翼を広げた黒い鷹   作:フォード2

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4人目のインタビューは第11話から第12話までです。


第11話 アポロ作戦(4人目)

俺はアポロ作戦についてインタビューを受けることになった。インタビューを受ける前にインタビュアーに言いたいことがある。ティターンズの評価についてな。

 

「俺はティターンズに所属していた。ティターンズといえば悪魔のような集団に思われているが、それは違うぜ。隊員は血が通った人間だったな。ティターンズの隊員にも人の心があった事を知ってほしい」

 

・アポロ作戦についてお話を聞かしてほしいのですが?

 

「アポロ作戦にティターンズが投入した戦力は『ドゴス・ギア』と『アレキサンドリア』が1隻、サラミス改級が2隻だった。この作戦にはジオン共和国からムサイ改級3隻とハイザックも派遣されていた」

 

「俺はこの作戦に『ドゴス・ギア』の乗組員として参加したんだ。シロッコも見たことあるぜ。木星帰りの男の名は艦内でも話題になっていたぐらいだ」

 

「アポロ作戦はティターンズ艦隊による威嚇射撃から始まった。ティターンズはフォン・ブラウン市を拠点にする予定だったからな。あえて、市の周辺部にビームと長距離ミサイルを撃ち込んだのさ」

 

「シロッコはフォン・ブラウン市の制空権に入ってからようやくモビルスーツを発進させたんだ。戦力を温存した状態で降下したかったんじゃないか。まぁ、単艦で月面都市を制圧するなんて今までなかった作戦だよな」

 

「結局、漁夫の利を得たのはシロッコだったよ。シロッコは『アレキサンドリア』がエゥーゴを引き付けている間を狙って一気に降下したんだ。降下すればエゥーゴが手を出せないと知っていたからな」

 

 

・フォン・ブラウン市を占領した目的は?

 

「あの場所は『フォン・ブラウンを制するものは宇宙を制する』と言われるほどの場所だぜ。フォンブラウン市は月で最大規模の月面都市で、政治と経済の中心地だからな」

 

「フォン・ブラウン市は人類が初めて月に降り立った記念すべき場所だ。アポロ11号のアームストロング大佐は旧世紀の偉人として有名だろ。市の最上部にはアームストロング広場もあるんだぜ」

 

 

・シロッコはどのような人物でしたか?

 

「指揮能力は抜群にあるが、人情がなかったと思うな。それにしても、ドゴス・ギア級1隻でフォン・ブラウン市を制圧する作戦は見事だったよ。単艦での制圧などあまり例がないから。シロッコの優れた指揮能力ぶりをエゥーゴに見せつけた作戦だったな」

 

「さっき、俺はシロッコに人情がないと言ったな。あれはシロッコがエゥーゴに補足された部隊を援護しなかった事を言ったんだ。見兼ねたパイロットが単独で発進しても止めようもしなかった。パイロットのやりたいようにやらせる放任主義的な所もあったよ」

 

 

 


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