THE NEXT RESTART   作:晩舞龍

12 / 51
正義 -ジャスティス-

 マキが気が付くと、そこは見慣れぬ丘だった。辺りを見渡すと、破壊された街にグローカールークの姿がある。そして、後ろを振り返るとアンゲルとリーゼ、さらにペガッサ星人ペガと少年がいた。

 ペガに続き、少年は朝倉リク、ウルトラマンジードと名乗った。マキたちも素性を明かし、共通の敵を倒すため協力を約束した。

 リクが言う。

「僕は一度変身を解除されると二十時間は変身できないんです……他の方法もあるにはあるんですが、ダメージが残っているのでそれも難しいんです……その間、代わりに街を守ってください!」

「任せておけ、次は必ず勝つ」

 勝算は無いが希望を胸に、マキは大きく返事をしようとした、その時……

「マキさん、そのペンダント……!!」

 アンゲルが異変に気付く。それは何の前触れもなかった。まるでそこにそう在るのが自然であるかのように。マキのペンダントは「エボルトラスター」へと変化していた。マキは、その使い方も、それが何なのかも知らなかったが、体の内より沸き上がるエネルギーが教えてくれた。

 彼自身を強くするものだと。

 エボルトラスターを掲げ、叫ぶ。

「うおおおおおッ!!!」

 マキの身体が光に包まれ、再び巨人―ウルトラマンへと変身する。しかし、その姿がこれまでと大きく異なっていた。

 銀色のボディは鋭さが抑えられ、より洗練された印象を与える。さらに、変身直後にも関わらず、その身長は40mをゆうに超えている。

 

 The Next から Nexusへ……

 

 マキは、この変化によって大きく力が向上したとは感じなかった。しかし着実に自分は前に進んでいる―という確証は得た。それは彼の自信へとつながる。

(行くぞッ、グローカールーク!!)

 自身を鼓舞し、敵に向かっていく。

 そのまま突進。それでもグローカーはびくともしない。馬力が違うのだ。だが、マキは諦めない。何度も街を背にして敵にぶつかっていく。

 

 その姿を見たリーゼは、やれやれ、と言い宇宙船へ。

「何やってるのさ、こんな時に!」

 アンゲルの問いに対し、リーゼは宇宙船から取り出してきたものを見せながら言った。

「私も協力してやるのさ、あいつに!」

 彼女の手に握られているのは、怪獣召喚機・バトルナイザー。

「行ってきて、ガルベロス!」

『バトルナイザー・モンスロード』

 

 リーゼの掛け声とともに、三つ首を持つ巨大なケルベロスタイプのビースト・ガルベロスが出現! マキと格闘するグローカーに立ち向かっていく。

「すごい! 怪獣を呼び出して戦うなんて!」

「私が狙われたらアンタの力で守ってよね!」

 ガルベロスの鋭利な爪と牙が、グローカーの機械のボディを切り割く! 

 マキもガルベロスと息を合わせ、敵を追い詰める。

 バランスを崩したルークに向けて、マキは組んだ腕から光線を放つ。ガルベロスの放った光弾と合わさり、グローカールークの体を打ち抜いたのだった。

 

 

 ―ジード変身解除から九時間後―

 

 マキとガルベロスの奮戦により、グローカールークは破損、沈黙。ガルベロスをバトルナイザーに戻したリーゼと人間体に戻ったマキ、アンゲルの三人は朝倉リクとペガに連れられ、彼らの基地である星雲荘にやってきていた。

 これは移動可能な要塞ネオブリタニア号としての機能も持つ。ジードの仲間であるシャドー星人ゼナも搭乗してきた。

「敵機はいまだ上空にいる。第二波に備え、こちらもシャドー星の怪獣ガブラを待機させている」

 9時間が経過して、グローカーマザーには動きが見られない。

 マキは念のため、以前グローカーを追っていたウルトラマンコスモスにテレパシーを送った。

 

