仮面ライダー×Fate/GrandOrder 残光記憶都市   作:地水

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 ここからオリジナル(?)サーヴァントが登場しますが、些細な設定くらいな問題なので気軽に見てやってください


第2話

カルデアのマスター・藤丸立香と歴史に消えたはずの仮面ライダー・3号/黒井響一郎が出会っていた同時刻。

高速道路であった場所にて猛スピードで駆けていく一つの影。

一人は黒衣の衣装の上から鎧を身を包み、竜の紋章が描かれた旗、病的なほど白い肌と髪を持つ【竜の魔女】。

もう一人は十字のデザインが施された強化アーマーを纏い、【マゼンタ色の仮面の戦士】。

仮面の戦士の相棒であるバイクに乗って二人は追手から振り切ろうと走りゆく。

そんな最中、仮面の戦士が別の場所で起きた【何か】を感じ取った。

 

「―――ほう、どうやらお前の目的の奴さんは無事に運命を引き当てたようだな」

「ハンッ、それはどうも無駄な報告をありがとう。別に心配なんてしていませんですから」

「信頼しているか?カルデアのマスターとやらを」

「バカ言わないで。そんなんじゃないわよ」

 

 

迫って来るは複数騎のシャドーサーヴァント達。さらには先頭を走る一騎と共に深くフードを被ったランサーのサーヴァントがいた。

手には大きな鎌、フードの中から覗かせる片目が怪しく二人を見つめる。

その様子を見た二騎のサーヴァントは深く溜息を付くと、バイクを180度急転回させて方へシャドーサーヴァント達の方へ向き直った。

 

「さてと、いい加減追いかけっこも飽きたし、俺達もランサー・オルタと決着をつけるか」

「えぇ、やりましょう破壊者さん。我らの憎悪と憤怒、彼らにぶつけるわよ」

 

仮面の戦士と竜の魔女はニヤリと不敵な笑みを浮かべると、フルスロットルにしながらシャドウサーヴァント達へ突っ込んでいく。

幾分かしない内に爆炎と斬撃と銃撃が元高速道路に彩られ、シャドーサーヴァント達は塵となって消えてゆき…。

 

かのペルセウスが使用した鎌・ハルぺーを携えたサーヴァント……ランサー・オルタは撃破された。

 

 

――――

 

 

アサシン・ハサンとの戦闘後、立香は響一郎の操るトライサイクロンに乗って走り行く。

流れゆく街の様子は相も変わらず、高層ビルだった廃墟と瓦礫の残骸のみ。車を走らせている自分達を除けば相変わらず動くものはいない。

者惜しげに見ている事に気付いた響一郎は立香に訊ねた。

 

「どうした?景色を見て何か思うところがあるのか」

「その、この世界が日本の都会に似ていているなって思って懐かしい気持ちになって…」

「まあキミの言いたいことは分かる。その東京に似ているって感じたのも強ち間違いじゃない」

「あながち間違いじゃない?」

 

響一郎の言葉に首をかしげる立香。その様子にやれやれと呆れながら、響一郎は分かりやすく説明を始める。

 

「俺も詳しい事は知らないが、いくつか分かった事はある。まず一つ、『この世界は大きくても東京ぐらいの大きさしか空間が存在しないこと』」

「限られた広さしかない世界ってことですか?」

「お前が言う『特異点』というやつかもな。次に二つ、『幾つかの建造物が経年劣化として残骸跡がある』。これに関しては幾つか推測が付く」

「何処かで見たことのある残骸って…」

「そして三つ目、俺達が目指すのは向こうにあるあそこだ」

「あそこって……」

 

響一郎が示した方向に目を向ける。

視界に見えてきたのは、一本の大きな巨大な塔。塔の先端の上には巨大な城が魔法陣の上に建てられていた。

魔術師でない立香にとってもおかしいといえる異変で、なぜあのようなものがと疑問符を浮かべつ。

 

