翼を広げた黒い鷹   作:フォード2

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第12話 隊員の懺悔

ティターンズを退役した軍人から連絡がきた。それはティターンズについてインタビューを受けないかという誘いだった。俺はすぐに承諾した。隊員の真実を伝えたかったからだ。

 

・なぜ、若者はティターンズに入りたがったのですか?

 

「ティターンズに入ると地位と名誉が手に入ったからじゃないか。ティターンズは連邦軍より1階級上の扱いを受けたし、エリートとして世間から認められた。それに、月での有給休暇が3日余分にもらえたからな」

 

「俺が隊員から聞いた話だが、実戦で腕を伸ばせるからという理由でティターンズに入った奴がいる。地球の平和と安定を守るという使命感に燃えた若者もいた。ジオンへの復讐のために入った奴もいたらしいな」

 

・ティターンズに入るために条件がありましたか?

 

「まず、前提条件として地球出身者であることが求められたな。ティターンズに入隊した軍人の中には、1年戦争を生き残ったベテランパイロット、功績をあげてスカウトされた人、志願書を書いて入隊した若者がいたよ」

 

「ティターンズはジオン公国軍の残党狩りが主な任務だった。他にも、連邦政府に対する反政府運動やデモ活動、テロや労働組合がおこした暴動を鎮圧していたな」

 

「ティターンズは地球の平和と治安を維持するために結成された。俺はティターンズの正義を信じて戦ったんだ。自分達の行動が正義だと信じて疑わなかった。地球圏に平和をもたらそうと必死に努力していたよ」

 

・ティターンズの悪行についてどう思いますか?

 

「いつから、ティターンズはジオンと同じ事をしていたのかと思うな。まるで、ジオンの再来じゃないかと感じたよ。コロニー内で毒ガスを使い、コロニー落としを月のグラナダでやったり、コロニーレーザーでコロニーを破壊したりな」

 

「ティターンズが変わったと感じたのはスペースノイドを敵視するようになってからだ。我々はエゥーゴを支持していたサイド2に集中攻撃をしていたからな。我々は18バンチをコロニーレーザーで破壊し、21バンチを毒ガスで攻撃している」

 

「あのような作戦を考えた上官は、バスク大佐とジャマイカン少佐だ。ティターンズの隊員は上からの命令で毒ガスを使ったんだ。誰が、あのような残酷な作戦を実行したいと思うんだ。内心は嫌がっていただろうよ」

 

「バスク大佐とジャマイカン少佐はグリプス戦役で戦死している。作戦の責任を取るべきやつはもうこの世にはいないんだ。今は、作戦を実行した隊員が法廷で罪を問われている。悲しいことにな」

 

(4人目のインタビューは終わり)

 


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