仮面ライダー×Fate/GrandOrder 残光記憶都市   作:地水

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 ジオウもとっくに終わり、ゼロワンが第2部へ続く中の最終決戦!


第5話

地上にて激闘を繰り広げている頃、城の最深部。

黄金の魔法使い・ソーサラーの登場によって、二人のライダーにより一層熾烈な戦いを極めていた。

 

【エクスプロージョン・ナウ】

「爆ぜてしまえ!ライダー!」

「とおぉぉ!どりゃああ!!」

 

ソーサラーの繰り出した魔力の塊を爆発させる魔法・エクスプロージョンを拳の風圧で打ち消し、鉄拳を叩き込む3号。

しかし、ソーサラーが空間同士を繋げる魔法・コネクトにより呼び出した戦斧・ディースハルバードにより防がれ、切り裂かれてしまう。

 

「ぐぅ!?」

「まだくたばってはこまるぞ。こちらには引き出しがいくらでもあるんだかな」

【トルネード・ナウ】

 

次に竜巻の魔法・トルネードを呼び出し、3号を軽々と吹き飛ばした。壁に叩きつけられようとするも3号は足場代わりに壁へと張り付き、高く跳躍して空中へと舞う。

大回転しながら繰り出したのは、かつて仮面ライダー1号が使っていたあの技。

 

「ライダースクリューキック!」

「なにっ!?」

 

3号は錐揉み回転しながら相手に飛び蹴りを放つライダーキック『ライダースクリューキック』を披露する。

躱せる余裕もなく真っ直ぐ放たれた技に防壁の魔法・ディフェンドを使ってまで防ぐしかなかった。

 

【ディフェンド・ナウ】

「くぅぅ!?小癪な!!」

【デュープ・ナウ】

【ライトニング・ナウ】

 

デュープにより五体へ分身、さらに5体同時に雷を放つ魔法・サンダーを使用。

5人のソーサラーから放たれる雷撃が3号へと襲い掛かる。

だが雷撃を食らいつつも近づいていき、ソーサラーの傍まで接近するとそのうち二体の体を掴み。

 

「―――ライダー二段返し!!」

「「ぐあああ!?」」

 

3号二体のソーサラーの身体をひっくり返し、他の二体ごと地面に叩きつける。

『ライダー二段返し』により分身だったソーサラーは空気に消えるように消滅し、事前に逃れていたソーサラーは仮面の下で睨み付ける。

 

「なんなんだその技は!」

「俺は元々1号ライダーと2号ライダーを倒すために生まれた仮面ライダーだ。ダブルライダーに対抗するためにその技を叩き込まれている」

「ハッ、伝説の仮面ライダーか!だが君のようなライダー見たことも聞いたこともない!」

「当然だ。俺は、歴史の中に消えるはずだった仮面ライダーだったからな」

 

3号は仮面の下で笑いながら、再びソーサラーとの交戦を再開した。

その二人が繰り広げる戦いに立香は息を呑む。

 

「凄い、これがライダー同士の戦いなのか……」

 

今までにも様々な特異点にてサーヴァント達を始めとした脅威たちとの戦いを見てきた。

だがそれのどれにも負けず劣らず目の前のライダー達の激闘は目を見張るものがあった。

一方、3号に蹴り飛ばされたソーサラーがタナトスの器に近づくと、そこ中へ手を突っ込み何かを取り出した。

―――それは、3号に似た顔立ちをしたデザインのウィザードリング。

 

「さて、そろそろ頃合いか」

「なんだ、それは…」

「いでよ!最強の仮面ライダー!」

 

【4号・プリーズ】

【ライダーライダーライダー!】

 

謎のウィザードリングをドライバーに通して発動させると、まず出てきたのは等身大ほどの巨大な魔法陣。

そこから出てきたのは、パイロットスーツのような戦闘服が特徴の謎の仮面ライダー。赤い複眼を輝かせ、3号へ視線を向けると、嬉しそうに口を開く。

 

