俺に気づいた女性は、ニヤリと笑い俺の方へ手をかざす。すると一瞬にして景色が移り変わる。振動波で吹き飛ばされているのだ!
こちらも巨人の力である念力で体制を立て直し、人気の無い路地に降り立つ。
女性は問う。
「貴様、ウルトラマンダイナか。それともゼロか、いやはやコスモスか」
偶然にも、彼女が挙げた名はいずれも俺が今までに見知ったウルトラマンたちだった。
「違う。俺はマキ。名も無きウルトラマンだ」
俺は名乗る。しかし、彼女は意に介さないとばかりに近づいてくる。
「フッ……貴様が誰でも構わん。同胞の敵は討たせてもらう」
すると彼女の体が人間体から宇宙人の姿に変わった。全身は黒を基調とし、体には赤と金のアーマー、背中には仰々しいマント。そして淡く水色に光る無機質な形状の目が、俺を怪しくにらむ。
「私の名はバット星人セエル。ウルトラマンどもによって私の同胞は三人も殺された」
「待て! それには何か理由があるはずだ!」
「黙れ! 我々の侵略の邪魔をする奴らは誰であろうと許されない!」
俺の言葉に全く耳を貸さないバット星人セエル。おそらく、彼女は仲間の仇討ちのためウルトラマンダイナを狙ってこの星に来たのだろう。しかし、ここにダイナはいない。俺が代わりに戦わねば!
俺はバット星人の隙をついて、巨人の姿に変身する。しかし、大きさは抑えた銀色の姿で、だ。
周りの人々の騒ぎにならないよう、バット星人を捕まえ、飛び立つ。
その星を離れ、人も空気も無い近くの寂しい星に降り立つ。俺の手から抜け出したバット星人が巨大化。俺も赤い形態になり巨大化する。さらに、バット星人はそのマントから不思議な球体を取り出す。
「何だ……!?」
それは水色に光っており、歪な宇宙船のような形をしていた。バット星人はそれを取り込む。いや、同化しているというべきか。
「これは我が同胞が兵器として使ったもの……だが本当の使い方は!」
言った直後、バット星人の体が変化していく。体からは突起や棘が現れ、その肉体は歪む。しかし、力は強化されているようだ。
「この力で、貴様を滅す!」
バット星人はこちらに向かって突っ込んでくる。
どうやら、球体を取り込んだことで知能が低下しているようだ。しかし、身体能力が強化されているため、動きは素早く攻撃は重い。
さらに、俺はいままで一人で怪獣や宇宙人を退治したことはない。
しかし、ウルトラマンダイナのいないあの星の人々を見捨てるわけにはいかない。胸のペンダントの導きに従い、記憶を取り戻すまで、俺は終われないんだ!
腕にエネルギーを込め、クロスさせる。バット星人の大振りの攻撃を避けつつその背中に光線を叩き込む。しかし、敵はまだ倒れない。飛び上がり、空中で蹴りとパンチの応酬が繰り返される。だが、敵の動きは単純。
右に蹴り、次に左でパンチ。読めた!
その腕を取って地面に落とし、もう一度光線発射!
大きな爆発とともに敵は絶命。
「初めて、ひとりで……」
人々を自分ひとりでも守れたという感慨が迫ってきた。しかし、時間は俺を許してはくれない。
胸のペンダントは光で新たな行き先をを指し示した。
「おいおい、少しは休ませてくれよ……」
しかし、今のように人々に危機が迫っているかもしれない。俺は気を引き締めなおし、次の目的地に向けて出発した。
バット星人セエル(オリジナル怪獣)
スフィア
ゼルガセエル(オリジナル怪獣)
登場