日本国召喚×不沈戦艦紀伊   作:明日をユメミル

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第40話

国連軍の前に姿を表したルークスは基地へと向かってくる、ムー陸軍相手に猛威を奮っていた。

基地の正門に居座った状態で3門の砲による絶大な火力と圧倒的な防御力を遺憾なく発揮し、ラ・シャルマンからの攻撃を全く寄せ付けず、対戦車兵の対戦車擲弾筒による攻撃すらも決定的なダメージを与えられていない。

 

しかも、ルークスを盾にしてワイルダーやシェイファーの残存車両や歩兵部隊も攻勢を強め、第1師団は基地へ近付けないでいる。

 

 

 

「クソ!これじゃ味方の損害が増えるだけじゃねぇかよ!」

 

 

比較的、基地に一番近い路地裏の出口から鏡越しにその様子を見ていたライアン達は、何も出来ずに犠牲が増えていく味方の惨状に悔しい思いを抱いていた。

 

 

「増援はまだなのか!」

 

 

ライアン達は増援の到着を待ち続ける。

 

 

「隊長!」

 

「どうした!」

 

「本部から連絡で自衛隊の戦車隊、この大通りで立ち往生してるみたいなんです」

 

「どうして?」

 

「後退する我が軍の部隊が邪魔で進めない様なんです!」

 

「で、どうしろってんだ?」

 

「我々が誘導しろとの事です!」

 

「分かった!小隊続け!」

 

 

ライアンは小隊を率いて一旦、大通りに展開している味方部隊の後方へと下がる。

たどり着くと、破壊されたラ・シャルマンや42式装甲車の残骸、砲撃で破壊された建物の瓦礫、後送される負傷者で溢れ返り、その先に第71戦車連隊第2中隊の90式戦車の車列が立ち往生していた。

 

 

「あんたら自衛隊の人かい?」

 

 

 

ライアンは先頭で停車していた中隊長車に駆け寄る。

 

 

 

 

「そうだ!貴官たちは?」

 

「本部からアンタらを誘導しろって言われたんだ!此処を左に曲がったら裏通りがある!遠回りになるが、そこが安全で確実だ!」

 

「分かった!乗ってくれ!」

 

「すまねぇ!」

 

 

 

ライアン達はタンクデサントの状態で90式の砲塔と車体上部に乗り込む。

 

 

 

「乗ったな!中隊後進!」

 

 

第2中隊長の『袴田幸司』1尉の90式はその場で一度バックし裏通りへ抜けている路地裏へと車体を寄せてから超信地旋回で車体を左に向け、裏通りへと入る。その後方から中隊の車両が続く。

 

 

「狭いな」

 

 

90式とほぼ同じ幅しかない狭い路地裏で車体を左右の建物の壁で擦りながらゆっくり進みながら裏通りへと出る。路地裏へ出ると道幅が若干広くはなっているがまだ狭さを感じる裏通りへと出た。

 

 

「此処を800メートル真っ直ぐに進んでくれ!」

 

「了解!操縦手、前へ!」

 

 

裏通りへ出た中隊はそのまま指示された方向へ向けて移動を開始する。1500馬力のディーゼルエンジンが50トンの車体を動かし石畳を踏み潰しながら真っ直ぐ進み出す。

 

 

「あそこだ!あの十字路を右に曲がれば奴の正面に出られる!」

 

「了解!後は任せてくれ!」

 

「頼んだ!」

 

 

ライアン達は90式から飛び降り彼らに後を託した。

 

 

「中隊前進用意!」

 

 

第2中隊は十字路へ出ると、右に曲がり、そのまま大通りへ向かって進む。

 

 

「前へ!」

 

 

 

 

出口に差し掛かるとそこでギアを1段上げ、50トンの車体がダッシュするよう一気に速度を上げて大通りへと飛び出した。ルークスとムー陸軍部隊の間に出た袴田は身を屈めて上半身を半分隠し、左を向いた。

 

 

「アイツか!目標9時の敵戦車、距離120徹甲!」

 