「大きな城?」

「あそこには唯一、魔力を感じる。それも大量の黒いサーヴァントを無尽蔵に出てくるほどの大量にな」

「じゃあ、この状況を作っている誰かがいるとすれば、あの城にいるってことに?」

「そういうことだ。このまま敵が俺達を放っておくとは思えない。その前に殴り込みにいく」

 

響一郎はそう言いながら、アクセルを踏みトライサイクロンの速度を上げていく。

今いる戦力は頼りない自分と、仮面ライダーである響一郎の一人だけ。せめて後二人ぐらい

そんな最中、立香はふと「あること」に疑問を抱き、響一郎に訊ねてみた。

 

「ところで、響一郎さんって気になっていたんですが、どんな人なんですか?」

「どんな人って?」

「その、変な話なんですけど……俺の知ってる限り、『仮面ライダーはTVの中だけの存在』なんです」

「ほう……ソイツは興味深いな」

 

立香の思いかけない問いかけに眉を潜める。

アサシンとの戦闘の後、立香は既視感の正体を思い出した。

それは自分のいた日本では「仮面ライダーはTVドラマとして放送されていた」。つまり架空の存在だ。

もしも「キミ達は空想の存在だ」なんて言われたら、少なくとも気分をよくしないだろう。

しかし、意を決して恐る恐る尋ねた立香に対し、響一郎は口から笑いを吹き出した。

 

「驚かないんですね」

「簡単な話だ、俺の生まれた世界が『仮面ライダーが実在する世界』、立香のいた世界が『仮面ライダーが空想上の存在として語られる世界』だった。それだけの話だ」

「なんだか不思議な感じですね、別の世界だけど『仮面ライダーは実在した!』なんてことがわかったなんて」

「むしろそっちが驚いてるかな」

 

目を丸くする立香に響一郎は簡単に説明し笑い飛ばしながらトライサイクロンを走らせていく。

向かうは塔の上に鎮座する謎の城。そこにこの特異点(せかい)の原因が分かる…。

 

だがそこへ、行く手を阻むかのように銃撃が迫りくる。

咄嗟に気付いた響一郎がハンドル操作で直撃を避けると、トライサイクロンを急停止。

襲撃者の正体を確かめると、二人の現れたのは……三騎の英霊。

黒の外套を纏い、極端に短い白髪に二丁の拳銃を構えた黒い肌の男。

魔獣じみた甲冑を身に纏い痛々しい程に刺の生えた槍を携える凶王。

漆黒の鎧に禍々しい光を放つ聖剣の黒騎士。

立ち塞がった三騎のサーヴァントを見て、立香は驚いた。

 

「あれはまさか…!」

「知ってるのか、立香?」

「ええ……でも、そんな、まさか……!」

 

彼らの姿を見て、かつての【彼ら】の事を思い返す。

二丁拳銃の男は、ある錬鉄の弓兵が「悪の敵」として堕ちた【アーチャーオルタ】。

魔獣の凶王は、クランの猛犬と謡われる英雄が「最悪の王」として歪められた【バーサーカーオルタ】。

最後の黒騎士は、かの騎士王の「冷酷な君主」としての一面を浮かばせた【セイバーオルタ】。

かつては強大な敵の一人として立ち塞がり、時には仲間として戦ってきたサーヴァント達だ。

今回の三騎が自分達を狙う敵としてやってきた事をなんとなく理解できた立香は少しビビるが、トライサイクロンから飛び降りた響一郎が恐れずに歩いていく。

 

「何処の誰だか知らないが、一つ教えてやる。この俺をそこら辺の奴らと一緒に見ていると、痛い目見るぞ」

「響一郎さん!?」

「問題ないさ。――――変身!トゥッ!」

 

響一郎は立ち止まると、左腕を斜め上に構え、右手で右腰のエナジーコンバーターを押し込み、タイフーンを起動。

そのまま両腕で円を描き、右腕をL字に構え同時に左手で左腰のエナジーコンバーターを押し込み、タイフーンの風車を回転。

そして高く跳躍し、黒い羽根と共に舞い降りて着地したのは…。

―――仮面ライダー3号、響一郎が変身した「歴史の闇から現れた仮面ライダー」。

3騎への歩みから駆け出しへ変わり、強く握りしめた拳を勢いよく殴りつけた…。

 

