空から降ってきた機械は人馬の形をとり、こちらを標的とみなして近づいてくる。
「敵性生命ヲ確認、殲滅スル」
それに立ちふさがる三体の巨大生物。怪鳥、角の怪獣、棘の怪獣。
そこで俺ははたと気づく。怪獣……? なぜか俺はその呼称を知っている。それだけじゃない、この怪獣たちの名前も知っている。
リドリアス、ゴルメデ、ボルギルス。
そして、向こうの機械はグローカー!
これは、なくしたはずの俺の記憶なのか。しかし、自分のことについては思い出せない。
そうして考えているうちに怪獣たちとグローカーが戦闘を始めた。あのグローカーはルークと並ぶ戦闘特化形態、グローカーナイトだ。人馬の形状から繰り出される前脚の蹴りで怪獣たちを蹴散らす。怪獣たちも三体による手数で応戦する。だが、ナイトは鋭利な剣を取り出し、怪獣たちを近づかせない。
奴を倒すには、あの剣の間合いの外側から素早く内側に入り込み攻撃を与えるしかない。しかし、それをわかっていながら俺には何もできない。記憶が無いから、力が使えないのか? それとも……
その時。
空から再び機械が降ってきた。周囲に落下したそれは、グローカーの尖兵・グローカーポーンの残骸だ。
それを目にした次の瞬間、同様に空から高速で何かが接近してくる。
「あれは!」
空から超高速で降下し、突き出した足は吸い込まれるようにナイトの腕に突っ込む。
当然右腕が剣ごと破壊。ナイトの体制が大きく崩れた。
そこに現れたのは銀色の巨人。それも、俺が変身した姿よりも遥かに大きい。怪獣やグローカーと同程度の大きさだ。
俺は、彼も知っている。銀の体に光る紫の輝き。
超高速の戦士ウルトラマンコスモス スペースコロナモード。
彼は敵のナイト相手に、超高速で攻撃を仕掛け、着実に弱らせていく。剣を取り落とし、ナイトは守りの体制に入った。
コスモスは身体から光を発し、その体色は青に変わる。慈愛の勇者コスモス ルナモードだ。
その腕に光を集め、相手を鎮静化させるフルムーンレクトを放った。
その光を浴びたグローカーナイト。残念ながら、その暴走は止まらない。
仕方なく、コスモスは再びその姿を変化させる。希望の勇者、コスモス フューチャーモード。
コスモス最強の必殺光線、コスモストライクが敵の体を貫いた。
怪獣たちがゆっくりと元の場所に帰っていく。そんな中、ウルトラマンコスモスが人間の姿へ変化した。
青い服の青年だ。彼は、俺に気づいて駆け寄ってくる。
「僕は春野ムサシ。君は?」
俺は、彼に今までのことを話した。
記憶喪失であること。気づいたらここにいたこと。巨人-ウルトラマンに変身したこと。
そして彼に、この場所と怪獣、機械について聞いた。
「この場所は遊星ジュラン。怪獣と共存する星さ。怪獣たちは、この星で平和に暮らしている。そして……」
ムサシは壊れた機械の残骸を見る。
「あの機械はグローカー。正義を守るロボットなんだけど……最近、暴走してしまっている」
どうやらムサシによると、グローカーの暴走の原因はこの宇宙の外側からもたらされたものらしい。しかし、ムサシはこの宇宙を守るのに手一杯なため、原因を突き止めることができないという。
「よし……じゃあ俺も協力する。どこまでできるかわからないけど」
俺は先ほどまでとは違い、明確な生きる理由ができた。ここにいる怪獣たちを守り、そして暴走するグローカーを救う。
そう強く思った時、胸のペンダントが熱を持ち光り輝く。そして、赤い光に包まれ、俺は巨人へと変化した。
先ほどとは違い、怪獣たちやコスモスと同程度の大きさにまで巨大化。そして銀一色の身体に赤い光が射す。
その姿をみてムサシは言う。
「何のために戦うのか、それを忘れるな。そしていろんな世界を見るといい。そうすれば、君の記憶の手掛かりもきっと見つかる」
俺は感謝の意を込めて頷き、大空へ、広がる宇宙に向けて飛び出した。
自分は何者なのか。なぜ自分はこの力を持っているのか。この力を何のために使えばいいのか。
道は示された。後は答えを見つけるだけだ。
宇宙を駆ける壮大な冒険は、まだ始まったばかり。
ウルトラマンコスモス ルナモード スペースコロナモード フューチャーモード
リドリアス ゴルメデ ボルギルス
グローカーナイト(オリジナル怪獣)
登場