「照準よし!」

 

 

 

左向きに砲塔を旋回させルークスに照準を合わせるが、待ち構えていたルークスが先に副砲を2発のを見舞った。

 

 

「うおっ!」

 

 

1発目は鼻先の地面に着弾し、2発目は砲塔前面装甲に命中したが複合装甲に弾かれる。

 

「報告!」

 

「損害なし!」

 

「撃て!」

 

 

合図で、ドンッと90式の120ミリ戦車砲からAPFSDS弾が放たれた。

超音速でAPFSDS弾はルークスの正面装甲を直撃し、穴を穿つ。

 

 

「次弾装填!」

 

 

自動装填装置が砲に次弾を送り込む。

 

 

「照準よし!」

 

「続けて撃て!」

 

 

2射目が放たれた。

 

 

「命中!」

 

 

 

2発目はルークスの左履帯を破壊、石畳を破壊しながら進んでいたルークスの足を止めた。

 

 

「こちら01、中隊各車。目標敵戦車、集中射!」

 

 

袴田はルークスを確実に無力化させるため、隊にルークスへ砲撃を集中させるよう指示する。90式からの集中攻撃に流石のルークスと言えどひとたまりもなく、やがて最後に放たれたHEAT弾がルークスの弾薬庫に直撃し砲弾に引火し爆発炎上した。

 

 

「目標沈黙!このまま基地へ突入する!」

 

 

第2中隊はそのまま基地へ向けて前進を始め、ルークスを撃破され士気が崩壊した5両のワイルダーも後退を始める。

 

 

「さすが日本の戦車だ!俺たちも行くぞ!」

 

 

ライアン達は第2中隊に続くように走り出しムー陸軍で一番乗りを目指す。

ワイルダーは後退しながら近づいてくる90式に砲撃を仕掛けてくる。

 

 

「目標前方敵戦車。対りゅう撃て!」

 

 

反撃してくるワイルダーに第2中隊の90式は容赦なく砲撃を行い次々と撃破していく。頼みの戦車戦力を失ったラルスフィルマイナの基地防衛部隊は戦線を後退させ基地内へと下がる。

 

 

「突入!」

 

 

第2中隊とライアン達は基地正門前の防衛陣地を突破、逃げる敵兵を踏み潰す勢いで基地への突入した。

 

 

「こちは7戦2中、敵基地への突入成功!敵の防衛ラインは後退しつつあり!」

 

『了解!間も無く普通科がそちらへ到着する!合流後、直ちに基地制圧を開始せよ!』

 

「了解!中隊待機!」

 

 

 

中隊はそこで待機する。

 

 

 

「おい自衛隊!進まねぇのか?」

 

 

 

そこへ後を追いかけていたライアン達が袴田に問いかける。

 

 

「もうすぐウチの普通科がやって来る。それまで待機を指示された!」

 

「分かった!俺達も一緒に戦わせてくれ!」

 

「了解、本部に伝える」

 

 

 

袴田は本部にライアン達との協同歩調を申告、許可を得て共に普通科との到着を待つ。

 

 

『こちら11普、現着!』

 

 

大通りの敵味方の車両の残骸を合間を縫うように第11普通科連隊が到着、基地制圧のため基地内への突入を開始した。

 

 

「こちら7戦2中、普通科と合流。基地制圧を開始する!」

 

「前進、前へ!」

 

 

 

突入部隊は普通科を中心とし、戦車隊は普通科の盾として前衛に立つ。

 

 

 

「敵発砲!」

 

 

案の定、基地防衛部隊は基地内に残されていた新旧の対戦車砲や野砲による砲撃を見舞ってきた。

 

 

 

「撃てぇぇ!撃てぇぇ!奴らを近づけるなぁぁ!」

 

 

 

対戦車砲の砲撃は前衛の90式の砲塔や車体に直撃するが、第2次大戦レベルの砲撃に戦後第3世代戦車の装甲を抜ける筈もなく、アッサリと弾かれる。

 

 

「固すぎる!何なんだあの戦車は!?」

 