「―――よぉ、兄弟。まさかこんな形で会うとはな」

「兄弟?貴様、何者だ」

「仮面ライダー4号、同じショッカーに作られたショッカーライダーさ」

 

謎の仮面ライダー……仮面ライダー4号の登場に3号は疑問符を浮かべるばかり。

無理もない、3号の存在が消えた後に作り出された仮面ライダーだからだ。

かつて共に戦ったライダー達が苦しめられたことにも、仮面ライダー3号……黒井響一郎にとって知る由はない。

 

「生憎、今の俺は仮面ライダーだ。お前のような悪魔の手先と一緒ではない!」

「そいつは残念だよ。だったら……倒すしかないよなぁ!」

 

4号は3号へ向かって勢いよく殴り掛かる。3号はその拳を止めるも、その勢いを相殺しきれず軽く吹っ飛ばされる。

立香のすぐそばの壁まで殴り飛ばされ、壁にめり込んだ3号に近づいて引き出す。

 

「ライダー!大丈夫か!」

「マスター來るんじゃない!隠れているんだ!」

「そうはいっても……!」

「おしゃべりの時間はないぞ」

【ブラスト・ナウ】

 

3号と立香へ向けて衝撃波を発生させ相手を吹き飛ばす魔法・ブラストを発動したソーサラー。

彼の放ったブラストの一撃が3号と立香に炸裂し、建物を突き抜けて軽く場外まで吹き飛ばされてしまう二人。

すぐさまやってきたソーサラーと4号に追い詰められ、ジリジリと距離を詰められてしまう。

 

「アッハハハハハ!よくもまぁ頑張ったものだ!ここに健闘したキミ達へ拍手を送りたいよ!」

「所詮はショッカーを裏切ったダブルクロス……これまでだ。過去の仮面ライダー」

 

嘲わらうソーサラーに、サムズダウンする4号。

強敵達がにじり寄るの中、3号の目の前に立香が前に出て彼をかばう。

 

「いやだ、まだ終わってない!」

「フン、戦えないマスターがよくもまあ吼えるものだ。魔法もこっちの方が腕だ」

「確かに俺は一般人で、俺しかマスターになれる人がいなかったからマスターやっている……正直、サーヴァントに頼らなきゃなんにもできない」

「…藤丸立香」

「それでも……」

 

ソーサラーに鼻で笑われ、3号に心配されようとも、彼は立ち続ける。

立香のその眼には夜空に輝く星のような強い輝きが秘めていた。

 

 

「俺には戻るべき場所がある!こんな俺でも助けたい人がいる!」

 

 

―――そうだ、思い出した。

あの時、謎の敵によって崩壊するカルデアから命からがら脱出した。

魔術王の企みを終えて、その後に起きたいくつもの亜種特異点を巡る旅を終えた俺達に待っていたのは、カルデアの崩壊と、かけがいのない仲間の損失。

正体不明の敵から何とか逃げ伸び、虚数空間へと逃げ伸びだ。

 

その時だ、意識だけがこの特異点にたどりついた。

どうにかして戻らなければ、マシュたちが待っているあの場所へ。

 

 

「俺は諦めたくない!俺の心は……止まってない!!」

 

 

その時だ、藤丸立香の元から一際眩い閃光が放たれる。

立香が何だと思って懐を探ると、そこにあったのは一枚のカード。

見覚えのある、確かディケイド・オルタが使っていたライダーカードと同じものだ。

閃光を放つそのカードは手元から宙に浮かび、何処からか発する声と共に効果が発揮される。

 

 

【Drive/Type・Trydron】

 

 

突如、赤い閃光が目の前を駆け抜け、ソーサラーと4号を蹴散らしていく。

何かが起こったのかと思っていると、目の前に突然一人の戦士が現れる。

その戦士は倒れている3号に手を伸ばすと彼に話しかける。

 

「立てるか?3号」

「お前は……!」

 

3号が見上げるとそこに立っていたのは、車を思わせるデザインを持った赤い仮面ライダー。

ドライブ・タイプトライドロン。

姿形はあの時と違えど、かつてショッカーライダーだった自分を救ってくれた男・泊進ノ介が変身する仮面ライダーだ。

ドライブは立香の方を見ると、気さくな様子で彼に話しかける。

 

