石像とノア
「確かに、ここに反応があったはずなんだがな……」
ウルトラセブンは、光の国の緊急事態に備え、自身の息子である戦士・ウルトラマンゼロを迎えに来ていた。
そこは、M78星雲光の国がある世界とは別の並行世界。
以前、セブンはこの世界に来たことがあったため、この役目を引き受けてやってきたのだ。
その際は地球人との一体化における不具合で姿が変化したが、今回はその心配もない。
セブンはとにかく、ウルトラマンヒカリから渡されたレーダーをもとに、ゼロの持つブレスレットの反応を示す場所へと向かった。
宇宙空間をしばらく飛行。すると、反応のある場所に何かがあった。それは宇宙空間の中でなお暗い、漆黒の"呪い"だった。
セブンは危険なエネルギーを発するそれを放っておけず、すかさずエメリウム光線を発射する。しかし、呪いはさながらブラックホールのように光線を吸い込んでしまう。
そこに、小さな人間ほどのサイズの石像が飛んできた。宇宙空間の中で意思を持つかのように真っ直ぐセブンに向かってくる。いや、その石像が目指しているのはセブンがいま相対している呪いであった。
石像は飛行船型をしており、その先端から小さく、しかし凄まじいエネルギーを込めた光の玉を撃ち込んだ。それはさながら、真の力を放ったウルトラキーのようであった。
放たれた光球は呪いの近くに漂い、その効果を打ち消しあっている。
これが崩れかかっている並行宇宙同士のバランスを保っているとは、ウルトラセブンには知る由もなかった。
「いったい何がどうなっているのだ。ゼロはどこへ行った」
セブンは、レーダーがキャッチしているのはゼロではなくこの石像だと確信した。その理由は推測できなかったが、彼はそれを抱えて元の宇宙へと帰還することにした。
M78星雲 光の国
光の国へ帰ってきたウルトラセブンは、ゼロが既に戻ってきていることを聞いて驚いた。
「おかしいな。やはり故障か?」
ヒカリが首をかしげる。
マキはセブンが抱えてきた石像を見て胸をなでおろした。アンゲルとリーゼが乗った石像だ。
「よかった、無事だったか」
すると、石像がマキとウルトラ戦士たちの前で光り始めた。
「何だ、これは!?」
セブンが説明しようとする間にも、その光は増していき、そしてネクサスの姿のマキのエナジーコアに入っていく。
「ううああっ!!!」
気づけば、マキは不思議な空間にいた。目の前には無数の記憶の断片が映像として流れている。その中には、青や紫のネクサス、知らない人間などマキの知らない記憶もあった。
ふと、声をかけられる。
後ろに、銀色の巨人が立っていた。
マキは一度見たことがあったが、その時と違い、翼は折れていなかった。
こちらの世界の"ウルトラマンノア"だ。
神々しいオーラを放っているが、マキにはそれが懐かしく感じられた。
「あなたは……」
「君は、私だ」
ウルトラマンノアは、この事件をめぐる自身の境遇と、マキの正体について話し始めた。
ウルトラセブン
登場