「どうしてなんだよ!ムーの戦車ならこの距離で抜けたのに!」

 

 

そんな事など露知らない帝国兵は90式の防御力を前にひたすら砲撃するしかない。

 

 

「履帯だ!履帯を狙え!」

 

 

僅かにいた冷静な対戦車兵が履帯に狙いをつけるが、砲撃しようとした瞬間、90式の砲が自身に向けられている事に気付く。

 

 

「え?」

 

 

 

瞬間、90式から砲撃を受けて対戦車砲ごと吹き飛ばされる帝国兵。

 

 

「チクショウ!喰らえ!」

 

 

仲間をやられて仇討ちと言わんばかりに砲撃を行うが、またもや弾かれる。

 

 

「何でだよ!何でなんだ!!」

 

「喚く暇があったら弾込めろよ!」

 

 

その直後、第2中隊から機関銃による攻撃が始まった。

ブローニングM2と同軸機銃による一斉攻撃に対戦車兵た達は次々と倒れていく。

 

 

「前進!」

 

 

機銃を撃ちながら中隊の90式は基地警備隊の防衛線に一直線に走る。

 

 

 

「ダメだ!止まらねぇ!」

 

「誰か弾をくれ!早く!」

 

 

 

迫ってくる90式の迫力に帝国兵は次々と戦意を失っていき逃げ腰となる。

 

 

「目標12時防護壁、弾種HESH、撃て!」

 

 

防御壁の正面からHESH弾(粘着榴弾)が撃ち込まれ、防護壁が破壊され大穴が開き防御線に穴を開けた。

 

 

「突入!」

 

 

 

そこを普通科隊員を乗せた89式装甲戦闘車と96式装輪装甲車が突入する。

 

 

「下車戦闘!」

 

 

ハッチが開かれ武装した普通科隊員達が車両が降り、警備隊に向けて射撃を開始する。

 

 

「第1小隊は右翼へ、第2小隊は左翼へ射撃を集中!第3小隊と第4小隊は右翼へ前進!」

 

「第3小隊前進用意、前へ!」

 

「第4小隊前進に、前へ!」

 

 

 

普通科小隊は互いに援護しつつ前進、敵防衛線を押し上げる。普通科には帝国兵にはない絶大な火力があり、車両からの機銃や小銃擲弾による援護もあり日頃の訓練の成果を見せるように組織的な戦闘を展開する。

 

 

 

「撃て!撃て!撃て!」

 

「弾切れだ!誰か弾を…グェッ!」

 

「アガッ!撃たれた!撃たれた!誰か助けてくれぇ!」

 

「痛ぇよ!!痛ぇよ!」

 

「やつら、全員短機関銃みたいなのもってやがる!」

 

 

 

弾が無くなり、負傷者が増えていく警備隊。

 

 

「こうなれば…」

 

 

使い物にならなくなったライフルに警備兵達は腰のベルトから提げていた銃剣を鞘から引き抜き、銃口に装着する。

 

 

「突撃ぃぃぃ!!」

 

「おォォォォォォォォォォォォ!!」

 

 

銃剣を装着したライフルを構えて、陣地から飛び出して普通科部隊に向けて銃剣突撃を仕掛けた。

 

 

 

「接近戦に持ち込ませるな!阻止射撃!」

 

 

普通科部隊は帝国兵に接近されないよう小銃と軽機関銃による阻止攻撃に切り替えた。

帝国兵のボルトアクションライフルよりも圧倒的な火力を誇る自衛隊の装備に、銃剣突撃を仕掛けて全力疾走で迫ってきた警備兵達はドミノ倒しのように倒されていくが、それでも仲間の死体を踏み越えて迫ってくる警備兵達は足を止める事なく、鬼気迫る顔で突撃をやめようとはしなかった。

 

 

 

「撃て!撃て!撃て!奴らを近付けるな!」

 

「小銃てき弾!」

 

「手榴弾を使え!」

 

 

普通科隊は小銃てき弾と手榴弾をつかい何としても帝国兵を近付けさせないよう射撃を続ける。

 