「よぉ、少年。よく頑張ったな。あとは任せろ」

「アンタは……」

「仮面ライダードライブ!警察官だ!」

「……まさか、またこんな所でお前に出会えるとはな」

 

あの時叶わなかった、3号とドライブの共闘。

今、特異点という未知の領域によってここに実現は果たされた。

態勢を立て直したソーサラーと4号が目の前に立ちふさがる。

 

「ええい、一人増えた所で!」

「何処までも楽しませてくれるか、仮面ライダー!」

「いくぞ、今は俺達がダブルライダーだ!」

「ああ、今度は俺と一緒にひとっ走り付き合えよ!」

 

ドライブと3号、ソーサラーと4号、2対2のライダー同士の激闘の幕が今始まった。

 

まず最初にぶつかったのはドライブ・タイプトライドロンとソーサラー。

ハンドル剣とディースハルバードの刃がぶつかりあい、火花を散らす。

少しの間打ち合った後、いったん離れた両者は次の攻撃を仕掛けるために準備をする。

 

「来い!皆!」

【Come on!Burning solar!Road winter!Colorful commercial!】

【Tire!Kakimaze~ru!】

【Weather report!】

 

ドライブの左腕に個性豊かな三種類のタイヤがセットされ、胸部左側に一つのタイヤへと融合する。

そのタイヤから発せられる強烈な火炎と冷凍の光線がソーサラーに襲い掛かる。

対してソーサラーはウィザードリングによって呼び出した光球を放ち、打ち消そうとする。

 

【イエス!バニッシュストライク!アンダースタン!?】

「これでジ・エンドだ!」

 

ソーサラーの【バニッシュストライク】とドライブの【ウェザーリポート】がぶつかり合う。

暫しの間拮抗した後、光球を相殺したドライブは次の一手を叩き込む。

 

【Come on!Masseur monster!Hulking wrecker!Decotraveler!】

【Tire!Kakimaze~ru!】

【Tough guy】

「―――おっりゃああああ!!」

「なんだと、ぐあああああ!?」

 

新たな融合したタイヤにタイヤコウカンしたドライブが、ラリアットの要領で構えた左腕をソーサラーへと叩き込む。

予想外の攻撃に受け身を取る事が出来ず、ソーサラーは吹っ飛ばされてしまう。

 

一方、3号と4号は互いに格闘メインの空中戦を行っていた。

4号は自身の持つ飛行能力を駆使して、3号は両腰の供えられたコンバーターを噴射させ、空高く飛びぶつかり合う。

やがて必殺の一撃を叩き込まんと拳を相手目掛けて突き出した。

 

「「ライダーパンチ!」」

 

ぶつかりあう両者のライダーパンチ。

しばしの力による競り合いの後、4号が押し通して3号を殴り飛ばす。

だが、3号も負けじと4号の伸ばした腕を掴み、そのまま抱え上げた状態で力任せに投げ飛ばした。

 

「ライダァー……きりもみシュート!!」

「なにぃ!?」

 

竜巻に巻き込まれたかのように舞い上がっていく4号は脱出もできず、地面に叩きつけられる。

鈍い機械音を鳴らしながら立ち上がる4号は、同時期に生まれたはずの3号に対して驚愕を隠せなかった。

 

「バカな、何処からそんな力が」

「生憎だったな、それが俺とお前との差だ」

「なに…?」

「ダブルライダーを倒したあの時から、何十年もかけて曲がりなりにも戦ってきたんだ。後悔の念に押しつぶされながらな」

 

決意の籠った言葉を言い放ち、拳を振るい放つ4号。

その裏で思い起こされるのはゲルショッカーの戦いを終えた1号・2号を倒した自分の光景だった。

自分が犯した罪に長年苛まれながらも、その罪と向き合うためにダブルライダーの技を磨いてきた。

 

「だから負けるわけにはいかないんだ。あの二人が、仮面ライダーが背負ってきたものを今度が俺が背負うために!」

 

