今回は、ガルパンのある曲を流すシーンがあります。推奨BGMではありませんので、ご了承下さい。もし運営から著作権関係で指摘を受けた場合は、曲名を消します。
追記)ご指摘があったため、観閲式に書きなおしました。ありがとうございます。
大本営が所有する港。今日この日は非常に盛り上がっていた。艦娘や提督、大本営の人間、そして多くの国民と、会場は人で溢れかえっている。
「元帥。いよいよですな」
「そうだな、中将。我々とは異なる歴史を歩んでいる世界。たとえ異世界でも、それは『我々の世界もこうなっていたかもしれない未来』。その象徴たる学園艦娘のパレード……。ここまで人が集まるとはな」
「………………」
元帥の隣に座っている女性は、静かに聞いている。
「それと元帥。お気づきかと思いますが……」
「うむ。明らかに苛立ちを見せている者もいるが……」
「数が少なすぎます。恐らく、ポーカーフェイスというものでしょう。厄介な……」
「あくまで、反学園艦娘派のマーキングだ。逮捕が目的ではないことを忘れるな」
「はっ。……おや、始まりますな」
パレード開始の合図であるラッパが鳴り響くと、ざわめきは徐々に収まっていった。
≪大変長らくお待たせいたしました。ただいまより、学園艦娘による、観閲式を始めます!≫
なお、パレードの司会担当は横須賀提督である。
≪それでは皆さま、海上をご覧ください!≫
それと同時に、壮大な音楽が流れ始める。大洗たちから渡された楽譜を音楽隊が演奏している。曲名は『乙女のたしなみ戦車道マーチ!』である。
そして、海上に8つの人影が現れると、辺りから拍手が起こる。
≪我々が学園艦娘と呼んでいる艦娘たちは、私たちが歩んでいたかもしれない未来の象徴であります。空母は第二の大地となり、戦車は競技に、戦闘機は空からその様子を写す存在です≫
≪戦車を使った競技、戦車道。特殊な砲弾と特殊な装甲によって安全性をもった戦車は、乙女のたしなみとしての競技となりました。今この場にいる学園艦娘は、戦車を保有しております≫
≪それではお見せしましょう! 各学園艦が所有する戦車たちを!≫
学園艦娘たちが到着し、艤装を解除して陸へと上がる。歓声が上がるが、ここからが本番だという事を、彼らはまだ知らない。
パレードが始まる一時間ほど前。
「みんな久しぶり~!」
「おぉ~! 黒森峰にプラウダにBCのやつまで! 久しぶりだな!」
「あぁ。サンダースにアンツィオも、久しぶりだな」
「相変わらず賑やかな二人ね~。まっ、このパレードが成功するなら文句ないけど」
「みんなで盛り上げましょう~! 私、楽しい事だ~い好きよ~!」
フリーが扇子を広げながら意気込む様子に、全員が頷く。
「いよいよ、皆さんに私たちのことが明かされるのですね~」
「横須賀提督たちが言っていたわ。私たちは、この時代にとってあり得たかもしれない未来の象徴だと」
「どうやら上の方が騒がしいようですが、いま我々に出来ることは、堂々と歩くことです!」
知波単の言葉に大洗が頷くと、全員に向かって声をかける。
「みなさん! 人々に感動と、驚きと、そして希望を与えましょう!」
『『『『エイ、エイ、オー!』』』』
学園艦娘たちは、大きく拳を空に掲げた。
読んでくださり、ありがとうございました。
次回なのですが、かなり長くなると思いますので、明日に更新することは難しいかもしれません。
それでは、お楽しみに!