 ジードの力が回復するのはあと十一時間後。それを待って、グローカーの母艦・グローカーマザーを叩く。それがマキたちの作戦だ。

 だが、グローカーは回復の暇を与えてはくれなかった。

 

 上空で待機していたグローカーマザーが動きを見せる。機体を構成するパーツが瞬時に細かく分解。再構築されていく。

 その姿は既に母艦では無く。前方に突き出した形状の頭部。巨大な三本の爪をもつ腕と巨体を支える大きな足。背部にはバーニア、頭部にはモノアイを装備した最終兵器。

 その名はグローカービショップ。それはルークの作業を引き継ぐように淡々と街を攻撃する。

 

 作戦通り、リーゼのガルベロスとAIBのガブラ、そしてウルトラマンに変身したマキが迎え撃つ。だが、三つの大きな力が合わさってもビショップのパワーにかなわない。

「さっきのより強い! このままじゃマキさんが負ける!」

「私のガルベロスでもこれが精いっぱいなんだけど……」

「僕がジードに変身して戦えれば……」

 リクが自分の不甲斐なさを悔やむ。

 なすすべもなくガブラとガルベロスは蹴散らされてしまい、退却する。

 

 

 絶体絶命の危機、その時────。

 

 赤き光が、地上を空から照らした。それは、やがて光が薄まるとともに輪郭を露にする。赤き巨人が、そこに立っていた。

 正義の執行者・ウルトラマンジャスティス。

 先ほどマキがコスモスに送ったテレパシー。それを聞き届けた彼は自分の世界を守るので手一杯だったため、ジャスティスにこちらの救援を頼んだのだ。

 マキはジャスティスを一度見かけたことがあるが、改めて見るとその体から凄まじいパワーを感じる。

 ジャスティスが全身に力を込めると、金色のラインがその体に入る。その姿はジャスティスの強化形態・クラッシャーモード。

 片腕を前に、もう片方を上に向けた構えを取ると同時に、スライドするような高速移動! 両腕を移動と同時に前に突き出し、そのままビショップの腕部を爪ごと破壊した。

 損傷によるビショップの隙をつき、ジャスティスは朝倉リクにエネルギーを分け与える。リクの体のダメージが回復していき、変身に制限のない唯一の形態への変身を可能にする。

 

「これなら変身できる!」

 リクはギガファイナライザーとジードライザーを構え、ウルトラマンジードへと変身する! 

「ウルティメイトファイナル!」

『アルティメットエボリューション!』

 変身にも使用したギガファイナライザーを武器として構え、マキ、そしてジャスティスとともに並び立つ。

 ここに三人のウルトラ戦士が並び立った。

 ビショップは頭部のモノアイからビームを出して三人を牽制しつつ、バーニアによる体当たりを仕掛ける。マキがそれを受け止め、ジャスティスとジードが必殺の一撃を放った。

 腕による機構を失ったビショップは攻撃を打ち消しきれず、押し負ける。

 マキが離脱した直後、衝撃を受け切ったグローカービショップは爆散! 

 グローカーによる脅威から街を守ったのだ。

 

 

 ビショップを倒した後、人間体に戻ったマキとジード。ジャスティスはそのまま別の宇宙に帰っていったようだ。

「この星を救ってくれてありがとう」

「いや、こちらこそ」

 朝倉リクと固い握手を交わすマキ。丘の上で、アンゲルとリーゼが手を振っている。

「じゃあ、俺はもう行くよ」

 まだ宇宙にはグローカーのように暴走するロボットがいるかもしれない。さらに、変化を起こした自分自身のことについても──―

 マキは決意を新たにし、再び出発する。新たなる旅路へ。

 




グローカービショップ
ガルベロス
ガブラ
ウルトラマンジャスティス スタンダードモード クラッシャーモード
ウルトラマンジード ウルティメイトファイナル
登場
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。