お前なんで俺ん家にいんの?   作:アナタは

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にゃにゃにゃにゃーん

 

 

 

 

吾輩は人間である。

名前は加藤 虎之助。決して猫ではない、寧ろ虎なのだがいつも幼馴染は吾輩に猫じゃらしをぶつけてくる。ぶつけてくる。大事なことなので2度言った。もはやあやつの頭がどうなっているのかとんと見当もつかぬ。何でも「虎もネコ科の動物よ」と言っていたのは記憶している。大前提として俺は人間だと何度もいっているのだが。

 

 

「にゃーにゃー」

「…………」

「にゃーにゃー」

「……あのね、俺人間なんだけど(4632回目)」

「にゃにゃ?にゃー」

 

 

駄目だこいつ早く何とかしないと。

真顔でにゃーにゃー言いながら猫じゃらしを顔面にペシペシしてくる我が幼馴染はこてん、と首を傾げている。無駄に可愛いからまたそれがムカつく。きっと幼馴染で見慣れてなければ即死だった。こやつが猫好きなのは周知の事実なのだが本人は隠し通せているつもりらしい。まぁご覧の通り俺には隠す気もないようだが。

 

「っていい加減こしょばいわ!」

「あら、虎之助じゃない。気づかなかったわ」

「テメェの目ん玉はビー玉か」

「……何言ってるの?もしそう見えるのなら病院に行く事をおすすめするわ」

「比喩だよ比喩!ガチトーンで喋んな!」

 

この少し頭のネジが外れた猫大好き人間こと湊友希那。知る人ぞ知るRoseliaのボーカルである。クールビューティや天然ポンコツのイメージが強い彼女だが俺の前だと基本こんなんである。昔からこんなんだから俺の目にはライブや練習中の友希那を見ると誰だコイツ?感がヤバい。

少し信じられなくなって終わった後に友希那の元に赴くとすげー勢いでディスられて基本俺のメンタルがブレイクされてそのまま引き返す事になる。

あのRoseliaのメンバー達の唖然とした顔、今でも思い出せるわ。あっもう1人の幼馴染のリサだけは苦笑いしてたな。というか基本リサがいないと俺と友希那の会話は成立しない。のにここにリサがいない、さて何故でしょう?

 

 

 

 

Q.リサはなんでいないの?

 

A.リサ呼ぶとか以前に寝て起きたら目の前に友希那が居た

 

 

 

 

 

あえて言わせてもらおう。

なんでやねんと。

 

 

 

 

「ていうかさ、何でいんの?」

「あら?私がいたら何か不都合でもあるの?」

「めっちゃあるから。問題しかないから」

 

プライバシーとか間違いが起こる可能性が微レ存とか。

 

「あとさ」

「何かしら」

「なんでベッド入ってるん?」

「何かもんだ」

「だから問題しかねぇんだよっ!」

 

ガバッ、と起き上がり掛け布団をぶっ飛ばす。何、馬鹿なの?アホなの?あっ、馬鹿だしアホだったわ。

 

「もう、髪が乱れるじゃない」

「うっせーわ!」

 

何処か不満げにこちらを見てふぁさー、と手で髪を靡かせる姿が無駄に様になっててムカつく。心なしか部屋全体が友希那がいるせいでいい匂いになってる気がする。幾ら幼馴染といえどもお互いに身も心も成長し思春期に入った男には色々と毒でしかない。それに我が幼馴染2人は昔も可愛いとは思っていたがめっさ美しくなり流石にここまでの接近を許すと昔との差もあって意識しざるを得ない。

 

「顔が赤いわよ?」

「うるせーよ。あーあ、暑いわ空気変えよー」

 

くそ、男の純情弄びやがって。不貞腐れるように窓を開けにいく俺を見て何処と無く機嫌が良さげな友希那。そんなに俺苛めて楽しい?ねぇ?

 

 

 

「ねぇ」

「なんだ……ってうおっ!?」

 

 

やわらか……って違うそうじゃなくて!

