お前なんで俺ん家にいんの?   作:アナタは

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きっと寝惚けるとこんな感じ。


裸とポテトと時々ニーソ

エロゲやラノベによくありがちなシチュエーションってなんだろうって考えた時に良く思い付くのはなんだろうか。

 

なんなら俺はそれに関して熱い議論を1日語れる自信があるのだがそれはまたの機会に置いておく。

まず大定番といえば街角食パンアタック。そしてそこに荷物をぶちまけて間違えてお互いの荷物が入れ替わったり、パンツが見えてしまうラッキースケベであったりが追加で発生する訳だ。まぁ今は食パンがなくて普通にぶつかるパターンが多いが真っ先に思い浮かぶと言えばこれだろう。

 

そして次に浮かぶのが朝イベントである。

これは妹や幼馴染が起こしに来てくれたりその際にラッキースケベや同じベッドに添い寝だとかのイベントが発生するわけなのだが。

 

 

「んっ……」

「………………」

 

 

起きたら裸の女の子が同じベッドの中にいるでござる。

何を言ってるか(ry

いやもう誰が居て何が起こっても驚かねぇって思ってたけど無理でした。いや、俺も裸だけなら「嫁入り前の娘がなにやってんだよー(震え声)」と余裕を持って対応出来ていただろう。余裕ねぇじゃんとは言ってはいけない童貞だもん。

裸は確かに美しい。だがしかし、だがしかし!

もっとも萌え要素がないと言っていいだろう。その事に関して後2日は語れそうだが文字数が頭おかしくなりそうなので今回は誠に残念ではあるが置いておく。まぁそんなわけで俺は内心落ち着いていられるという訳だ。

(友希那とリサで慣れたとか言えない)

 

なのだがこの俺のベッドですやすやしてやがるこの不法侵入者は裸に見えて少し違う。この足に伝わってくる少しざらついた感覚。間違いない、コイツ裸にニーソだけ履いてやがるっ!?なんて凶悪な組み合わせを……

 

ありがとうございます!ありがとうございます!

 

刺身に醤油、おすぎにピーコ、彩ちゃんにエゴサ、裸にニーソとはよく言ったものだ。

そんな俺の1人で悶々としてる内心を知ってか知らずか水色の髪をしたこのテロリストが薄らと目を開けて寝惚けてとろんとした目で此方を見詰めてくる。

 

 

「おま、マジで何してんの?」

「んー」

 

 

ギュッと強く抱き着いてくる。むぎゅーっと効果音でも付きそうなぐらいに強く抱き締められる俺は今無我の境地で全ての感覚をシャットダウン。リサで慣れてなければ即死だった。嬉しそうにやたらと身体を擦り付けてくるこの不法侵入者。

取り敢えず質問に答えてくれると嬉しいな。嬉しいかなぁ。

 

 

「取り敢えず離れろって……」

「んふー」

 

 

お願いします。日本語で喋って。

多分これ何言っても意味無いやつだ、そう悟った俺は喋る事と考える事をやめた。

暫く無我の境地で素数を数えていると何だかさっきまでやたらと身体を擦り付けてきていたのにそれが止まって、いや小刻みに震え始めた。

あぁ、なるほど。

 

「おきました?」

 

コクコクと頷く水色の人。

 

「じゃあ取り敢えず、服着て貰えません?」

 

めっちゃ顔を赤くして無言で頷く水色の人ならぬ氷川姉。妹じゃなくて姉ときたか。ていうかそんな死ぬほど恥ずかしそうにするならなんでやってんだよギャップ萌で殺す気かよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきから沈黙が痛い。

忙しなく視線を泳がせている俺の前で正座をしている女の子は氷川 紗夜。俺の幼馴染である友希那とリサと同じRoseliaに所属するメンバーの1人。

超真面目で何でも手を抜くことも無く鬼の風紀委員として我が学園でもその手腕を持て余す事なく振るっている。あのくっそ真面目で練習もストイック過ぎて引くぐらいの、あの氷川姉が何故あんなとち狂った事をしでかしたのか。

いや、もしかしたら夢なのかも。頬を抓るが普通に痛い。ふむ、夢ではないらしい。

 

 

「あのっ!」

 

先に沈黙を破ったのは氷川姉だった。顔は耳まで真っ赤で目線もさっきから泳ぎっぱなしだ。

 

「えっと……あれはですね……親しい男女は皆あの様な事をするのだと聞いて……」

 

親しい男女(恋人)ですね。間違ってはないけど根本的に色々と間違ってる。確かにやたらとファミレスに誘われるが対応が塩だし、仲が良いとそう思ってくれているのは嬉しいがやはり乙女心は謎である。幼馴染達がお世話になってるしなんか出来ないかなぁと何度も家に招いてご飯作ってあげたりもした。まぁ確かに仲は悪くは無い、と思う。

まぁ初回は、「……通報しますよ?」と割とガチトーンで言われたのだが何とか誤解を解いてご馳走になって頂いた。いやぁ、やっぱり決めてはポテトでしたね。今でも偶に「だから虎之助くんは……」としょっちゅうありがたーいお言葉を頂戴している。主に女の子にどうたらーとか気をつけろーとか。ふむ、よくわからん。

そんな訳で俺の中ではThe風紀委員でクソ真面目が定着している氷川姉なのだがこの奇行はいったい?

