前回サプライズで登場の三笠さん、どうやら提督たちと酒を飲むようです。
戦艦三笠。深海棲艦が攻め始めた頃、“始まりの艦娘”として戦った伝説の艦娘である。日本を想い、その身が朽ちるまで戦い続けた彼女は、横須賀鎮守府近くの岬で眠りについていた。
しかし、彼女はたまに現世に現れる事がある。例えば人々の先祖の魂が帰ってくるお盆の時期、そして今回はサプライズとして、愛の招待を受けて大晦日と元旦にも姿を現したのだった。
「いやはや、まさか三笠さんが来てくださるとは」
『うむ。せっかくの新年だ、こうして未来の艦娘達と酒でも酌み交わそうと思ってな』
そう言って彼女は、丼のような盃を出す。横須賀提督はそこに酒を注いだ。
「では」
『うむ』
「『乾杯』」
2人が酒を飲むと同時に、愛と大洗が料理を持ってきた。
「おせちをどうぞ~」
「お餅も持ってきたよー!」
『2人ともありがとう』
ブリの照り焼き、かまぼこ、数の子など酒のつまみになるものを選んできたようだ。愛の持ってきた餅はつきたてで、知波単が作ったものである。
「そう言えば、鎮守府のそれぞれの部屋にしめ縄が飾ってありましたが、あれって提督が飾ったんですか~?」
「え? いや、俺は自分の部屋とか執務室とか掃除してたからそんな暇なかったな」
『あぁ、あれは私がやったんだ。こう、霊力のようなものでな。皆が掃除などを頑張ってるのに私だけ酒を飲むわけにはいくまい』
「なんと……。ありがとうございます」
伝説の艦娘お手製のしめ縄ならば、きっと縁起が良いことだろう。
すると、部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「提督、三笠殿。失礼する」
「失礼しマース!」
「長門に金剛? どうしたんだ」
「いや、折角かの大先輩がいらっしゃるからな」
「一緒に飲みたいと思いましター!」
『おぉ、金剛型にかのビッグセブンの娘ではないか。うむうむ、ならば戦艦たち全員呼んでこい! 今宵は正月、皆で飲もうではないか!』
さらに、部屋に驚くべき人物がやって来た。
「明けましておめでとう、横須賀提督くん」
「元帥! それに中将に運転手殿も!」
『ほう、今の海軍を動かす者たちか』
「っ! み、三笠殿!」
「何と! 儂らでサプライズするつもりが……」
「逆に驚かされましたな」
元帥、中将、運転手の3人の若かりし頃は、三笠も現役の時代。故に3人にとっても彼女は敬礼する人物なのである。
『ふむ、ならば食堂で飲むとするか』
「お酒お持ちしますね~」
「料理は私が持つー!」
「ならば私たちも手伝うとするか、金剛」
「もっちろんデース! 提督たちはゆっくり来てくだサーイ!」
こうして食堂へ移動した三笠たち。この日一日は、海軍のトップたちと三笠、そして艦娘たちと提督で宴会が繰り広げられたのだった。
読んでいただき、ありがとうございました。また何かネタを思い付いたら投稿しようと思います。