―――――何でみんな、私を虐めるの?
―――――私は、ただお友達になりたいだけなのに……
―――――寂しい、寂しいよ……
―――――お母さん……
学園艦たちによるパレードにより、多くの人々に学園艦が知れ渡った。
味方が多くなり、居場所も心強くなった彼女たちは、今日も自分の仕事をこなす。
他の艦娘や人間たちと笑い合う。それはまさに平和の日々――――――その筈だった。
「提督! 遠征に行っていた大洗さんが!」
「何だと!?」
突如、横須賀提督に届けられた凶報
「大洗が……」
「深海棲艦に……」
「拉致された、だと!?」
その凶報に動揺する学園艦娘たち
「既に洗脳されてる可能性がある! 即刻、彼女ごと敵を粉砕すべきだ!」
「学園艦の象徴たる大洗が死亡したとなれば、国民が黙っていませんぞ!」
「それで敵に寝返っていたらどうする! 海からだけでなく、陸からも攻撃されるかもしれないのだぞ!」
「元帥。これでは……」
「うむ……」
紛糾する大本営。そして――――――
「“秋の日の ヴィオロンの ため息の ひたぶるに 身にしみて うら悲し 北の地にて 飲み交わすべし”」
「この暗号も、久しぶりでありますな」
「再び集合ね~」
「今回は戦車道が絡むような“お茶会”ではないわ。例えるならば、“大宴会”よ」
“あの戦い”の時と同じく、再び集まる学園艦娘たち
「全ては私が責任を取る! 元帥直々に、横須賀、佐世保、呉の各鎮守府に命ずる! 学園艦『大洗』を救出せよ!」
元帥によって発動された“救出作戦”
「大洗の遠征ルートから、彼女が捕まってる可能性が高いのは……この島だ」
「では、行きましょう!」
「あぁ! 学園艦、総員出撃!」
大洗救出に意気込む学園艦娘たち。
そして――――――
「会いたかったよ、お母さん!」
「私が……お母さん?」
大洗を“お母さん”と呼ぶ深海棲艦の少女。大洗は彼女と触れていくうちに、あることに気付く。
「貴女たちは、“普通の深海棲艦”と違うような気がするんです」
「教えてやるよ。私たちの秘密を」
明かされる、深海棲艦の秘密――――!
「そ、そんな……! そんな事って……!」
「もし言えるなら言ってやりてぇよ。『深海棲艦をこの世から消し去ることは――――――
―――――不可能だ』ってな」
深海棲艦の秘密とは一体何か?
大洗を狙った理由は?
彼女を母と呼ぶ少女はいったい何者なのか?
大洗は救われるのか?
「あぁ、そっか……。この子は―――――」
次章、『大洗救出作戦です!』 乞うご期待!
取り戻せ、“家族”を――――