 

「援護射撃、撃て!」

 

 

89式装甲戦闘車からの35ミリ機関砲、96式装輪装甲車の96式40㎜自動擲弾銃による支援攻撃も加わるが、警備隊の銃剣突撃は止まらず、何とか十数人が普通科隊に肉薄した。

 

 

「うぉぉぉ!喰らえぇぇ!!」

 

「ちぃっ!この野郎!」

 

 

普通科隊員と帝国兵との白兵戦が始まった。帝国兵が銃剣を隊員に向けて突き刺そうとして、それを隊員が手にしている小銃で受け流し、小銃のストックで帝国兵を殴り倒す。

 

 

 

「いてぇっ!!!コノヤロッ!」

 

 

銃剣に突き刺された隊員も居たが何とか痛みに耐えながら、小銃の引き金を引いて帝国兵を倒す。

しかし多勢に無勢、警備隊は普通科隊員達に次々と制圧され、結果的に警備隊は勢いを削がれる形となった。

 

 

「駄目だ!もう降参する!」

 

「俺もだ!やめてくれ!」

 

 

完全に戦意を失った警備兵らは手にしていた武器を地面に捨て、両手を挙げて降参し始める。そんな彼らに陸自は銃口を向け続けながら、抵抗できないよう拘束していく。

 

 

「奴さんは引っ込んだ!着剣!」

 

 

陸自と共に戦っていたライアンは警備隊が慌てた様子で後退していくのを好機と見るや、部下達に小銃への銃剣の装着を指示する。

皆、腰のベルトから提げられていた刃渡り30センチ程の銃剣を小銃の銃口に装着し、ライアンもホルスターから43式拳銃を引き抜きマガジンを装着してスライドを引く。

 

 

「おい、自衛隊さんよ!!撃つのやめてくれ!」

 

「え?……撃ち方待て!」

 

 

 

話し掛けられた普通科小隊の小隊長は反射的に射撃中止の号令を出し、自衛隊による射撃が止まった。

 

 

「此処からは崎は俺達の独壇場だ!このまま敵の陣地に乗り込む!!」

 

「無理するな!まだ敵は抵抗を…」

 

「今が好機なんだ!!逃したら弾を無駄にするだけだ!」

 

「しかし……」

 

「あんたらも銃剣突撃くらいは出来るだろ!着いてくるなら着いてこい!俺達は止めても行くからな!」

 

 

 

ライアンの言葉に中隊長は後退していく敵の様子を見る。

 

 

「…………了解した。我々も後に続こう」

 

「中隊長!」

 

「彼等の言う通りだ。敵は消耗しきってるし障害物も無いに等しい。それにこっちには90の援護も着いてる」

 

「………分かりました」

 

「総員、着け剣!」

 

 

 

ベテランの中隊長の言葉に部下の隊員達は銃剣を89式に装着する。

 

 

「準備よし!」

 

「俺達が先に出る。あんたらは機を見て来てくれ!」

 

「了解した!」

 

「よし!突撃ぃぃ!!!」

 

 

 

ライアンの号令で第2小隊は一気に駆け出した。

 

 

「うぉぉぉぉ!!」

 

「あぁぁぁぁ!!」

 

 

皆、腹の底から喉が潰れそうな程の大声を出し威嚇するように陣地に迫る。未だ抵抗を続ける様子を見ていた警備隊は彼等の勢いに押されながらも後退しながら必死に銃撃を仕掛ける。

 

 

「ぐぁっ!」

 

「ごっっ!!」

 

 

第2小隊のムー兵達が次々と倒れる中、先頭のライアンは走る速度を上げて、獣のような声を挙げながら敵を倒す。

 

 

「ウォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!」

 

 

ライアンも手にしていた拳銃を使い、回りに居た帝国兵に向けて片っ端から撃ち込んでいく。

 

 

「このやろう!」

 

 