「――ハァ!」

「おっと…!」

 

まず先に動いたのは、セイバー・オルタ。

迫ってきたパンチを剣でいなし、その回転の勢いに体重を乗せ切り伏せる。

並の相手だったら既に真っ二つになっていた一撃を、3号は後ろへ飛びのいて避ける。

だがそこ銃弾が掠り当たり、次の瞬間銃撃が襲い掛かった。

 

「銃弾…あの黒い銃の!」

「ふん…ハァ!」

 

刃を取り付けた二丁拳銃をアーチャーオルタは再び銃弾を繰り出してく。

3号は飛んでくる銃撃を掻い潜り、間の距離を詰めていく。

 

「流石に3人相手だときついか…!!」

 

殴りかかろうとした瞬間、嫌な殺気を感じとって避けた。

その直後、激しい赤い一撃が先程まで3号がいた場所を抉り取る。

ミサイル弾頭の如き軌道を描きながら赤一撃を放ったその槍―――ゲイボルグは主の手元へ戻り、今度はバーサーカーオルタが自ら襲い掛かる。

 

「おいおい、マジか…タァ!」

 

槍捌きを回避しながら3号は拳による一撃をバーサーカーオルタに叩き込んでいく。

しかし、大半の攻撃は回避や防御され、まともに顔面に当たったかと思えば不敵な笑みを浮かべて反撃の応酬にかすめとる。

三騎のサーヴァントの異様な不気味さを感じ取った3号はいったん距離をとり、マスターの傍まで戻ってくる。

 

「大丈夫かライダー!」

「ああ、まだな。しかし、久しぶりに苦戦する相手に出会うとはな」

「あの三人の事は知ってる。三人とも一筋縄ではいかない……下手すると、こっちが負ける」

「流石の俺でも他のライダー相手立ち回れればよかったんだがな……」

 

仮面の裏で不敵な笑みを浮かべる3号だが、立香は嫌な予感を感じ取る。

彼ら三人を相手するのには一筋縄ではいかない……このままでは3対1でこちらが不利になるだろう。

しかし有効打にできる礼装を持っていない今の状態では、まともに変えられない。

せめて、戦闘特化のサーヴァントがこちらにもいれば……。

 

「立香、伏せろ!」

「ええ、…うわぁ!?」

 

3号の呼ばれ、立香は自身へと走り寄るセイバーオルタに気が付く。

セイバーオルタが黒く染まった聖剣を振り下ろそうとした瞬間……遮るように強烈な火柱が吹き上がる。

業火に吹き飛ばされるセイバーオルタ、代わりに立香の目の前に現れたのは、漆黒に衣装を身に着けた一人の少女。

 

「何してんのよ、黒騎士さま方。敵対するならまだしもお人形同然の状態なんて滑稽すぎて笑っちゃうわよ」

「君は…」

「また会ったわね、何度目かしら……まあいいわ。話はあとよ」

 

少女は自分をよく知る立香に対し、呆れにも似た笑みを浮かべながら敵に向き直る。

すぐ傍では3号がバーサーカーオルタと交戦しており、ギロリとした視線を向けて悪態をつく。

 

「なに?コイツがどんな土壇場で呼んだサーヴァントなのか顔拝みに来たけど、アンタもフルフェイス野郎なの」

「トゥ!……随分な言い口だなお嬢さん」

「フン、アンタのような男なんざ一人で十分なのよ」

 

3号を鼻で笑う少女は、竜の紋章があしらわれた旗を靡かせる。

向ってきたセイバーオルタを腰に携えた剣で切りつけ、高らかに名乗り上げる。

 

 

「我が名はジャンヌ・ダルク・オルタ、憎悪と復讐に燃やすアヴェンジャーのサーヴァントよ!」

 

 

