THE NEXT RESTART   作:晩舞龍

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謀略ロストザウェイ

 この世界と黒い巨人について集めた情報を要約するとこうだ。

 まず黒い巨人だが、この世界に突然現れ、暴れているという。先ほど調べたところ、他の巨人や宇宙人、怪獣などの仲間は確認されていないようだ。

 その容姿は、今まで見てきた他のウルトラマンとは違い、黒い目をしていた。体にも黒いラインが刻まれており、どこか暗い雰囲気だ。もっとも、俺は自分が変身した姿を自分で見たことがないので、俺も黒い目かもしれないが。

 次に、この世界についてだ。ウルトラマンはいないようだが、数年前に宇宙人の侵略にあったようだ。その宇宙人はバット星人。奇しくも俺がつい先日戦った相手と同種族だ。

 さらに、そのバット星人を打ち倒し、この星に平和をもたらしたウルトラマンが三人記録に残っているようだ。それが、ウルトラマンダイナ、コスモス、そしてゼロ。これまた偶然にも俺が今までに出会ったり見聞きしたりしているウルトラマンたちだ。

 しかし、三人のウルトラマンが平和を取り戻した世界で暴れ回る黒い巨人は許せない。

 

 

 そうして情報を整理していると、外がにわかに騒がしくなる。何かと思い俺は店の外に出る。

 するとそこには一体の黒い巨人が現れていた。新聞に載っていた奴だ。俺はウルトラマンに変身する。そして黒い巨人を見据える。その刹那、ひどい頭痛に襲われた。

「何だ……!? 俺は、この黒い巨人を知っている……!?」

 新聞の写真で見た時には無かった頭痛。脳をかき回されるような痛みに耐え、俺は巨人の破壊行為を止める。

 しかし! 

 頭痛が。記憶が。脳が。

 

 痛む! 痛む! 痛む! 

 

 俺の記憶の深いところにあるそれを、無理やり引っ張り出すように。それは、思い出すにはまだ早い。

 

 俺は自分の失った記憶を考えないように、意識をそらしながら黒い巨人と戦う。俺が光線を放つ。相手も偶然同じような光線を放つが、それを考えない。ただ力を入れ、相手に押し勝つことだけ集中する。

 

 光線は相手のそれに打ち勝ち、黒い巨人を爆散させた。

 消えた巨人のいた場所に、何か小さなものが落ちた。

 

 

 

 気になって人間体に戻った後見に行くと、先ほどの黒い巨人を模した人形が落ちていた。さらに、その先には宇宙人が立っている。

「誰だ」

「私はメフィラス星人。この星をいただきに来た」

「黒い巨人は倒したぞ」

「予想外だよ。現に、私以外はこの星を知覚できないようバリアを張っていたのにね。心が疲弊した人間たちは、あと少しで絶望し、私にこの星を明け渡しただろう」

 

 

 

 一方。

 今頃になって現れたのか! ウルトラマン……! 

 男は地球防衛隊の指令室で怒りをおさえきれずにいた。

 気付けば、隊員たちはみな今まで現れてくれなかったウルトラマンへの怒りに燃えていた。

 中途半端な理想と希望を見せ、我々に絶望を叩き付けた、と。

 頭ではしょうがないと、人間の傲慢だと分かっている。

 しかし、()()()胸の怒りは収まらず、彼らは気付けば自らの意思とは逆に出動していた。

 

 

 

 

 

 

 メフィラスの巨大化に対抗して俺も変身する。

 すると、メフィラスの姿が消えた。

「どこだ!」

 それと入れ替わるように、地球防衛隊の戦車や戦闘機が出現。突如、俺に対し攻撃を始めた。

「な、何だこれは! 俺は敵じゃない!」

 すると、頭の中でメフィラスの声が響く。

「私が作戦をすべて君に告げると思ったのかね? これが万が一の時の切り札さ。彼らの中にある、ウルトラマンへの不満をちょいとばかし増幅させてもらった」

 メフィラスの話す合間にも、戦闘機や戦車の攻撃が俺の体を傷める。

 

「くそっ! 人間を操るなんて卑怯だぞ!」

「卑怯もラッキョウもあるものか! それに私は操っているのではない。彼らの本能に語り掛けているだけさ」

 俺は、戦闘機や戦車に攻撃を加えないようにしながら、メフィラスの場所を探す。しかし、透明になっているのかその場所はわからない。

 

 すると、ウルトラマンの力で強化された聴力がなにか声を捉えた。

「右だ! そこに奴がいる!」

 意識すると、確かに右にわずかな違和感がある。

 そこに光線を放った。

「ぬああっ!!!」

 メフィラス星人は消滅。同時に、戦闘機や戦車の攻撃も止んだ。様子をうかがうと、どうやら向こうも困惑している様子だ。

「なぜ我々はウルトラマンに攻撃を……」

「申し訳ありませんでした、ウルトラマンゼロ」

 謝ってくる人もいた。ゼロじゃないんだけどな。

 

 

 

 先ほど透明化したメフィラス星人の位置を教えてくれた人にお礼を言おうと人間体に戻る。

 すると向こうから駆け寄ってきてくれた。

「俺はタイガ・ノゾム。この世界を救ってくれてありがとう」

「俺はマキ。よろしく」

 俺は彼に、黒い巨人と宇宙人を倒したこと、コスモスやゼロと会ったことを話した。

 話を聞くと、彼は以前ウルトラマンゼロと共に戦ったという。それも、彼自身がゼロへと変身して。

 俺はどうなのだろう。話しかけてこないだけで、ウルトラマンという別の存在と一体化しているのかもしれない。

 タイガは、この世界に平和が戻り感謝していることと、ゼロによろしく伝えてほしいといい、去っていった。

 何でも、このことを伝えるべき仲間たちがいるんだとか。

 

 俺も、やるべきことがある。光るペンダントの示す次の目的地へ、俺は飛び立った。

 




◯ー◯◯○◯◯◯(SD)
メフィラス星人
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