校と違い公立の学校ではなく私立の大学までエスカレーター式に上がることのできる学校を選んだ。理由は進学が有利であることや強豪と呼ばれる部活動があることなど様々であるが1番の理由は

 

「今から登校か?道中車に気をつけて行くんだぞ」

 

この兄から距離を取りたいからだ。兄とは昔とあることから喧嘩に発展してそれ以降会話も自然と少なくなり次第に素っ気ない態度を取るようになった。俺は適当に返事を返して逃げるように玄関へと向かった。

 

それからそれなりに長い時間をかけて登校をした俺は無事中学校にたどり着いた。中学校は私立というだけあって立派な造りをしていてこれから始まる中学校生活に思いを馳せながら自分の教室へと向かった。教室の中に入ると既に数人の生徒がいて挨拶をしながら教卓で自分の出席番号と席を確認した。自分の席の隣は既に埋まっていてそのクラスメイトに話しかけることにした。

 

「君が隣の席で合ってるかな?俺は○○真琴、名字はあまり好きじゃないから名前で呼んでくれると助かる」

「わかったでやんす!僕の名前は浦山しい太でやんす。僕も名前で呼んでくれると嬉しいでやんす!」

 

気さくそうな人で良かった。そう思い会話をしていき次第に話題は部活動の話に移っていった。

 

「真琴は部活動は何するか決めてるでやんすか?」

「うーん、まだ決まってないなぁ」

「それなら一緒にテニス部に行くでやんす!」

「ごめん、テニスは少し苦手で…」

 

どうやらしい太はテニス部に入りたいらしい。だが俺はテニスで過去に苦い経験をしたことからテニス部に行くことにはあまり乗り気になれなかった。

 

「体験入部だけでもいいから一緒に来て欲しいでやんす!」

 

体験入部だけなら、その言葉が出たのは折角の中学校で始めて知り合った友達ということもあり頑なに断り続けるのも彼に悪いと思ったためか、それともまだテニスに多少なりとも未練があったためか分からないがその言葉に喜んでいる彼を見て今はどちらでもいいと結論付けた。

授業はまだガイダンスのような授業でやることや教科書やノートの使い方の説明が主だったものばかりで楽に終えることが出来た。そのまま帰りのホームルームでは車に気をつけてとか生活に関しての注意を受けて放課後になった。部活動を行なっている場所などはしい太がわかっているため彼に案内されながらテニス部の活動場所であろう場所に着いた。テニス部の活動場所では既にかなりの数の1年生がいてその人気具合が良く分かる構図となっていた。1年生達は色々とテニス部の内部情報や去年の戦績について噂していて盛り上がっていた。

 

「ここのテニス部ちょー強いって本当?」

「まじだって!全国優勝2回連続でその時のレギュラーがまだ3人もいるらしいぜ!」

「え!?てことは1年でレギュラーになった人が3人もいるの!?」

「すげえよな!通称BIG3!この3人に勝てる人は全国でも少ないって話だぜ」

 

どうやらうちのテニス部はとても強いらしい。テニスから離れて数年経つ間出来るだけテニス関係の情報は入れないようにしていたから分からなかったが意図せずテニスの強い中学校に入ってしまうとはつくづくテニスに縁があるなと思った。しばらくしてからかなり大人びた顔をした人が1年生の注目を集めて練習の説明を始めた。どうやら最初に初心者と経験者に分かれてから各々のメニューをこなすようだ。経験者組は準備運動から始まり走り込みに素振りをしてから球拾いをして疲労度が溜まってきた頃に休憩が挟まった。休憩中には疲れたことをぼやく1年生が少なからずいるが全国優勝したチームの練習ならこんなもんだろうという意見が大半を占めており疲れをぼやく人も次第に減っていった。ぼやきが減ってきて体力が回復してきた頃に再び先ほどの人が注目を集めて次の練習の説明を開始した。

 

「早速だがお前らには次に試合をしてもらう。1年にはこのくじを引いてそこに書いてある数字と同じ数字の者同士でペアを組んで数字の若いものからコートに入れ。今日は奇数人数のようだからくじには当たりが混ざっているからそれを引いたものはこちらに来い」

 

試合と聞いて興奮した様子の1年生が我先にとくじを引いて行った。その流れに乗ってくじを引いた俺は列から外れたところで丁寧に二つ折りにされたくじを開封しそこにあった数字を確認した。そこに書いてあったのは

 

「?何も書いてないな、当たりってやつか?」

 

当たりは自分に聞けと言う指示を思い出しくじの配布が終わった辺りを見計らって声をかけた。

 

「あの、くじが白紙だったのですが」

「ああ、お前がそのくじを引いたか。しかしなるほど、早速やることになるとはな

 

嫌な予感がする。この口振りからおそらく対戦相手はこの先輩だということが判明してしまった。しかもどうやらこの先輩はこちらのことを知っているようだ。つまり昔テニスをしていた頃の俺を知っているということであり小学校の時からかなりの有名人でおそらく中学テニスの中でも変わらず有名人であろう

 

「それではお前との試合楽しみにしてるぞ、手塚真琴」

 

手塚国光の弟であることも知っているということだからだ。

 

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