「お兄ちゃん!はやくー!」
そう呼んだのは、俺の血の繋がっていない妹、紅蓮 風華(ぐれん ふうか)だ。
俺たちは晩御飯の買い出しに来ている。
「はいはーい。」
「あ!あれ食べたーい!」
と、アイスクリーム屋を指差して言ってきた。
まぁ、時間はあるしいっか。
「ほら、これやるから買ってこい。」
「はーい!ありがと!お兄ちゃん!」
そう言って無邪気に走っていった。
風華は今小学3年生だ。俺が10歳の時に捨てられていたところを保護した子で、本当の親の行方は分からないままだ。警察に言おうとしたが、風華がここにいたいと止めたので、そのまま家族にすることにしたのだ。
(あいつは昔っから変わらねぇなぁ。)
そう思って風華を待っていると、
「あ!シュン君!やっほー!」
最悪の事態が起こった。
「じゃあ俺ら帰るから、また...」
「あー!佳奈ねぇだー!奇遇だねー!」
丁度戻ってきた風華が、佳奈に笑顔であいさつした。いい子だ。だが、これはまずいな。この先の展開がよめてしまった。
「佳奈ねぇも一緒にお買い物しよー!」
まぁこーなるよな。まぁ、佳奈も忙しいだろ...
「シュン君がいいって言うなら、ご一緒させてもらおうかな。」
そんなの断るに決まってる。そう返事したかったが、風華がお願いお兄ちゃん!の目で見てくる。これ断ったら泣くやつだな。
「...好きにしろ。」
「「やったぁー!!」」
と、同時に言ってきた。
「今日晩御飯何にするのー?」
風華が聞いてきた。
「オムライスにするって言ってたな。」
「やったー!オムライス好きー!」
「オムライスかぁ。良いチョイスだねシュン君!」
「俺の母さんな。」
俺たちはそんな会話をしながら材料を買っていた。
「なんか、こうしてると家族みたいだね。」
「お前と家族とか死んでもい「ひどい!」ぐふっ!!」
耳元で小さく言ってきた佳奈の言葉を全否定するとグーパンをくらった。手がでるのはえぇよ!
「お兄ちゃんたち相変わらず仲良いね!」
「良くねぇよ!」
というツッコミはスルーされ、材料調達に戻る。
「いやー、お熱いっすねー。」
「ですねぇ。」
俺、和樹は、シュン達を尾行していると、偶然京子先輩に出会い、一緒に尾行することになった。
「佳奈ちゃん、手が出るのはやかったね。」
「まぁ、元ヤンの娘ですし、佳奈は昔からすぐ手が出るやつでしたからね。」
「佳奈ちゃんは怒らさないようにしないとね。」
「加減はしてますよ。多分...少なくとも京子先輩にはするはず。」
「殴るのは否定してくれないのか!」
やっぱ京子先輩とは気が合う。いい人だなぁ。
そんなことを思い、俺たちは尾行を続けた。
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買い物も終わり、夕方頃
「今日は楽しかったよ!またね二人ともー!」
「佳奈ねぇ!ばいばーい!」
「...」
佳奈の言葉に、風華は返事し、俺は軽く手を振って帰っていった。ちなみに、尾行してた二人は気付いたときにしっかりしめておいた。
「お兄ちゃん、昔はもっと佳奈ねぇと仲良くしてたのに、何かあったの?」
ちょっとだけ鋭いな。ちゃんと周りを見て、偉いぞ。
「いや、特には。ちょっとこの前揉めただけ...」
「あ!7時だ!アニメ始まっちゃうー!先帰るね!お兄ちゃん!」
聞いたんなら最後まで聞けよー!!というツッコミをする前に風華は走っていった。
「はぁぁ。今日は疲れたなぁ。ほんと、運悪いな。」
そう呟きながら歩いて帰っていると、
「いて!」
曲がり角で、人にぶつかった。謝ろうと、前を見ると、そこには金髪ロングの、どう見ても日本人ではない感じの同い年くらいの女の子だった。
「あの、すみません!大丈夫ですか?」
そう声をかけると、その子は倒れたまま、足をおさえている。怪我をしてるようだ。
「あの!これ、使ってください。」
そう言って、ハンカチを渡した。ばんそうこう持ってればよかったなぁ。
「あ、えと...ありがとう...ございます...」
その子は、ハンカチを受け取ると、すぐに離れていった。
「...綺麗だったなぁ。今の子。あのハンカチ、お父さんのなんだけど...まぁいっか!」
もう会うこともないだろう。あのハンカチは忘れよう!そう思い、俺も帰宅を再開した。
帰るとバレて怒られた。
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