2020年の十五夜は、10月1日なのだそうです。十五夜と言えばやっぱり月夜。月夜とガルパン最終章と言えば、第2話での知波単による歌謡突撃!
と言うわけで、短めですがどうぞ!
十五夜。雲ひとつない夜空に、立派な満月が浮かんでいる。その夜空の下で月見と洒落込む集団がいた。
横須賀、佐世保、呉の各提督たちと艦娘たちが、月見会を開いているのだ。主催は横須賀鎮守府である。
「いやー、見事な夜空と満月ねぇ」
「はい! 横須賀先輩も、招待してくれてありがとうございます!」
「こうやって3人で集まるのは、演習くらいしか無いからな。それに、みんな楽しそうだ」
提督3人の視線の先には、月夜の下で飲み食いを楽しむ艦娘たちがいる。
「秋と言えばブドウの収穫よね~。ブドウと言えばワイン~。ワインと言えばフランスよ~」
「おぉい! イタリアワインも忘れるな!」
それぞれが酒やジュースなどを飲み、大洗や間宮、鳳翔をはじめとする料理担当の作った料理に舌鼓を打つ。
「天龍お姉ちゃん! お団子食べよ!」
「あ、私たちも食べたい!」
「天龍さん、ご一緒して良いですか?」
「おう! おーい龍田! お前も来いよー!」
「じゃあ、お言葉に甘えて~」
愛や雷、電など子供組は天龍たちと団子を食べている。その様子に微笑むのは提督たちだけでなく、大洗たちも同じだった。
宴会が盛り上がってる中、知波単は月夜を眺めながら、静かに盃に口を付けていた。声の大きい彼女を知る者から見たら、とても珍しい光景である。そんな彼女に近付いてきたのは、料理を終えた大洗だった。
「お隣、良いですか?」
「おや、大洗殿。どうぞどうぞ」
知波単の左隣に座ると、おつまみを差し出す。
「こちら、良かったらどうぞ~」
「おぉ、ありがとうございます」
つまみを口にしつつ、夜空を見上げる2人。ふと、知波単が話しかけた。
「大洗殿。覚えておりますか?」
「何をでしょうか~?」
「大学選抜チームとの戦いを終えてしばらく経った、冬の無限軌道杯の2回戦目です」
「あぁ~! そう言えば、知波単さんのチームと私のチームが戦ったんですよね~」
「途中で雨は降りましたが、あの戦いの日も、こう言う月夜でありましたなぁ」
「そうでしたね~」
2人は懐かしむように笑う。
「あれは、我が知波単が変われた戦いだったと思っています」
「……………………」
大洗は静かに聞き続ける。
「そして、そのきっかけをくれたのは、大洗殿。貴女です」
「変わろうと行動に移したのは、知波単さんです。変わろうと思っても、いざ行動に移す事は難しいですからね」
「それでも、であります。貴女をはじめとした多くの方々に出会えたからこそ、あの子たちは変われたのだと思っています。だから、言いたいのです」
“ありがとう”
知波単がまっすぐな目で大洗を見ながら、そう伝える。大洗はその言葉をゆっくりと受け止めた。
「どういたしまして、ですね~」
「……たはは。何だかこう言うの、キャラじゃないでありますな」
「それじゃあ、皆のところに行きますか~?」
「そうしましょう!」
そうして2人が戻ると、知波単は壇上に上がった。全員が彼女に注目する。
「今宵は満月! 前世にて我が生徒が歌っていた歌をお聞かせしましょう!」
拍手が起こる。知波単は妖精さんを呼び出すと、古めかしいスピーカーを用意した。
「歌える方はどうぞご一緒に! 『ラバさん』!」
前奏が始まり、そして知波単は歌い始める。すると、途中から大洗も共に口ずさみ、リーナ(聖グロリアーナ)、フリー(BC自由学園)、プラウダ、黒森峰、サンダース、継続、アンツィオ、愛も歌い始めた。
こうして、学園艦娘たちによる大合唱で、月見会は締め括られたのであった。
読んでいただき、ありがとうございました。無事に上映されるのを祈りながら、楽しみに公開を待っています。