学園艦が鎮守府に着任しました   作:G大佐

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お待たせしました。深海棲艦から歓迎された学園艦娘たちですが、果たして……?

それでは、どうぞ!


大混乱

 学園艦娘たちは、混乱していた。目の前の深海棲艦たちが、にこやかに話し掛けてくるのだ。

 

「ね、ねぇ! どういう事!?」

「わ、私に聞くな!」

「もしかしたら、油断させる罠かも……」

「ですが、武装は着けてません。文字通りの意味かも……」

 

 プラウダ、黒森峰。フリー、知波単が警戒する。しかし、意外にも素直に受け取っている者も居た。

 

「深海棲艦からの歓迎なんて、滅多にないわね!」

「せっかく歓迎してくれてるんだ。受け取らないというのは、失礼じゃないかな?」

「まぁ、もしかしたら大洗の居場所を知ってるかもしれないしな」

「そうだった場合、攻撃するのは淑女のやる事ではありませんわね」

 

 上から順に、サンダース、継続、アンツィオ、リーナである。彼女たちの反応を見て、リ級は仲間に話す。

 

「やっぱり、ツ級さんの言う通り、大洗さんの知り合いでしたね」

「と言う事は、大洗はここに居るんだな?」

「おう。まぁ、まずはこっちに来いよ。あたし達についても話さないといけないからな」

「確かに、気になっていましたわ。言葉を話す深海棲艦と出会うのは、私たちは初めてですの」

「なぁ、黒森峰。大洗が心配で警戒する気持ちは分かるが、まずは相手の話を聞いてからの方が良いんじゃないか?」

「……やれやれ。もう好きにしてくれ」

 

 こうして、すっかり警戒心が薄くなった一行は、大洗のもとへ案内されるのだった。元々友好的な性格の深海棲艦と、深海棲艦と本格的な戦闘をしていない学園艦娘だからこそ、可能な展開と言えるだろう。

 

 

 

 

 

「大洗殿~!」

「みなさ~ん!」

 

 島の浜辺で、大洗が知波単たちに手を振っている。一行は彼女の無事な姿を見て、安心した。

 

「大洗」

「黒森峰ちゃん……」

「……無事で良かった」

「心配かけて、ごめんなさい……」

 

 大洗が黒森峰に頭を下げると、プラウダが彼女の背中を軽く叩いた。

 

「はいはい! 無事に再会できたんだから湿っぽい空気にしないの! それに、大洗には紹介したい娘も居るしね!」

 

 プラウダが手招きすると、継続が大洗のもとへやって来た。

 

「久しぶりだね、大洗さん」

「まさか……継続さんですか!?」

「遅れちゃってゴメンよ。でも……会えて良かった」

 

 再会を喜びながら、二人は静かに握手をする。

 

「……あら?」

 

 するとリーナが、大洗の後ろにくっ付いている少女に気付いた。その容姿から深海棲艦だと分かる。

 

 だが、彼女は不思議なものを感じた。まるで“妹を見ているような”感じがしたのだ。

 他の学園艦娘たちも、少女の存在に気付く。

 

「なぁ、大洗。後ろの女の子は誰だ?」

「あっ、そうでした~! ほら、姫ちゃん。この人たちが、お母さんのお友達よ~」

(……ん?)

 

 彼女の言葉に、何か引っかかったアンツィオ。そうとも知らずに少女は、緊張しながら前に出る。

 

「は、はじめまちて! えっと、皆から姫と呼ばれてましゅ!」

 

 緊張しすぎて噛んでしまっているが、ツ級たちは「噛んじゃってる所も可愛い!」と盛り上がっていた。一方学園艦娘たちは、まさかの“姫”の登場に驚いていた。

 

「友好的な深海棲艦に続いて、今度は友好的な“姫”……」

「サプライズでお腹一杯よ~」

 

 そして、次の会話で、場は混乱に包まれる。

 

「よく自己紹介できましたね~」

「うん! 痛いことしてこなかった! お母さんの言った通りだったよ!」

 

 少女の口から出た単語、「お母さん」。一行は考える。お母さん? 誰が? ……まさか。

 

『『『『お母さん!?』』』』

 

 全員が目を見開き、口をあんぐりと開ける。それも束の間、たちまち大騒ぎとなった。

 

「あ、あわわ。大洗さんが子供を産んでた~!?」

「落ち着いてくださいフリー殿! ここはまず、出産祝いを何にするかを考えて……」

「ちょっと、どういう事よ大洗!」

「プラウダ落ち着きなさい? こ、こ、こういう時にふさわしい格言は……」

「リーナも落ち着け! おい、サンダース! お前も落ち着くように何か言って――――」

「………………」

「開いた口が塞がってなーーい!?」

「こ、この事態はどうしたら良いのかな……? ボク分からないよ……」

 

 ギャーギャーと騒がしくなるが、黒森峰が大きく息を吸う。

 

「落ち着け!!」

「黒森峰さん……」

「こうも騒がしいと、聞きたいことが聞けなくなるだろう!」

「そ、そうでしたわね……。取り乱しましたわ……」

 

 そして、黒森峰は大洗の肩をガシッと掴む。

 

「え?」

「……だ」

「はい?」

「父親は誰だ?」

「えぇ!?」

「この子がお前をお母さんと呼んでいるという事は父親も居るのだろう。だから教えるんだ。何、気にするな。ちょっとソイツにマウスの砲撃を叩きこんでやるだけで――――――」

『『『『お前が一番落ち着け!!』』』』

 

 目をグルグルと回しながら早口で喋る黒森峰に、深海棲艦たちも含めた全員がツッコむのだった。

 

 




読んでいただき、ありがとうございました。

姫ちゃんの「お母さん」発言で、一行は大パニック。はてさて、どうなりますことやら……。

と言うわけで、次回もお楽しみに!
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