まぁどうせ日菜に何かしら吹き込まれたんだろう。この人へんな所で抜けてるから。

 

 

「けど俺達そんな仲(恋人)じゃないだろ?」

 

まぁ実際違うし。

 

「そ、そんな。私はそうだと(友達)思っていたのに……」

 

んんっ?

 

「私っ、ごめんなさいっ!?」

 

ぽろぽろと涙を流し耐え切れなくなったのか勢いよく立ち上がって逃げるように扉の方へ走っていく。

え、え?なぜに泣くんですと?

脳内でパニックになっていた俺だが今氷川姉を帰してしまってはいけない事だけは何となく理解出来たので咄嗟に腕を掴んだ。うっわ、めっちゃさらさらやん。って違う違う。

 

「は、離してっ!わたし……わたし」

「ちょ、ちょっと待ってくれ!確かに俺達はそういう仲(恋人)じゃない」

「っ!?」

 

えぇ……。

そこで何でめっちゃ辛そうな顔するんですかねぇ。けどここで何か言わなければ絶対に後で後悔する。だから何か言わなくては。

出来の悪い俺の頭をフル回転させて俺は口を開いた。

 

「けど、そういうのじゃないだろ?そんなんじゃなくてさもっと親しいというか……」

「もっと……親しい(恋人→夫婦)?」

「お、おうそうだとも。俺達そういう感じだろ?」

 

ジャイアン風に言うならば友達じゃなくて心の友的な?友達より取り敢えず上的な?安心してくれ、俺も自分で何言ってるかわからん。

 

 

「そ、そんな……虎之助くん、私たちまだ高校生ですし……」

「お、おう?そうだな、けどそういうのって高校生だとか関係ないだろ?」

 

 

そう言うと唖然とした顔のまま氷川姉はぽろぽろとまた涙を流し始め「虎之助くんっ!」と満面の笑みで飛び付いてきた。咄嗟のことで倒れそうになったがそこは男の子の意地で何とか耐え忍ぶ。ふっ、伊達に飛びつかれてないからな。

 

なんだかよく分からないが成し遂げたぜ。

しかし俺と心の友的な関係を肯定されて嬉しかったのか普段は硬い氷川姉が今はとても柔らかい幸せそうな顔をしてる、なんだか見てはいけないものを見てしまったような気分になり顔を逸らしてしまう。くそう、俺はギャップに弱いんだ。俺の胸辺りの服をキュッと握ったまま嬉しそうに微笑む彼女をどうしても直視出来ない。

 

俺の服を握る強さが強まり視線を戻すと何か決心したような顔をして目を閉じる氷川姉。綺麗だなぁと見惚れる。目が離せない、泣いた後だから少し目元が赤くなっているがそれでもとても綺麗で小さくて女の子らしい小ぶりな唇から目が離せない。

あぁ、きっと柔らかいんだろうなぁ。そうして俺はそのまま……

 

 

「とらくーん、遊びにきたよー!」

 

 

あ、氷川妹じゃん。

やっほーと手を伸ばして挨拶する彼女に「や、やっほー」と掠れた声で返事する。

 

いやいやいやいやいや。

この状態やばくね?現行犯じゃないですやだー

やべぇどうにかして言い訳をと焦っていると何やら氷川姉と氷川妹は見詰めあっていて、片や耳まで真っ赤なりんごのような顔で。

片やニコニコといつものるんっとする感じらしい笑顔で。

 

近く見詰めあっていた2人だが突然氷川姉は咳払いをして自然な動作で俺から離れる。

 

 

「すみません、私今日は帰りますね……またお邪魔します」

「じゃねー!また来るから!」

 

あ、うん。ばいばーい。

部屋から出ていく2人。ていうか妹何しに来たんだ?

 

取り敢えず今日思ったのは双子ってホントにアイコンタクトで意思疎通出来るんだなぁって思いました。

 

 

 

 

 

 




加藤 虎之助
もう部屋に誰かいても驚くのを止めた(諦めた)
無我の境地の使い手。
童貞だがちょっとした事では動じない。
けどギャップとか想定外、体験した事の無いことには弱い。
裸添い寝は経験済み。大体やべー方の幼馴染のせい。
誰とは言わないけど。

氷川 紗夜
スケバンとか似合いそう。
超真面目、ナチュラルに家に誘ってくるオリ主を毛嫌いしていたがポテト好きには悪い奴はいないと和解。
餌付けとも言う。変な所で抜けていて大体妹の差し金でオリ主へと猛アタックを掛ける。
寝惚けると日本語が喋れなくなる。可愛い。

氷川妹
やべーやつその1
姉と目線を合わせるだけで意思疎通出来る。
ぴっかーんと閃いたりする。被害者は大体姉とオリ主。
なぜ部屋に来たのかは謎。なんでだろうね。

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