邂・逅 -エンカウント-
コンピュータワールドで悪事を画策していたチェーン星人。彼が呼び出したギャラクトロン軍団が街を襲う!
人々を守るため大空大地=Xとマキ=ネクサスがウルトラマンとなって戦う。しかし、その数に圧倒され苦戦を強いられる。そこに、紫の戦士・グリッドナイトが現れた――――
「俺はこの街を守る騎士……グリッドナイト」
グリッドナイトはそういうと、ギャラクトロンMK2を視界にとらえ、高速でその方角へ向けて駆ける。
エネルギー波や光輪を放って牽制するも、MK2はそれを装甲とバリアで的確に処理。逆に斧を投げつけ反撃する。
グリッドナイトはそれを素早い身のこなしでかわし、上空から必殺光弾・ナイト爆裂光波弾を放った。
これはMK2のバリアを破壊。
「今だ大地!」
「ああ!」
バリアの破壊により隙が出来た。そこを見逃さずXが必殺光線を放ち、マキもそれに続く。
「ザナディウム光線!」
二つの光線がMK2の胴体と頭を突き破り、破壊する。
稼働機能を停止したMK2は他の個体と同様に爆散。巨大な破片を破壊し、周囲の安全を確保してから、Xとマキ、そしてグリッドナイトは人間の姿に戻る。
「君がこの世界を守っている戦士なのか、俺はマキ。よろしくな」
「フン」
鼻であしらわれてしまう。見たところ小学生か中学生くらいにしか見えない白髪の少年が、グリッドナイトの正体だった。名前はアンチ、と言うらしい。なんでも、この世界は以前も外の世界の侵略者に攻撃されたことがあるらしい。
「そういえば、ジャンクショップの店の少女がこの事件とかかわりがあるようなんだが、何か知ってるか?」
「なに? あいつが……」
アンチとその少女は知り合いだったようで、取り次いでもらうことにした。話をかいつまんで説明してもらう。
「じゃあ、さっきのロボットは新しい侵略者ってこと?」
六花と名乗ったジャンクショップの少女が聞く。
「そうだ。そして、君にも何か関係があるらしい。何か心当たりはないか」
彼女は考え込む。すると、アンチが口を開く。
「アイツの一番のお気に入りだからじゃないか」
「アイツ?」
マキが聞く。
「新条アカネ。この世界を作った……いや、今はいい。とにかく、アイツは現実世界の人間だ。しかし、コンピュータワールドともつながりがないことはない」
「それで、六花さんを媒介に侵略者はこの世界に侵入した?」
大地が推測する。
どうやら、この世界の現実世界とコンピュータワールドには微弱なつながりがあり、チェーン星人はそこを利用して侵入してきたというのだ。
エボルトラスターが追跡していたのはその残滓だったようだ。
六花に別れを告げ、ジャンクショップをでる。アンチ、マキ、大地の三人はチェーン星人を追うためにXの道案内を聞くことにした。
「しかし、そうと分かればチェーン星人を倒すだけだな」
マキが言うが、Xは何か思うところがあるようだ。
「アンチ君。以前この世界に侵略者がいたと言ったね」
「ああ……それがどうかしたか」
「いや……先ほどのロボットはチェーン星人のものではない。チェーン星人の真の力は、コンピュータ内の怪獣を実体化させることだ」
「なに?」
「もしも以前の侵略者や怪獣のデータがこの世界に少しでも残っていたら、現実世界が危ない」
「そうなる前に、アイツを叩く」
Xの指示で三人が向かうと、チェーン星人の陰謀の痕跡が見て取れた。
「つい数刻前までここにいたな……近いぞ」
ふと見ると、遠方にチェーン星人の姿が。
「逃がすかっ!」
アンチが優れた身体能力を発揮し、一瞬で敵の近くまで跳躍。蹴りを入れてノックダウンさせた。
ウルトラマンX
チェーン星人
ギャラクトロンMK2
グリッドナイト
登場