日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第36話

1日遅れになってしまったが、国連軍によるレイフォル侵攻作戦は当初の予定に沿い、国連軍の先鋒をつとめるムー陸軍第1師団は占領したデスデモーナ基地を出発しレイフォルに向けて進撃を開始した。

 

 

そしてほぼ同時刻、ハルナガ京の飛行場からも航空自衛隊、新生合衆国空軍の航空部隊がレイフォリアにある飛行場爆撃のため出撃していく。その爆撃部隊の中でも一際存在感のある超大型の爆撃機B-52ストラトフォートレスは今回のレイフォリア空襲作戦で重要な存在であった。

これらは全てレイフォリアのラルスフィルマイナへの戦略爆撃を行う予定であり、5機とも航空自衛隊のF-15Jの護衛を受けながらレイフォリアに向けて飛び去っていく。

 

 

 

「いつ見てもでかいな」

 

 

その様子を地上から見守っていたムー陸軍第1師団の兵士達は巨大なB-52が夜空の向こうに飛び去っていくのを見て感嘆する。

 

 

「あんな化け物みたいな機体がマリンより早く飛ぶんだぜ。こりゃレイフォルのグラ・バルカスの連中が可哀そうだな」

 

「全くだ。俺達がレイフォルに到着する頃には、敵基地なんて無くなってるんじゃないか?」

 

 

そんな会話をするムー陸軍の兵士達の表情には少しばかりの余裕が見られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出撃から30分で爆撃部隊はレイフォル国境を越えて南方より侵入に成功した。

普段の帝国軍なら此処まで来れば迎撃部隊が上がってくる頃だがレーダーが電子戦機で無力化されている事と、残っている航空戦力温存のため爆撃部隊は迎撃を受けずに目標に近付きつつあった。

 

 

『こちらボマー1、これより攻撃を開始する』

 

 

レイフォリア南方にある山脈を越えてレイフォリア上空に差し掛かると、編隊の一番先頭に居た1機のB-52が動き出した。

このB-52の主翼下のパイロンと爆弾倉にはAGM-86C空中発射巡航ミサイルが20発搭載されており、爆撃前に敵基地のレーダーサイトと対空陣地の無力化のため部隊から先行し発射態勢に入った。

胴体下の爆弾倉が開き内部の回転式ドラムに吊るされたAGM-86Cが姿を表し安全装置を解除された。

 

 

 

『ボマー1、攻撃開始!』

 

 

 

攻撃開始の合図と共にAGM-86Cが次々と発射され、ラルスフィルマイナに向けて慣性航法により設定された目標に向けて飛翔していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ?」

 

 

B-52のエンジン音を聞いたラルスフィルマイナ基地の防空部隊の当番兵が辺りを見回す。

 

 

 

「どうした?」

 

「何か聞こえないか?こう……雷のような」

 

「だが月は見えてるし、周りに雲なんて無いぞ」

 

「だったら何なんだこの音は?」

 

 

 

 

当番兵は南の空から聞こえてくる雷のような低い音は徐々に大きくなっていく。まるで此処へ近づいてきているように思えた。明らかにそれは雷の音ではない。

 

 

「嫌な予感がする………敵機来襲!!」

 

 

当番兵が敵機来襲を知らせるブザーのボタンを押すと、基地周辺に警報音が鳴り響いた。

 

 

「対空戦闘用意!」

 

 

防空部隊が対空機関砲と高射砲を旋回ハンドルを使い砲を南の方向に向けて旋回させる。

 

 

ゴォォォォォォ!

 

 

「何なんだ!」

 

 

 

月を背景に多数の光点が見えた。

 

 

 

「6時方向に敵機視認!」

 

 

 

サーチライトが南へ向けられる。

 

 

 

「おいおい………真っ直ぐ突っ込んできやがる!」

 

 

 

その直後、基地に飛来したAGM-86Cが基地内の対空陣地へ向けて突入、着弾と同時に爆発し機関砲と高射砲の残骸が飛び散る。

 

 

「な、何なんだ!?」

 

 

 

当番兵が爆風で揺れる監視塔内で身を伏せながら爆音が鳴り止むのを待ってから、立ち上がって辺りを見回す。

 

 

「何て事だ……」

 

 

対空陣地から多数の火の手が上がっており、監視塔から見えるだけでも生きている高射砲や機関砲の姿はない。

 

 

 

「南方向に超大型機を視認!」

 

 

誰かがそう叫び、南の空を見ると黒い巨大な影が基地上空に差し掛かっていた。

 

 

「なんだあれは!?爆撃機なのかよ!」

 

「応戦だ!残っている対空砲は直ちに攻撃を開始せよ!サーチライト用意!」

 

 

 

対空砲の目標指示のためサーチライトが点灯し、上空に差し掛かっていたB-52に向けられた。

 

 

 

 

 

 

『ボマー1攻撃成功』

 

『了解。後は任せろ』

 

 

ミサイル攻撃を終えたB-52『ボマー1』に代わり、大量の通常爆弾を搭載した後続のB-52が基地に向かう。

 

 

『攻撃用意』

 

 

基地上空に差し掛かると、大量の爆弾が格納された爆弾倉の扉が開く。

 

 

『お?サーチライトが光ってるぜ』

 

 

基地からサーチライトが照らされるが、それはB-52のパイロット達には好都合だった。

 

 

『敵が目標指示してくれてるぜ』

 

『そりゃ、お礼しないとな。季節外れだがサンタからの贈り物をな』

 

 

爆撃手達はサーチライトの光を頼りに、そこへ向け爆撃照準を行う。

 

 

『ちょいと早ぇが、ぶっ飛ぶようなプレゼントを持ってきてやったぜ』

 

『連中、喜びますかね?』

 

『喜ぶさ。そりゃもう体が細切れになりそうな程にな。まぁ連中がクリスマスやサンタさんを知ってりゃの話だが』

 

 

 

爆撃手が爆弾の投下スイッチを押し、爆弾倉と主翼下のパイロンからMk82通常爆弾が次々と投下されていく。

投下された大量の爆弾は雨のようにラルスフィルマイナに降り注ぎ、兵舎、格納庫、滑走路等の軍施設を尽く破壊していく。

 

 

『俺の爺さんも北爆の時にもこんな光景を見たのかな?』

 

 

B-52はベトナム戦争の頃から実戦で使用されているベテランとも言える機体で、中には親子3代でB-52のパイロットを勤めている者も少なくない。

キャノピー越しに、爆撃で破壊されていくラルスフィルマイナを見ていた若いパイロットは自分の父や祖父もベトナムで同じような思いを抱いていたのかと思う。

 

 

やがて搭載していた爆弾を使い果たし、爆撃は終了した。

ラルスフィルマイナに投下されたMk82の総数は168発、使用されたAGM-86Cは20発はレイフォル方面軍の航空戦力喪失と基地の機能不全に陥れる事には成功し、爆撃を終えたB-52はヒノマワリ王国へと引き返していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




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