 

「……何してるの?」

「分からない?」

「いや分からないから聞いてんだけど」

「そう」

 

それだけいって柔らかい感触が俺の身体から消失する。いや本当になんなん?

 

「なに?」

「いんや、なんにも」

 

ほんとコイツの前だと調子狂うよなぁ。昔はもっと素直で俺の後ろを金魚のフンみたい付いてきて可愛かったのに。何処でこんなにも拗れてしまったんだろう。

はぁ、とため息を吐いてそのまま歩いて行こうとすると唇にぴとっと人差し指を押し当てられる。

突然過ぎて頭に?が大量に浮かんでいる時に相変わらずの無表情で。

 

「ばーか」

 

と真正面から言われる。それだけ言うとすすーっと早足で俺の横を通り過ぎて部屋から出て行った。

…………。いや、ほんとなんなの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でさ」

「何かしら?」

「なんでまだいんの?」

「何か問題でもあるのかしら?」

「問題しか……いや特に問題ねぇわ」

 

 

1階に降りて朝食を食べようと席について隣を見たら友希那がいた。なんでいんねん、ていうかなんで隣に座っとんねん。とか問題あるやろと思ったけど特に何も無かったので朝食を食べることにする。

食パンをむしゃむしゃしながら様子を伺うと優雅に紅茶を飲む友希那はまた無駄に様になっている。あれだよな、可愛いというか美人は何しても絵になる。まぁ黙っている分には無害だし。

 

 

珍しい事に俺が朝食を終えるまで友希那は特に何をすることも無く黙って座っているだけだった。んー、今日は大人しいな。良きかな良きかな。

そして立とうとすると服が引っ張られて何事かと確認すると、ちょこんと俺のパーカーの裾を引っ張る友希那と目が合った。あ、ここで仕掛けてくるのか。

うん、相変わらずの無表情ですね。全く何考えてんだか分からん。

 

………………。

 

 

「いや喋れよ」

「はぁ、ほんと使えないわね」

「幼馴染だからってアイコンタクトだけじゃ何もかも分かるわけじゃないから」

「トクサネシティのジムリーダーは何もしなくとも意思疎通が出来るわ」

「いやアイツら幼馴染じゃなくて双子だし」

「幼馴染も双子も似たようなものよ」

「どこが!?」

 

未だにアイコンタクトで訴えかけて来る友希那。いや分からんて。おい裾をくいくい引っ張んな。

 

「ほんとに分からない?」

「あぁ、分からん」

「……そう」

 

それだけ言うと裾から手を離してくれた。

何だよ、そんな残念そうな顔されると俺が悪いみたいなんだけど。

我ながら甘いなと思いつつどうしてもこんな顔をされると本当にいたたまれなくなる。何かせねばと思い立って咄嗟に出たのは我が相棒の右手。登って登って友希那の頭にぽんぽんっと着地する。

 

「何だか分かんねぇが悪かったって。そんな顔すんなよ」

「…………」

 

いやなんか喋ってよ恥ずかしいじゃん。

なんか1人で悶えているとガタン、と椅子から勢いよく立った友希那は何だか赤くなった顔で。

 

「こ、これで勝ったとは思わない事ね!」

「えぇ……」

 

えぇ……。それだけ言い放つとそそくさとリビングを出てってしまう。僅かに口元が笑っていたような気がしたのは気の所為かな?まぁ気の所為だろうな。

 

 

 

 




加藤 虎之助
猫っぽい名前な本作のオリ主。
今井リサと湊友希那とは幼馴染。
友希那に抱き着かれてもドキドキしないがリサに抱き着かれると割とドキドキするらしい。
仕方がないね、男の子だもの。
天然無自覚フラグメーカー。いつか背中さされる。さされろ。

湊友希那
オリ主の幼馴染。
ツンデレツンツンツンツン。素直になれない系女子。
あれは全て照れ隠し。帰ってからひたすら悶えて落ち込む。
頑張ってアピールするも気が付いてくれなくておこ、最近毎朝牛乳を飲むようになったらしい。

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