私はある知人の紹介でインタビューを受けることになった。聞けば、ティターンズ元隊員に話を聞き回っているという。私は軽い気持ちでインタビューを承諾した。
最初に、インタビュアーはティターンズに入ったきっかけを聞いてきた。まずは1年戦争でジオンと戦ったことから話そうと思う。次にティターンズ時代に経験したことを伝えよう。
「自分は1年戦争で家族と友人を亡くしたスペースノイドです。家族を失った恨みをジオンにぶつけるために地球連邦軍に入隊しました。軍に入隊した時、自分はまだ20歳を越えたばかりでした」
「1年戦争では、ソロモンとア・バオア・クーでジオン公国相手に戦いました。自分はジムに乗っていましたが、元々は戦闘機乗りです。ルナツーに所属していた時は『セイバーフイッシュ』と『トリアーエズ』が愛機でした」
「自分はグリプス戦役の時にティターンズに入隊しています。でも、ティターンズ隊員の大半が地球出身者だったので、自分は肩身が狭い思いをしまいました」
「ティターンズ時代、私は地球ではアッシマー、宇宙ではギャプランに乗ってました。自分はGに耐えられる耐G特性に優れた体質だったので、可変機ばかりに乗ってましたよ。空を飛ぶ時は自由を満喫できましたね」
インタビュアーに、シャア・アズナブルによる演説を聞きましたかと聞かれた。当時はクワトロ・バジーナ大尉と名乗っていた人物、かっては赤い彗星と呼ばれた1年戦争のエースパイロットだ。
私はダカールで演説が行われた日を思い出していた。あの演説がきっかけでティターンズのイメージが悪くなり、人々の心が離れていったと私は思っている。
「演説は聞きましたよ。エゥーゴの軍人による演説が生中継されていました。でも、我々はダカールに侵入したエゥーゴにスクランブル発進をかけたので、演説は途中までしか聞いていません」
「そうそう、ダカール守備隊時代の同僚に印象に残った中尉がいました。味方のハイザックに突進したり、Zガンダムをかばってバイアランに撃たれたパイロットがいました。始末書物の行動ですよ」
「同僚の名はアジス中尉、彼はまじめで穏やかなアッシマーのパイロットでした。彼は撃墜された僚機が住宅街に墜落しないように支えていましたね。僚機のマイクは無事に脱出したようですが」
「彼はジャミトフの思想や言葉を受け売りしていました。彼は『正しく全てを統括していける軍が必要』と言っていましたが、人の意見に流されやすい性格でしょうね」