「みんな、避けろ!」
コスモスの声に反応し、五人がその場を離脱。そこに、巨大なロボットの足が振り落とされる。
「あぶねえ……気を付けろ、デカいだけじゃない」
ダイナが皆に注意を促す。
「アイツは頭部だけで普通のロボット怪獣と同じくらいの強さだ、それに」
ダイナがその頭部に意識を集中させる。コクピットから、禍々しい闇の気配が漏れ出ている。
「パイロットはチャリジャの野郎だ! 油断するなよ!」
巨大ロボットガラオン。かつて、ダイナが戦った怪獣だ。しかし、その時は頭部のみだった。
今、この場所には全身のパーツがそろっている。大量破壊兵器として、集まった六人のウルトラ戦士をものともせずに暴れる。
「頭部を壊せば、動きが止まるはず!」
上空に向かって飛び立つマキ。しかし、何か強力な力によって飛行を維持できない。
「な、何だこれ……うあっ」
情けなく地面に叩き付けられる。
「これは……特殊な電磁波!? これで頭部への到達を阻止しているのか!」
ガイアが冷静に分析する。
「ならば、足を切り落とすまで!」
「オーブカリバー! うおおっ!」
アグルのアグルセイバーと、オーブのオーブカリバーが両足を同時に攻撃。斬撃音が響き渡る。
「何ッ!」
「そんな」
しかし、未知の素材による脚部がその剣先を阻む。
「何て固い素材……いや、逆に柔らかい! だから衝撃を吸収してしまうんだ!」
「突破口が開けない……俺たちの技はすべて対策済みってことか」
手をこまねいているうちにも攻撃は放たれる。頭部からのレーザー、振り落とされる足、電磁波を伴うパンチ。
それらを紙一重で避けながら、戦士たちは打開策を探す。
「電磁波をまずは消そう! 腕を攻撃するんだ!」
「よし!」
ダイナのソルジェント光線とオーブのオリジウム光線が腕部に向け放たれる。しかし、光線さえも電磁波によって阻まれてしまう。
「ダメか……」
「もっと推進力を保った……光の弓矢のようなものでないと届かない!」
ガイアの発言に、マキの脳内が反応を示した。
「光の……弓矢……!?」
記憶が混濁する。経験したことのない記憶―――
紫の剣のネクサス、ジュネッスビオレ。鮮やかな赤の槍のネクサス、ジュネッスルージュ。青の弓矢のネクサス、ジュネッスブルー。そして、銀色の……
「ハッ!!」
「おい、大丈夫か?」
オーブに声をかけられ、マキは意識を取り戻す。
「お前、その色……」
ダイナに声をかけられ、見るとその体は青色に染まっていた。
先ほど混濁した記憶の中で見た、弓矢のネクサス、ジュネッスブルー。
マキは新しい姿に変化していた。
「この力なら! 皆さん、下がっていてください!」
マキの胸のエナジーコアから、光の弓が出現。それを腕に装着し、光の矢をつがえる。
狙うは右腕。そこに向け、電磁波をものともせず突き進む。
オーバーアローレイ・シュトローム
それは右腕部分の掌から上腕部までを貫通し、破壊する。
ガラオンの巨体が体勢を立て直す間も無く、二射目が左腕を貫く。
「いいぞ! 破片は俺が始末する!」
そう言ってオーブは、オーブスプリームカリバーを放つ。
街に降り注がんとする腕の破片は空中で塵と化した。
「コスモス、頼んだぞ」
「ああ!」
コスモスの必殺技、コズミューム光線が頭部に向けて放たれる。
それは、闇の存在のみを消滅させる光。
「ぬおおっ!! ここで死ぬわけには!」
チャリジャがもだえ苦しむ。
ガイアとアグルによる、合体光線ストリーム・エクスプロージョンがガラオンの巨体を粉々に砕いていく。それを、ダイナのレボリウムウェーブ・アタックバージョンが吸い込んでいく。
「これで街への被害も少なく済む」
その最後のひとかけらを吸収し終えた、その瞬間。
「これが……私の”最後の仕事”というわけか! 私も道具に過ぎないという事か! ルシフェルゥ!!」
コズミューム光線により消えかけていたチャリジャ。そこに差し伸べられた最後の救いの手は、悪魔との契約だった。
「ウオオオ!!」
ブラックホールの間隙より轟く咆哮。
チャリジャは闇の巨人ダークメフィスト・ツヴァイへと変貌し、一命をとりとめた。
自分を追い詰めたウルトラ戦士に一矢報いようと、その腕の刃を構えて突撃する。
「私ハ!!! 貴様ラヲ!!! ウオオオ!!!!」
「チャリジャ! お前は俺の仲間を傷つけ、宇宙に混乱をもたらした!」
マキはチャリジャにその罪を突き付ける! その姿は鮮やかな赤、ジュネッスルージュに変化!
「俺はお前を許さず、そしてここで決着をつける!」
光の槍はマキのエナジーコアから腕へと持ち替えられ、その切っ先はチャリジャへとまっすぐ向けられる。
オーバーランスレイ・シュトローム
その一投は、光を以て闇を祓い、刺突を以て巨人を砕いた。
「皆さん、ありがとう」
感謝を告げるマキ。
「まだ終わっちゃいねえよ、黒幕を倒さないと」
そういって去ったダイナ。
「僕たちは、黒幕の目的や行方を調査する」
「お前にもやるべきことがあるんだろ」
XIGアドベンチャーで元の世界に帰ったガイア、アグル。
「また会うこともあるだろ」
光の剣と共に飛び立つオーブ。
「がんばれよ」
肩に手を置き、そう励ましてくれるコスモス。
全員、向かう先は違えども、目的は同じ。
全ての宇宙に平和を。
彼らは、悪魔を倒すための一歩を再び踏み出し始めた。
ダークメフィスト・ツヴァイ
登場