幾度の拳を混じり合わせ、4号の仮面に拳がめり込み、ソーサラーの元まで殴り飛ばされた。

並び立った3号とドライブ、彼らは必殺の一撃を放つために構えを取る。

 

「いくぞ、ドライブ」

「ああ、これで決める!」

 

 

「ライダァーキック!」

【Hissa-tsu!Full Throttle!】

「どりゃあああああ!」

 

頭上へ高く飛び上がり、必殺の蹴りを繰り出した3号・ドライブのダブルライダー。

負けじとソーサラーは『ストライク・ジエンド』を発動、4号も飛び上がり『ライダーキック』を繰り出した。

ぶつかり合う技と技、互いに火花と衝撃を散らしながら拮抗する両者。

だが徐々にソーサラーと4号が押し始め、徐々に勢いが削がれていく。

 

このまま撃ち負けてしまうのか……そう思った時、背を向けていた方から声が聞こえてきた。

 

 

「―――令呪を以て命ずる!勝ってくれ、ライダー!」

 

 

物陰に隠れ、今まで見守っていた藤丸立香が前に出て、差し出した手に宿る令呪が光り輝いた。

令呪の一角の消費により力が流れ込み、3号のライダーキックの勢いが増していく。

 

 

「「うおおおおおおお!!!」」

 

 

ドライブの『トライドロップ』と、3号の『ライダーキック』、二大ライダーの必殺の蹴りが推し通ってソーサラーと4号の一撃を退かせた。

蹴り飛ばされた二人は、部屋の壁を打ち破り、そのまま高所から放り出される。

 

「なん……だと…!」

「馬鹿な…またしてもっ!!」

 

霊核を砕かれ、身体が罅割れ爆発した後に金色と粒子消えていくソーサラー。

4号も召喚元が消え去り、身体が透き通っていき消滅する。

 

敵を打倒した今、並び立った両者は互いの顔を見合わせる。

 

「終わったな……」

「ああ……」

「……いくのか?」

「俺がここにいる必要はもうないからな。じゃあな」

 

 

短いやり取りを終え、振り返って歩いていくドライブ。

その先にいたのは、藤丸立香。

彼の方に手を乗せ、気楽な感じの言葉をかける。

 

「ありがとな、アイツと一緒にいてくれて」

「ああ、どうも……?」

「次はお前達が守る番だ。頑張れよ」

「え、それはどういう……」

 

立香が聞き返す前にドライブは自分の役目が終えたかのように目の前から消えてしまう。

 

それと同時に、グラりと部屋全体を大きな振動が襲う。

なんらかの地震か?いや違う、この世界を創ったキャスターがいなくなった今、この特異点が維持できなくなってしまったのだ。

それを証明するかのように突き破った穴の向こうから広がる街並みの向こうの端から崩れ消えていくのが見える。

飲み込まれればひとたまりもない事は明白だった。

 

「ヤバイ、ライダー逃げよう!」

「待て、立香。お前が行くのは俺とじゃない」

「え、何を…」

 

立香が3号の元へ駆け寄ろうとした時、突如伸びた手が首根っこを掴まれた。

そのまま3号は、そのまま頭上へ飛び上がって拳で天井を突き破る。

やがて城の一番高い屋根の上までたどり着くと、彼は立香を抱き上げ、彼にこう言った。

 

 

「じゃあな、立香。人類最後のマスター……お前は、お前のやるべきことをやり通せ」

 

 

3号はそう告げた後、立香を真上目掛けて両腕で空高く投げ飛ばす。

立香は高く高く舞い上がっていき、……突如現れた『孔』の向こうへと消えていった。

 

最後に目に映ったのは、必死に手を伸ばす立香の姿だった。

 

「―――ライダァーーーーー!!!」

 

 

 

「たっく、2度目もそう、悪くはなかったな」

 

仮面を外し、この世界から旅立ったマスターを見送った黒井響一郎は、消えていく特異点の中でただ一人そう呟いたのだった。

 

 

 

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