翼を広げた黒い鷹   作:フォード2

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第16話 組織の裏切り者(8人目)

昔、ぼくはティターンズという組織に属していた。ぼくは組織の実態を知った後にティターンズから脱走したんだ。結果的に良かったと思っている。

 

「ぼくにはティターンズに所属していた時期がありました。それは約2年と短い期間でしたがね。ぼくはティターンズから脱走した事を後悔していません。むしろ、良かったと思います。ぼくは今も連邦軍でばりばりに働いています。ティターンズに最後までいた人とは違ってね」

 

「ぼくはティターンズを脱走した後、エゥーゴに行きました。その当時は連邦軍に戻るという選択肢は無かったのです。もう後がないので当時は生きるために必死でした。がむしゃらに訓練して生き残びれるだけの技量を身に付けましたね」

 

「グリプス戦役以前のエゥーゴは貧しい組織でした。エゥーゴには何もかも不足していたのです。宇宙戦艦、モビルスーツ、パイロットなどの戦いに必要なものが何にも揃っていなかった」

 

・エゥーゴ時代に不安だったことは?

 

「ティターンズの連中から見れば、ぼくは立派な裏切り者ですね。エゥーゴ時代も信頼できる人しか過去を明かすことはなかったです。今日のインタビューも匿名を条件としたのでここまで来ました」

 

「エゥーゴ時代は月やコロニーで知った顔に出くわさないか不安でした。外出する時も拳銃も手放すことはしなかったぐらいです。ティターンズはエゥーゴを反乱分子と見ていましたから。見つかれば射殺されると考えていました」

 

・そもそも、あなたがティターンズに入隊した理由は?

 

「そうですね。ぼくはエリートになりたかったんです。みんなから尊敬を受け、羨望の眼ざしで見られたいと思っていました。英雄やヒーローに憧れていたんです。今となっては若気の至りですね。特に深い理由はないのですよ。がっかりしないで下さいね」

 

・ティターンズと言えば何を思い浮かべますか?

 

「ティターンズと言えば、ドナ・スターが有名ですね。ええ、彼は連邦軍の幹部夫妻をテロリストから救ったパイロットです。彼は命令違反を行ってまで幹部夫妻を救ったそうですね。彼は『バイアラン』という単独で飛行できるモビルスーツに乗っていたそうです」

 

「ドキュメンタリーによると、幹部夫妻は『セイバーフィッシュ』に乗ったテロリストに護衛の『TINコッド』を撃墜され、危機的な状況に陥っていました。そこに、ドナ・スターが操縦する『バイアラン』が現れたのです。ドナ・スター少佐はあっという間にテロリストを蹴散らし、夫妻の命を救いました」

 

 


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