ジャンヌ・ダルク・オルタ、とある特異点で聖杯を基に生まれた特殊なサーヴァント。

かつては敵同士だったが、とある事件がきっかけにより呼びかけに応じた仲間のサーヴァントとなった。

特に因縁のあるセイバーオルタと激しく対峙する。

 

遠くの方で狙うアーチャー・オルタ。立香を狙撃するべく銃の引き金を引く。

誰も相手に気を取られマスターが無謀な状況に気づいていない中、真っ直ぐ向かう銃弾は数ミリ迫りくる。

いよいよ立香に着弾する……その前にその姿は掻き消え、銃弾は空を切った。

 

「おっと、残念だったな錆鉄。あのマスターはこっちが回収させてもらった」

「ッ!!」

 

驚くアーチャーオルタの背後の方から現れたのは、マゼンタを基調とした仮面の戦士。

鬼のように歪んだ緑の複眼を持つソレの横には、抱えられた立香の姿があった。

 

「どうしたどうした、揃いも揃った英雄達が新参者に負けてるなんざおかしい話だ」

「え、これどういう状況!?てか、ピンクの仮面ライダー……!?」

「マゼンタだ。三原色のシアン、イエロー、マゼンタで有名なマゼンタだ。そこらへん間違えるなよ、少年」

 

一瞬の戸惑いに驚くマスターを適当にあしらう仮面の戦士は一枚のカードを取り出し、3号とジャンヌオルタに対し叫んだ。

 

「ジャンヌ!3号!ここから逃げるぞ!!」

「ハァ!?これからって時に!」

「…なんだか知らんが、策があるのか。乗ってやる」

 

 

【FINAL-ATTACK-RIDE!DE-DE-DE-DCADE!】

 

無数の光のカードが展開し、三騎のサーヴァントを捉える。

仮面の戦士が放った銃の一撃が光のカードをくぐりながら加速し、近づいていく。

セイバーオルタ、アーチャーオルタ、バーサーカーオルタはそれぞれの宝具を発動する。

 

「エクス…カリバー!!」

「『UNLIMITED LOST WORKS』」

「ゲイボルグッ!!」

 

騎士の放った漆黒の聖剣による黒い光の剣撃。

銃から放たれた一発の魔弾。

本来より強化された投擲による魔槍。

それぞれの必殺の一撃により、仮面の戦士の放った『ディメンションブラスト』を打ち砕いた。

やがて爆風が晴れると、そこに四人の姿は何処にもいない。

 

「……」

 

アーチャーオルタが無言のまま先程の仮面の戦士がいた場所を見つめる。

やがて興味がなくなったように視線を戻し、他のサーヴァント達と共にこの場から去って行く。

 

 

――――――

 

 

別方向に逃げた立香達と4人。廃墟の中でまだ小奇麗そうな場所を見つけ、そこに身を隠すことになる。

状況が落ち着き、立香はジャンヌ・オルタに話しかけてくる。

 

「ジャンヌ・オルタ!来てくれていた」

「あーら、マスター。なーに何処の馬とも知れない奴を引き連れてんのよ」

「いたたたたたた…」

 

ジャンヌ・オルタは睨み付けながら立香の両頬を捻る。

3号と共に行動していた彼の事をよく思っていなかったのか、しばらくそのやり取りを繰り広げる。

その一方で3号の仮面を取った響一郎がマゼンタの仮面の戦士と話し合っている。

 

「ところでで、お前は一体誰なんだ」

「ん?おれか?ご存じないってか」

「姿形だけなら似た存在を知っているが、どうにも別人に思えてな」

「別人か……まあ強ち間違いでもないし、名乗らせてもらうか」

 

そういうと、仮面の戦士は1枚のカードを取り出した。

そこに描かれていたのは自分と同じ姿の仮面ライダーで、名前には『DECADE』と書かれている。

何処か納得したような顔を浮かべる響一郎を不敵な笑みを示すと仮面の戦士は声を張って言った。

 

 

「通りすがりのサーヴァント、―――真名【仮面ライダー】。あえて言うなら【ディケイド・オルタ】とでも名乗っておこう。覚えておけ」

 

 




 
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