ダークザギの圧倒的な力の前に、ネクサスは為すすべもなく弾き飛ばされる。小惑星に何とか着地するも、その土台ごとザギの光線が破壊していく。マキはジュネッスブルーに変化し、弓による一射を狙うが、ザギは瞬時にマキの背後に回り、隙を見せない。
ジュネッスルージュに変化し、光の槍で何とか攻撃を受け流す。しかし、ザギ・シュートを連続で放たれ、ついに直撃を受けてしまう。
「ぐあっつ!!」
ダメージを受け小惑星の地表に叩き付けられる。宇宙船型の石像はこの世界の"呪い"を解除しに行ったのか、もう姿は見えない。援護は期待できず、絶体絶命に陥った。その時、
「ご苦労、ダークザギ。時は来た」
宇宙空間の間隙より、闇と共に異形の影が現れた。
背中から二本の大きな突起が禍々しく生えている。
そして、その影が、ダークザギを吸収し始めた。
「その力は貴様のような負け犬には使いこなせん……私が有効に活用してやる」
「ウオオおおぉ!!!」
ダークザギの肉体は影と一つになっていき、やがて一体の闇の巨人となる。
マキを見るその冷たい目は、ダークザギの赤色ではなく不気味な青色に光っていた。全体的にダークザギに比べ体が鋭利に、そして強靭に進化しており、背中からは先ほど影から伸びていた突起も確認できる。それはまるで"翼"のなりそこないのようだった。
「何だ……お前は」
マキの問いに闇の巨人は答える。
「我こそ使い魔ファウストと悪魔メフィストを従える真の悪魔ダークルシフェル、ここに並行世界のザギの力を取り込み魔王・ダークルシファーへと変生した!」
「ダーク……ルシファー!?」
「貴様は幾度となく私の計画の邪魔をした……それもそのはず、私の世界でも貴様が最後まで抵抗してきたのだからな、ノア。だが、貴様は一度私に敗れ、弱体化した。呪いを打ち消して回っているようだが、せいぜいできたのは我が配下を消す程度。私の力の前では塵に等しい」
そう一方的に言うと、ルシファーの腕から螺旋状の暗黒衝撃波が放たれる。それはウルトラマンネクサスの反射能力をはるかに超えて、巨人に死をもたらす。
だが、唯一それに対抗できる力が手を差し伸べた。
衝撃波はバリアにさえぎられ、霧散。そこにいたのは、今にも倒れそうなほど傷ついた、しかし神々しい巨人だった。
銀色の体。ネクサスのものと同じ深紅のエナジーコア。しかし、その背中の翼は折れている。
悲しき戦士、ウルトラマンノアがそこにいた。
ウルトラマンノアの思念派が、ネクサス=マキに届く。
(もう、時間も力もない。君にすべてを話し、私は消えるだろう―――宇宙を、救ってくれ)
ウルトラマンノア。彼の世界は、スペースビーストと呼ばれる存在の脅威にさらされていた。
ノアは傷つき、ネクサスへと弱体化しながらも、人間たちと絆を結び、真の姿を取り戻した。それがマキのいる世界のネクサスの歴史だという。
しかし、もし、ウルトラマンノアが敗北した世界があったとしたら?
今目の前に傷つきながらも現れた、翼の折れたノアは、そんな世界からやってきたというのだ。
ビースト・ザ・ワンという存在とダークザギが一体化し、ダークザギを超える敵ダークルシフェルが出現し、ノアは敗北。
ノアは辛うじて一命をとりとめるが、その世界は掌握され、ルシフェルはさらにあらゆる並行世界(レベル2マルチバース)を征服。
彼はその欲望を達成したかに思えた。
だが、欲望とは限りないものである。
かれは、その強大な力でifの世界(レベル3マルチバース)へと侵攻。
これは本来起こりえないことで、なぜなら並行世界と違い、同一存在が出会ってしまい宇宙の倫理が崩壊するからだ。
ルシフェルはすべての並行世界をも制圧する強大な力でこの常識を突破。
なんとか力を回復し追い付いたノアだったが、ルシフェルはifの世界のもう一人の自分、ダークザギを吸収しダークルシファーへと進化してしまった……
ここまでが、この傷ついたノアが辿ってきた全く別の次元の物語である。
ノアはすべての力を振り絞り、マキを守り、そして別の世界へと転移させた。
しかし、ルシファーは容赦せず暗黒波を放ち、ついにノアの命は絶たれた。
マキはとある場所で目覚めた。
ノアによって転移されたこの場所はどうやら安全のようだ。しかし、もう宇宙には安全な場所などどこにもなくなる。
魔王、ダークルシファーはすべてを焼き尽くすまで止まらない。
だが、手立てはある。マキが一体化しているこの力……ウルトラマンネクサスは、ウルトラマンノアと同一存在のようだ。翼の折れたノアでもルシファーの攻撃を一度は防いだ。ならば、ネクサスがノアへと完全復活し、さらに他のウルトラ戦士と協力すれば、ダークルシファーを打ち倒す可能性も見えてくるはずだ。
マキは不安と希望を抱え、まずこの場所がどこなのかを探りに向かった。
ウルトラマンノア
ダークルシフェル
ダークルシファー
登場
マルチバースについての補足
ダークルシファーは、ifの「Nの世界」をまず制圧。
その後、ifの「並行世界」を次々と制圧し、その後"こちらの"「Nの世界」にやってきた。マキが今まで旅してきたのは、"こちらの"「並行世界」。