帝国兵の一人がライアンに向けて銃剣を装着した小銃を向けて仕掛けて来たが、身体を左に捻るように曲げて銃剣を交わすと、銃口を掴み、片手に握っていた拳銃を帝国兵に向けて3発撃ち込んで無力化すると同時に掴んでいた帝国兵の小銃を奪い、そのまま陣地内で帝国兵相手に銃剣術を見舞う。

 

 

「隊長!」

 

「おうっ!!」

 

 

第2小隊は勢いに乗り、逃げ纏う帝国兵を片っ端から仕留めていく。

 

 

「すげぇな」

 

「あんなの映画の中だけかと思ってたけど……」

 

 

後ろから機を伺っていた陸自の隊員達もライアン達の銃剣術と度胸を目の当たりにしていた。

 

 

「呆けてる場合か!我々も行くぞ!」

 

「了解!小隊、突撃にぃ前へ!!」

 

 

自衛隊員らもライアン達に続いて突撃を開始した。後ろからも90式、89式、96式、軽装甲機動車が続く。

隊員達は白兵戦が行われている敵陣地の土嚢を乗り越えるとライアン達に加わった。

 

 

「はぁぁぁぁ!!!」

 

「おぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

若手の隊員はアドレナリンが沸いているのか興奮した様子で帝国兵に銃剣を突き立てる。

ベテランの隊員も長年の訓練の成果を存分に発揮し鍛え上げられた銃剣術を使って大きく立ち回る。

 

 

「やるじゃねぇか………負けてられねぇな!」

 

 

ライアンは自衛隊の銃剣突撃に感心しながら、逃げる帝国兵に次々と銃剣を突き刺しながら前進していき、陣地の一番奥に到達した。

 

 

「敵陣地制圧!!」

 

「よし!後は……」

 

 

陣地を制圧し、残された基地の中枢である司令部庁舎を見上げる。

 

 

「誰か短機関銃を持ってる奴はいるか!」

 

「はっ!」

 

 

第2小隊で短機関銃を装備している兵が、ライアンに44式を手渡す。

 

 

「此処からは先は未知の領域だ!短機関銃と散弾銃を装備した兵を中心に敵司令部を制圧する!」

 

「了解!」

 

「よし!爆薬用意!」

 

 

 

ライアン達と自衛隊員達が突入口となる庁舎正面扉に取り付き、固く閉ざされた扉に爆薬を仕掛けた。

 

 

「爆破用意よし!」

 

「点火!」

 

 

爆薬が爆発し扉が内側に向けて大きく倒れる。

 

 

「手榴弾!」

 

 

同時に手榴弾が投げ込まれ、内部で爆発を起こす。

 

 

「突入!」

 

 

ライアンを先頭に庁舎に突入し、後から自衛隊員も続く。

 

 

 

「兎に角片っ端から部屋を押さえろ!」

 

 

 

庁舎に突入と同時にライアンと自衛隊は部屋と言う部屋を片っ端から制圧していく。

 

 

「クリア!」

 

「クリア!」

 

「クリア!」

 

 

この点に関してはCQBの訓練を受けている自衛隊員達が上手で、訓練で培われた技術が大いに生きている。

 

 

「小隊長、このエリアは完全に押さえました!」

 

「よし!じゃあ最後はあの部屋だな」

 

 

粗方の制圧を完了し、最後に残された最上階の部屋の前に立つライアン。

 

 

「行くぞ!」

 

 

一切の迷いを見せず、ライアンは散弾銃で堞盤を破壊してからストックを叩きつけて扉を破り中に飛び込んだ。

 

 

「居ない?」

 

 

しかし中には誰も居なかった。あったのは執務用のみで、机の上には金属製のオイル缶が置かれている。

 

 

「これは……」

 

 

缶の中は真っ黒に焦げており、恐らくは機密書類や暗号表などの資料が燃やされたのだと思われる。

 

 

「仕方ねぇか…………兎に角、この基地は制圧したぞ!」

 

 

基地司令室を制圧したライアン達は、庁舎の屋上に昇り、帝国旗が掲げられていたポールから帝国旗を降ろし、ムーの国章が描かれた国旗を挙げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




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