翼を広げた黒い鷹   作:フォード2

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3人目のインタビューです。第7話から第9話まで続きます。


第7話 デラーズ紛争 (3人目)

オレはデラーズ紛争でジオン残党と戦った経歴を持つ地球連邦軍のパイロットだ。今日、オレは人生で初めてインタビューを受けることになった。

 

インタビュアーが、あなたにとってデラーズ紛争は何だったのかと聞いている。オレは結論から言うことにした。

 

「デラーズ紛争は、ジオン残党どもがコンペイ島で核を使い、地球の北アメリカにコロニーを落とした事件だった。オレはジム改に乗ってジオンと戦ったんだ。この事件がティターンズ結成のきっかけになった事は有名だ」

 

「デラーズ紛争は無様な戦争だった。オレ達はデラーズに一杯食わされたんだ。まさか、奪われたコロニーの目標が地球だとは思わなかった。連邦のお偉いさん達は、ジャブローに落下すると予測していたらしいが、実際は北アメリカだったな」

 

「コロニーが月軌道に乗った時点で、フォンブラウン市に落下すると連邦軍の誰もが考えていた。オレ達は奴らに意表を突かれたんだ。奴らを目の前にして艦隊はデラーズの追撃ができなくなったのさ」

 

・デラーズフリートを追撃できなくなった理由は?

 

「ヘポン艦隊が推進材を使い果たして動けなくなったからだ。オレ達はコンペイトウから月までデラーズを追いかけていたからな。補給を終えるまでテロリストどもの追撃を断念する破目になった」

 

「地球連邦軍は3年ぶりの観艦式をコンペイトウでやっていたな。コンペイトウはジオンがソロモンと呼んていた宇宙要塞だ。ジオンが放った核バズーカで艦隊の3分の2が動けなくなったんだ。だが、オレの艦は幸運にも生き残っていた。オレは神を信じたくなったよ」

 

「デラーズフリートはザク2とリックドムを使っていたな。どちらも旧式のモビルスーツで、マシンガンやバズーカを装備していた。観艦式が始まるまでに37機以上が撃墜されたらしいな。散発的な攻撃で我々の気をそらす事が狙いだったらしいが」

 

・観艦式についての詳しい話を聞かしてください

 

「観艦式はグリーン・ワイアット大将による演説から始まった。ワイアット大将は白色の〈バーミンガム〉に乗っていたな。核兵器が爆発した時、コンペイトウ周辺は白い光に包まれた。光か収まった時には戦艦の残骸が辺り一面に散らばっていたよ」

 

・ジオン残党がガンダムを奪ったという噂がありますね

 

「連邦軍がガンダムを開発していたのは事実だ。オレはデラーズの演説で見たことがある。悪人顔のガンダムだった。デラーズは核兵器を使えるとも言っていたな。ジオンにガンダムを奪われるとは連邦軍も情けない」

 

・テラーズフリートの最後について知っている事を教えて下さい?

 

「デラーズフリートは、地球艦隊とヘポン艦隊で挟み撃ちにした。やつらは降伏勧告を無視したからな。大型モビルアーマが艦隊めがけて突っ込んできたが、最後は戦艦のブリッジに突撃して果てたよ。残存部隊のザク2とリックドムは必死に脱出を図っていたな」

 

「やつらは生き延びるために必死に戦っていたな。オレはザクがヒートホークでジム改に斬りかかる瞬間を見た。やつらは、ぼろぼろの機体で連邦軍に立ち向かっていったよ。デラーズ紛争で敵を5機撃墜してエースパイロットになった人もいる。オレか、オレはザク2機撃墜したな」

 

 

 

 


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