「おっと、自己紹介が遅れました。私は、ウルトラマンセカイ。この世界の創造者にして、最高権力者です」
そう名乗った紫色の巨人は、捕らえられたセブン21と仲間の三人を念動力で引き寄せた。
ウルトピアの戦士の一人であるアイハがそれを止めようとする。
「何を言っているのです! 誰ですかあなたは!?」
「この星の権力者は国王ウルトラマンムーン、女王ウルトラウーマンメープル。王女兼軍隊長ウルトラウーマンソード。セカイなんて名前、聞いたことない」
アルルも困惑した様子だ。
それをあざ笑うかのようにセカイは言い放つ。
「そりゃそうだ。お前たちも私が作ったんだからな」
突如セカイの腕から震動波が放たれ、アルル、アイハ、マユイを包む。
「な、何だこれ!?」
「ぐうっ……苦しい、息が……」
悶絶しだす三人。
「大丈夫か! おい、三人に何をした!」
叫ぶマキをにらみつけてセカイはつぶやく。
「元の姿に戻してやったのさ、宇宙空間で息ができるかは知らないがね」
三人は衝撃波によって体を溶かされ、アメーバ状になった後、消滅した。三人だけではない。何百といたウルトピアの戦士たちは全員消えていた。
「アメーバ型生命体を機械によってウルトラヒューマノイド化。偽の記憶も与えれば、私だけの軍隊の完成さ。いらなくなったら消せばいい……もっとも、それも不要になったがね」
いつの間にか、ウルトピアで捕らえられていた四人のウルトラ戦士も引き寄せられていた。そして、そのエネルギーをセカイは吸収し始める。
「全ては、光の国のウルトラ戦士の純度の高いエネルギーを手にし……私が究極の存在となるための礎だったのだァ!!」
マキ、アンゲル、リーゼの三人はただ見ることしかできない。
七人のウルトラ戦士の力を吸収したウルトラマンセカイ。その姿が徐々に変質していく。腕には爪。背には翼。そして頭には悪魔のような角。
それはもはや巨人ではなく、紫の魔人であった。
「この世界だけでなく、全ての宇宙を我が物にする……手始めに貴様らから始末してくれる!!」
そう言うとセカイは先ほどの衝撃波をアンゲルとリーゼに向けて放つ。
「貴様ら宇宙人にもあの機械が適能したのは誤算だったが……ここで消せば同じこと!」
「まずい! 二人ともよけろ!」
マキが叫ぶ。先ほどの様子を見るに、二人が宇宙空間で元の宇宙人体に戻ってしまい、息ができない可能性がある。それは避けなければ死につながる。
「でも、あんな大きな衝撃波……」
「だめだ、間に合わない! ……マキさん!」
二人の前に立ち、かばうように立つマキ。
「うおおおっ!!」
せめて相打ちにと、渾身の光を放つマキ。それは意図せず三人を包むように放射状に広がる。
「な、何だこれは!?」
「マキさん!?」
「いや……俺にもわからない……だが、これは」
三人を包んだ光はドームを形作り、そしてその場所から三人とともに跡形もなく消滅した。
セカイが周囲を見渡すが、三人を見つけられない。
「チッ……逃したか」
放っておいても問題ないと判断し、次に彼はウルトピアに狙いを定める。
「ここは……」
三人は謎の空間で目覚めた。岩肌が激しく隆起し、発光する鉱石が見えている。空は赤黒く、オーロラらしきものも見える。
そこは、ウルトラマンネクサスが戦闘用に作り出す空間・メタフィールドであった。
周囲と隔離された異空間を生み出したことで、魔人セカイの衝撃波からアンゲルとリーゼを守ることができた。
「なんとかなったようだ、助かった」
息をつくマキ。すると、その空間が上部から消滅し始める。
光の粒子となってメタフィールドが消え、元の空間に戻っていた。
そこには、先ほどの小惑星。そして、倒れた7人のウルトラ戦士たち。
しかし、一つだけ変わっていたことがあった。
ウルトピアが、跡形もなく消滅していたのだ。セブン21が顔をあげ、言う。
「あの星なら、さっき……奴が破壊していった」
魔人セカイは、不要になったウルトピアを衝撃波によって木っ端微塵にし、去っていったというのだ。
「くそっ……この星を、誰一人守れなかった……」
宇宙空間に、彼の空しい叫びがこだました。
魔人セカイ(オリジナルキャラクター)
登場