しかも、初めて映画館でガルパンを観たので、感動が凄まじいです!
それと、まほさん誕生日おめでとう!
提督が目を覚ますと、天井板が目に入った。
「また途中で寝ちゃったのか……」
体を起こして伸びをする。だが、すぐに“違和感”に気付いた。
「……何で俺、ソファで寝てるんだ? タオルケットまで掛けられてるし……」
普段は机に突っ伏して寝てることが多いというのに、なぜか横になっていたのだ。それにタオルケットを持ってきていた覚えもない。
「これで最後ね~?」
「ん? その声は……」
おっとりとした声がしたので見てみると、いつもは自分がいる机で仕事をしている大洗の姿があった。
「大洗さん?」
「あら、提督さ~ん。おはようございます~」
「おはよう。……何してるんです?」
「妖精さんたちと一緒に~、片付けられそうな書類を片付けていたんですよ~」
「え!?」
急いで積まれている書類を見ると、何枚かの書類に付箋が貼られており、「ここの数字が違う」とか「誤りなし」といった事が書かれている。どうやら、訂正が必要な書類とそうでない書類とで分けてくれたようだ。
「訂正が必要ない書類は~、提督さんの記名と判子を押すだけでOKです~」
「そ、そうなんだ。ありがとう」
襟を直しつつ机に座り、慣れた手つきで判子を押して、自分の名をサラサラっと書いていく。
「昨夜は驚きました~。机でグッタリしてたので~、具合が悪いのかと思いました~」
「まぁ、いつもの事なんだけどね……」
「それはいけませんよ~。ある豚さんも言ってました~。『睡眠不足は良い仕事の敵だ』って~」
「ぐうの音も出ません……」
「今日は、その書類でお仕事は終わりです~。なので今日は休んじゃいましょう~」
「…………へ? もう終わり?」
「はい~。残ってるとしても、提出期限はずっと先です~」
「そ、そうか……」
提督は考える。思えば、他の艦娘からも「休め」と言われ続けてきた。きっと、大洗も今回の寝落ちの件で見かねたに違いない。それに、既に体の節々が「休ませろ、休んでしまえ」と訴え続けている。休んだって罰は当たらないだろう。
「分かったよ。じゃあ、今回はお休みだな」
「それは良かったです~! では、他の皆さんにもお伝えしときますね~」
すると、書類仕事を手伝っていた妖精さんたちが頷き、執務机からピョンッと飛び降りる。そして部屋から出て行ってしまった。因みに途中で片眼鏡を掛けた妖精さんがコケて泣いた。
「何しに行ったんだ……?」
「きっと、出撃や遠征がお休みであることを伝えに行ったんですよ~。転んじゃった子と、起こしてあげた子、そしてツインテールの子は生徒会をやっていましたから~」
「なるほど。情報伝達は彼女たちの仕事なのか……」
戦車を弄る妖精さんといい、大洗の妖精さんも役割分担をしてるんだなぁと納得した提督だった。
そんなこんなで執務室を出た提督は、せっかくだから普段のみんなの様子を見ようと、散歩をすることにした。今は艦娘が運動する為に設けられたグラウンドにいるのだが……。
「えーと、なにこれ?」
「妖精さんたちがバレーボールをしてるみたいですね~」
広いグラウンドに設けられた、とても小さなバレーコート。そこでは妖精さん達がバレーをしていた。
「こんじょー!」
小柄な妖精さんがアタックを決めると、ギャラリーの妖精さんから歓声が上がる。相手チームの妖精さんは励まし合いながら試合に臨んでいる。
「あの四人も大洗さんの?」
「はい~。バレー部だったんですよ~。部員が四人でもめげない、可愛い子たちです~」
「なるほど……。『こんじょー』って掛け声も、何か納得だ。それにしても、他の妖精さん達も楽しそうだな」
「あの子たちは~、暇している妖精さんを見つけてはスポーツに誘ってるんですよ~」
「妖精さんが活き活きし始めたのは、そのおかげでもあるのか……」
妖精さん達の意外なところを見れた提督だった。
散歩を再開し、今度は演習場に来ていた。今度は妖精さんではなく艦娘たちが集まっている。
「さぁ! 島風とポルシェティーガーのスピード勝負やー!」
軽空母の龍驤が司会をしているようだ。そこでは、駆けっこが得意な島風と、ポルシェティーガーに乗る妖精さんが火花を散らしていた。
「予想が当たった人には、もれなく間宮さんと大洗さんの合作『芋ようかん』をプレゼントやー!」
「私、島風ちゃんに賭けるわ!」
「島風ちゃんっぽい!」
暁や夕立が島風に賭ける。
「う~ん、私は妖精さんの方にしよっと」
「私も~」
明石や夕張は、ポルシェティーガーの方に賭けた。彼女たちはあの妖精さんたちの戦車がどういうものか知ってるのだ。
「ふふーん! 大洗さんの妖精さん。島風は駆けっこが大得意なんだから! 負けないよ!」
「!」
得意げな顔をしている島風に対抗心が芽生えたのか、四人組の妖精さんはメラメラと目に闘志を燃やす。
「さぁ、勝負開始や! 二人共スタート位置に付いてなー!」
龍驤の声で両者が位置に付く。
「よーい…………スタートぉ!」
「いっくよー!」
島風が一気に走りだす。そこから少し遅れてポルシェティーガーが走り出した。他の艦娘は「やっぱり」という雰囲気で見ていたが……。
「うふふ~。『アレ』を使うかもしれませんね~」
「『アレ』?」
大洗の笑みに提督は首を傾げる。
すると、ポルシェティーガーのエンジン部分から、グォォォンという音が響いた。その様子に驚く暁たち。
「ふっふーん、やっぱり私が一番はや……!?」
変な音がしたなぁというくらいの軽い気持ちで後ろを振り返った瞬間、履帯とエンジンの音を響かせて距離を詰めてくるポルシェティーガーの姿があった。思わず足が止まってしまう。
「はっやーい!?」
その一瞬止まったことが仇となり、ポルシェティーガーがゴールする。まさかの逆転に一同は唖然とする。
「え、えっと、ポルシェティーガーの勝利! 芋ようかんは明石さんと夕張のものやー!」
「よっしゃ!」
「二人が作った芋ようかんって、美味しいからすぐ売り切れちゃうのよね~」
「お、大洗さん? あれって一体……?」
「自動車部の皆さんは凄い技術を持ってて~、ポルシェティーガーも改造してるんですよ~。よく頑張りましたね~」
褒めて褒めてと擦り寄ってきた妖精さんの頭を、優しく撫でてあげる大洗。一方で、作業着を着たこの4人の妖精さんが自動車部であったことに、驚きを隠せない提督であった。
夕方。提督は大洗お手製の干し芋をおやつに、縁側でのんびりしていた。空は茜色に染まり、点々と星が見える。
「こんなにのんびりしたのは、久しぶりかもな……」
「提督さんは~、皆さんのことをとてもよく見てくれています~。だからこそ~、時には
「そういう、ものなのかな? 俺は提督だ。艦娘を指揮して海を守る為にも、己に厳しくと思っていたけど……」
「厳しいことは悪ではありません~。でも過度になると悪になっちゃいます~。“何事も程々に”ですよ~」
「……そうか。そうかもな。よくよく考えれば、佐世保とか呉とか、他の提督たちも居るからな! 何も俺一人で全部抱え込まなくても良いのか!」
「そういうことです~」
提督が笑い、大洗はニコニコと微笑んだ。
読んでくださり、ありがとうございました。
また何かネタが思い浮かび次第、執筆・投稿する予定ですので、よろしくお願いいたします。